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2018.11.13
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カテゴリ: エッセイ
次に私の前に現れたお年寄りの知り合いは小学校の先生だった。
鼓笛隊の顧問の先生のひとりで一番ご年配だった。
顧問は全て女性の音楽の先生だった。
他の顧問は我々から見ておばさんとは言い難く、ちょっと年の離れたお姉さんのような存在だった。

我々鼓笛隊の男子はそんなお姉さん的な顧問を少しなめているようなところがあった。
その中でも特に私が所属していたトランペット隊はその生残率の異常な低さを生き残ったという変なプライドもあって、若手の顧問の言うことをあまり聞かなかった。

その中にあって唯一年配だったM先生は常に我々の前に立ちはだかり厳しく接していた。
ことトランペット隊には厳しかった。
少しの音のズレもテンポのハズレも聞き逃すことなく我々を容赦なく叱責した。


先生は少し驚いたような表情をして「今までトランペット隊で私に卒業の挨拶をしにきた者はおらんかった!」と言ってしばらく何も言わなかった。

しばしの沈黙の後M先生は「あんたらはこれからの人間や。しかもこれからの男たちや。だから厳しく接してきた。私の厳しさから何かを学んでくれていたとすれば私は本望や。これからの日本を頼んだよ。」と言って我々ひとりひとりを抱きしめた。

悪ガキの盛りだった我々もさすがにこれにはわけもわからないくせに泣けてしまった。





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最終更新日  2018.11.14 01:26:47
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