空腹ラッコの雑記帳

空腹ラッコの雑記帳

2018/02/05
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カテゴリ: 音楽
もう1年数ヶ月前になります。

これまでN氏と呼んできた新垣隆氏が、本人名義で世に出した曲を収録したCDが発売され
その記念イベントに参加することができたのです。

CDの中心曲は数ヶ月前初演された交響曲。「連祷」と題された40分程度の曲です。
S氏名義の交響曲の世界と類似性が感じ取られ、現に「模倣」との指摘もありますが、かつて改作を提案したことがあった私は、演奏可能な曲を世に残すという責任を果たす意味もあり、一度は作っておくべき曲だったと解釈しています。
「改作より新しく作った方が早い」とばかりに新作を生み出したのがこの方らしく、ずるずると楽曲を提供し続けたS氏との関係について、この方が説明してきたことを裏付けてもいます。

さて、会場の楽器店・コンサートルームは8分の入り(後方が報道用に空けてありました)。前方には白いピアノが置かれていました。
イベントが始まり、新垣氏が登場。大半は新垣氏へのインタビューで、こちらの内容は既に流通しているものがほとんどでした。


氏はこの交響曲の抜粋を披露したのです。楽譜なしの演奏で暗譜なのか即興なのか、いずれにせよ、この曲を演奏できる形で完全に自分のものにし、頭と指に覚えさせていることを明らかにしていました。
定評のあるピアニストとしての技量以上に、このことが強烈な印象を残しました。

その後サイン会が開かれました。言葉を交わすチャンスだと思い、列に並びました。
「これからの取り組みで発信される音楽が、少しでも多くの人の心に伝わるものでありますことを願っています」と申し上げ、こちらは謝意とともに受け入れてくださいましたが、聴いたばかりのピアノについて「圧倒されました」と伝えたことには予想とは違う反応を示されました。
「いやいや、とんでもない」というようなことを小声でおっしゃり、最初は謙遜なのかと思いましたが、
真顔で首を振るご様子から、本気を感じました。

真意は何だろうか。あの程度を自分の力と思われては困る、という趣旨だろうか。S氏が「技術屋さん」と呼ぶ芸術家の神業と、こんなものではないぞという矜持。「こんなものでない」のは新垣氏の技量か、それともクラシックの奥深さか。
まだ底を見届けていないという不確かな気持ちが、今でも記憶に残っています。





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最終更新日  2018/02/21 06:37:27 PM


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