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2018.07.31
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カテゴリ: エッセイ
その年の4月、私は香川の大学の入学式にいくために電車に揺られていた。

入試の結果この大学と関東の数校の合格を勝ち得はしたのだが当時はバブル期真っ盛り!
関東で独り暮らしの部屋を借りるにも権利金や敷金等で驚くほどの資金が要った。
それに比べてこの大学の香川校は創立6年目で入学金や授業料も首都圏の学校より割安だった。

そして、彼ともまた会えるとも思いったもの大きな理由だった。

しかし・・・
入学式に彼の姿は無かった。

4年後に卒業するまで、ふとしたときに私の脳裏にお土産を高らかに持ち上げたときの彼の笑顔が過った。
ここに彼もいればなあ、、、と何度思ったか知れない。



おそらくではあるが、
彼は大学入学を断念したのだと思う。
妹たちのためにそのまま地元で働くことを選んだのだろうと思う。
そして自分が叶えることができなかった進学の道を妹たちのために切り開いているのだ。

同時に彼は私を探したり連絡を取ったりもしてこない。

実は私はあの日、何も深く物事を考えずに彼に言ったのだ。
「大学生になったらまた会おう。」と。

その言葉に「うん。」と返事をしたときの彼の物憂げな表情は、そうなる可能性が大いにあることを、あの日彼自身が感じていたことを物語っていたのだ。

彼は言葉を疎かにしない男だ。
大学生にならなかったから、私には会わないのだろう。

実に彼らしい!





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最終更新日  2018.08.02 02:23:24
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