今が生死

今が生死

2018.11.11
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カテゴリ: 健康
昔から睡眠時無呼吸の症例はあったが全く関心は持たれていなかった。しかしバスや電車の運転手が事故を起こして健康診断の結果、彼らが睡眠時無呼吸症候群だったとして注目されるようになり今では殆どの病院に同症候群の専門外来がある。7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上出現するか1時間に5回以上出現するものと定義されているが、殆ど自分では認識することが出来ない。家族に指摘されて病院受診して診断されるが、10秒どころか数分無呼吸になっている人もいる。
 症状は睡眠時間は取れているのに昼間うとうとすることが多く、運転中など神経を集中していなけれなならない時でも眠くなってしまうとか、寝ている時口の中がからからになっているとか夜間何度もトイレに起きる(夜間頻尿)とか、朝起きた時すっきりしなくて寝たような気がしない等が自覚症状である。他覚所見としてはイビキである。これは殆ど必発で睡眠中に筋肉の緊張が緩み、舌根が沈下して気道閉塞が起こり、呼吸の度に粘膜同士でこすれて大きな音が出る状態である。それがひどくなると完全閉塞が起こり、無呼吸になり、体の中の酸素が欠乏してくると慌てて大きな呼吸をするのを繰り返すことになる。一緒に寝ている家族が患者のイビキが止まってどうしたのかなと思っていると突然大きな息を吸いこんでくれて安心することになるが、あまり長く止まっていると死んでしまうのではないかと不安になることがある。
 対処法は舌根沈下を防ぐために横向きかうつ伏せで寝ることでかなりイビキが少なくなり無呼吸も減ってくる。下あごが少し前に出るように造られた歯型(マウスピース)を口の中に入れて眠る方法や、口を開けて口呼吸をしているから口の中が乾いたりイビキが出るので口が開かないように絆創膏で上下の唇を張り合わせる方法もある。病院に行くと無呼吸の程度に応じてCPAPという機械での治療を勧めてくれることがある。これは電動で常に鼻から一定量の空気を送り込む機械である。無呼吸になるのは気道が完全に閉塞してしまうからだが外部から常に気道に空気を送り込んでくれるので完全閉塞を避けることが出来るのである。
 本症候群に罹ると仕事の能率がさがり、自動車事故の可能性が高まり、記憶力も落ちる。上記に書いた自覚症状があり、家族からイビキがひどいと言われている人は一度睡眠時無呼吸症候群の外来を受診することをお勧めする。





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Last updated  2018.11.11 14:10:40
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