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2018.08.28
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カテゴリ: エッセイ
それから13年ほどの月日が流れた。
あの高3の夏からSとは会っていなかった。
そしてSと連絡を取る手段も失っていた。

その頃は仕事を辞めて毎日飲んだくれていた時期であった。
そのときにふと入った本屋で一冊のマンガを買った。
大学生時代に友人に勧められてドハマりしてしまったマンガの作者の新作だった。
その作者の作品は、一見ただのハチャメチャストーリーのように見せてその根底に悲しいまでの人間の気持ちを沈ませる秀逸なものだった。

その新作も私の期待を裏切らなかった。
主人公は中学2年の女の子。

しかしある事件に巻き込まれ、被害者であるにも関わらず世間の好奇の目に晒され両親とも別居する生活を続けていた。

物語の冒頭で彼女はこの世を去る決意をする。
しかしその瞬間彼女は思う。
「死ぬときに持っていけるのは『こころひとつ分の思い出だけ』だ・・・。」
「今自分の心にある思い出は悲しいものだけだ。」
そして自分の命の期限をあと1年延ばすことを決める。
つまり、せめていい思い出を持って死ぬことを決めるのだった。

この作家の秀逸さは、このストーリーの流れを独自の比喩を駆使して、ちゃんと読まない読者にはただのあまり面白くないギャグマンガに思わせてしまう作風だった。





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最終更新日  2018.08.29 02:50:01
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