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2018.09.25
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カテゴリ: エッセイ
『推敲』という言葉がある。
文章を何度も練り直して考えることを意味する。
由来は、唐時代の詩人が「僧は推(お)す月下の門」にするか「僧は敲(たた)く月下の門」にするかを悩み考えたことにある。

「推す」と「敲く」のチョイスには悩んだが、「月下の門」はすでに決定事項だった。

釈迦時代から隋や唐の時代の大陸文学においても『月』の存在は特別であった。
本来暗いはずの夜の闇を照らす[陽]の要素もあれば、本来見てはならないものを照らしてしまう[陰]の要素もあった。
それだけに太陽とは全く異なった存在として人々の心を惹きつけた。

『間』という字がある。
門構えに「日」を入れる字であるが、本来は門構えに「月」であった。


また『月』と同様に『門』という文字にも深い意味があった。
何かの道に進んでいこうと決意するとき、人は門をくぐるのだ。
その先に待ち受けるのが[陽]なのか[陰]なのかは誰にも分からない・・・その入り口が『門』なのだ。
『学問』という言葉も最初は『学門』であった。

仏教のお経の中に『其智慧門。難解難入。』という部分がある。
このお経は釈尊(釈迦)とその弟子・舎利弗(しゃりほつ)の問答を表している。
釈迦が弟子に「其(この/仏教の)智慧の門は、解(理解)するのが難しく、入っていくのも難しい」と説いている場面なのだ。

そんな意味をもつ『門』の隙間から、同じく深い意味をもつ『月』の光が差し込んでいるという表現の凄まじさに感動すら覚えるのは私だけではないはずだ。

もちろん我々日本人も『月』には敬意を表してきた。
日本語では敬意や親しみを言葉に込めて、その言葉に接頭語や接尾語を置く。
主な接頭語には「お」や「御」があるし、接尾語には「様」「さん」などがある。


「父」「母」を「お父様」「お父さん」「お母様」「お母さん」というのが顕著な例である。

しかしこれらの語を人以外に用いることは稀である。
動物でいうと「猿」だけに両方を用いて「お猿さん」なんていうが、これは我々人間に近い、あるいは祖先であることに敬意を表しているという説もある。

無生物(人間や動物以外)でいうと、空にあるものだけこの用法を用いる。
『お月様』であり『お星様』だ。


雲なんかにはこの用法を用いないことから、大気圏外にあるものが対象となっているのかもしれない。

このように語り出したらキリがないほど、我々は『月』に魅せられてきたのだ。

・・・
今夜は中秋の名月が見られなかったという方!
ご安心あれ。
今年は暦の誤差から、今夜(24日)が中秋の名月であったが実は明日(25日)の夜が満月なのだ。

つまり、年によっては十五夜・中秋の名月が満月とは限らない。

だから皆さん!
明日の満月を眺めようではないか。
難しいとこは要らない。
「お月さんはきれいやな~」・・・
それでいいのである。





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最終更新日  2018.09.25 10:39:38
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