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2019年08月04日

旅に出よう。
すべてを忘れ、
すべてを思い出すために。

旅に出よう。
見知らぬ街並を抜け、
名前も知らない誰かと
すれ違うために。

旅に出よう。
夜行列車に揺られて、

伸びているなら。

旅に出よう。
ガイドブックも無く、
怒声のような尖った言葉が、
飛び交う中を。

旅に出よう。
音符の無い、
無秩序な弦楽がうごめいて、
暗がりの中、
縮こまる勇気を必死に膨らませて、
この意思だけが、

気づくために。

旅に出よう。
たとえ明日の朝、
死ぬのだとしても。
どこにも未来なんて、

旅に出よう。
たとえ大切な人を
失ったのだとしても。
どこにも居場所なんて
見つからないのだとしても。

旅に出よう。
行く道の先に
懐かしい空が見えたら。

旅に出よう。
雲間を抜ける光に
両手を広げて。

旅に出よう。
きみの過去と
きみの未来と
この亜熱帯の風を漂う
誰も知らない
プルメリアの甘い香りを
繋ぐために。

旅に出よう。
すべてを忘れ、
すべてを思い出すために、
この星のどこかへ。