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2019.12.23
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カテゴリ: 飯島多紀哉
今回は元木早苗役の空賀花さんのお話です。

前回お話したように細田友晴をメインの語り部から外したドラマCD。
これに対して顔をしかめる方もいると思いますが、自分的にはこれからの『学校であった怖い話』の世界観を守る部分と責める部分でいろいろと考えています。
それが語り部という存在をどう考えていくかというものでした。
それを試験的に試すのにドラマCDが非常に向いていると判断したのですが、では細田の代わりに誰を持ってくるのか?

個人的には、第一候補は綾小路行人でした。
彼は本来SFC版でもメインを貼れるキャラクターとして登場予定だったにもかかわらず、同性愛ネタが強烈すぎるということでお蔵入りになったため、デビューは小説版となりました。
事実、語られ役として登場したキャラクターの中では絶大な人気を誇っています。
なので、順当にいけば彼は十分に務まるでしょう。

第二候補として考えていたのが、新キャラ。
今回は都築里佳さんが演じた筒井里佳、堀越せなさんが演じた不知火美鶴という二人のキャラクターがいますし、この二人は半端ない個性を持って登場してきます。
一度触れたら、忘れられない存在でしょう。
しかも都築里佳さん、堀越せなさんともに多数の固定ファンが付いており、そんなファンの方々にアピールすることを考えれば十分にメインの語り部として登場していただくことは考えられました。
事実、それほどキャラクターは作り込みましたし、彼女たちはそれに応えてくれる熱演も披露してくれました。

そんな中、細田友晴の椅子に座ったのは元木早苗でした。
元木早苗も語られキャラとしては大変人気があり、SFC版ではその特異的な性質から知名度は抜群です。
ナナコロ復活の狼煙を上げた『アパシー 学校であった怖い話 新生』では七人の語り部の一人を務めましたし、その評判も上々でした。
『アパシー』シリーズでも元木早苗自身が準レギュラーとして登場回数は多いですし、元木一族はシリーズ通してかなり重要な立ち位置にいます。
だからこそ、候補の筆頭として挙がってもおかしくない存在でした。
しかし、自分の中で決め手には欠けていました。
果たして語り部の中にいて、きちんと務まるのだろうか。

そんな不安を消し去り、一気に六人の語り部として収まったのは、元木早苗役を務める空賀花さんの登場でした。
『学校であった怖い話』のファンであることを前面に押してきた彼女は、日野まりさんが自ら立候補して倉田恵美役を勝ち取ったことに触発され、例え力不足でもこのチャンスを活かしたいとオーディションに応募してくれました。
男性、女性用にそれぞれ応募用のセリフを用意していたのですが、そのどちらも演じて応募してきました。
実は、女性でも男性でも出来ますと言って応募してきた方は結構いました。
女性だけですけれど。
僕、女性もできますからと言って送ってきた男性は一人もいませんでしたが。

ですが空賀花さん、男性、女性を演じ分けるだけでなく『学校であった怖い話』に登場する様々なキャラクターの声を想定して演じ分けたサンプルボイスを送ってきてくれたのです。
しかも、それが実にうまい。
その時点で、空賀花さんは要注目人物の一人になったわけです。
問題は、誰を演じるか。
正直、どんな役でもこなせてしまいそうな演技力は、とても新人とは思えないセンスの良さで、本当に僕を悩ませました。
そんな彼女の演技力を活かしたいという思いも手伝い、彼女を元木早苗役に抜擢し、さらに六人の語り部の一人をやってみないかとお願いしたのです。

しかし、『アパシー 学校であった怖い話 新生』で初めて語り部を担当した元木早苗。
しかもそこではかなり変則的な登場の仕方で、リレー形式のシナリオになっています。
なので、彼女がきちんと語って完結させるシナリオというものは存在しません。
そのため、六人の語り部の一人として登場するからには最低でもシナリオを二つ用意しなければなりません。
色々と悩んだ結果、一つはSFC版でも大変人気が高く、今では『学校であった怖い話』の世界を飛び出して独り歩きしている都市伝説にまでなってしまった『飴玉ばあさん』のお話。
本来は新堂誠が語っていますが、そのあと岩下明美や富樫黎雄が語るようになった人気シナリオです。
これを、ドラマCDだからこそ元木早苗に語ってもらいました。
もちろん、SFC版のシナリオの持ち味を活かしたまま元木早苗版にアレンジしました。

そしてもう一本が新規シナリオとなる『座敷童の家』です。
実を言うと、元木早苗のシナリオは、『放課後の交霊会』というシナリオも書いていました。
どちらも、御先祖様が何かあると出てくるという彼女の特異体質を活かしたシナリオなのですが、完成した二つのシナリオを見比べて今回のドラマCDに相応しいのは『座敷童の家』であると判断しこちらを選びました。
おそらくは彼女らしいほんわかしたシナリオだろうというファンの想定をどのように裏切って落とし込んでいくかを考えたシナリオに仕上がっています。

空賀花さんは、どちらのシナリオも大変楽しそうに演じてくださいました。
もちろんうまくて当然なのですが、僕をはじめスタジオにいた全員が驚愕したことがあります。
それは、この二本のシナリオはとにかくセリフごとにお爺さんやお婆さんなど様々なキャラクターが目まぐるしく変化していくですが、それを一気に演じたことです。
数十分あるシナリオをいくつもの役柄を演じ分けながら一気にしゃべろうとする彼女の気迫というかやり込み具合に、一同開いた口がふさがらなかったというか、もう唖然とするしかありませんでした。
しかも、おばあさん役というだけでも数種類あるに関わらずそれさえも演じ分けるという拘りよう。
彼女の演技が終わると、僕は大きな拍手を彼女に送りました。
まさに、出来の良い一人芝居を特等席で観させていただいたのです。

まだまだ新人の空賀花さん、間違いなく今後頭角を現してくる声優さんだと思います。
実は彼女、イラストもとってもうまいんです。まさにプロ並み。
『アパシー』版の元木早苗はとても絵がうまくて倉田恵美に唆されて漫画家を目指すことになるんですが、それを地で行くようなキャラクターでした。

ちなみに、複数の御先祖様をその体内に住まわせているある意味誰よりも恐ろしい元木早苗。
彼女の語り部パートは全部で65分ほどあったのですが、なぜか完成したCDを聞いてみると55分しかありません。
これは、御先祖様のいたずら? それとも怪奇現象? いやいや、ただの勘違い?
実際、最後の最後までいろいろと問題が多発して完成しなかったのが彼女のパートなのです。
それが、一人だけ遅れてやっと完成したのですが…。
なんだか、完成版を聞いて一人でぞっとしていました。

『アパシー』版では倉田恵美と仲良しの元木早苗ちゃん。今回の『アパシー 学校であった怖い話 ドラマCD』版では、SFC版同様、福沢玲子の仲良しで同じクラスとして登場します。
なので、福沢玲子役の大地葉さんとの掛け合いが様々なシナリオで登場するのですが、その掛け合いが実に絶妙で面白いんです。
いやいや、なんでこんなに息があってるの?と思うほど。
必聴の価値あり!!デス。

というわけで、すさまじいポテンシャルで元木早苗を演じきってくれた空賀花さん。
イベントでもあの素晴らしい一人芝居を生で皆さんに見せてあげてほしいです。
本当に素晴らしい演技をありがとうございました。
ぜひ、これからもよろしくお願いいたします!!





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最終更新日  2019.12.23 12:56:02


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