今が生死

今が生死

2019.06.14
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カテゴリ: 健康
A)フレイルとは、厚生労働省研究班の報告書によると「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされている。
以上を分かりやすく言うとフレイルとは健康と要介護の中間で「体の色々な部分の衰え」と「精神心理面の衰え」や「社会性の衰え」も関わりながら自立度が落ちていく状態で、日常生活の中で継続して前向きに努力すれば様々な機能を取り戻すことが出来る状態と言える。
 フレイルの基準には、さまざまなものがあるがFriedが提唱したものがよく採用されている。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断する。
1.体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
2.疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
3.歩行速度の低下
4.握力の低下
5.身体活動量の低下
B)フレイル対策

1)運動療法としては厚生労働省は「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」として、今より10分多く体を動かすプラス・テンの呼びかけを行っている。
それは日常生活そのものに運動の要素を取り入れることで、例えば、「出かける時はなるべく徒歩で出かける」、「階段を積極的に上り下りしてみる」ことや、「テレビを見ながら足の運動をしてみる」、「家族や友人に会いに行ったり、催し物に行ったりなど、外に出掛けるきっかけをつくる」ことなどを行い、運動する時間を増やす。
歩く時は、お尻と背筋を伸ばして腕を振り、歩幅を大きくして少し速く歩く。身体をしっかり伸ばして大きく足を動かすと、全身の筋肉を効率よく使うことができる。
2)筋肉や骨をつくるために必要なたんぱく質などの栄養素を食事から摂取し、レジスタンス運動を行って筋肉の合成や骨密度の維持を図ることも効果的。レジスタント運動とは筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動で スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動である。10-15回程度の回数を反復し、それを1-3セット無理のない範囲で行うことが勧められる。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動なので、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要がある。毎日行うのではなく、2,3日に一回程度、週あたり2,3回行うくらいの運動頻度が推奨され無理のない範囲で「継続的」に行うのが良いとされている。
3)加齢による食事量の低下に加えて、食欲低下もあると慢性的に栄養不足の状態になる。慢性的な低栄養の状態は、サルコペニア(筋量減少、筋力低下)をさらに進行させるという悪循環へ陥る。筋肉の合成に必要なたんぱく質や野菜、果物などバランスよい食事を心掛ける。
4)運動療法は個人に合ったものから始めることが大切。ベッドの上で足の運動を行うことから始まり、椅子に座ったり立ち上がったりを繰り返したり、歩行距離を徐々に延ばしていくように運動強度を調整する。筋力が低下している状態で、いきなり立ち上がったり、無理に歩行しようとすると転倒や骨折を起こす危険があるので注意する。
5)運動療法は栄養療法とセットで行う必要がる。低栄養状態で運動を行っても筋肉がつかないどころか、低栄養状態を助長してしまう。筋肉をつけるために必要な良質なタンパク質を摂るように心がける。
6)フレイル予防には社会参加も重要で自治会活動や趣味を同じくする者同士の同好会やボランテア活動に積極的に参加することもフレイル予防になる。

 従来は高齢になり体力が落ちたり認知機能が低下したりすると歳だから仕方ない、そのうちに要介護になり次第に衰弱して寿命を迎えるのが自然の流れと考えられていたが、最近になりフレイルの考えが導入され、努力することによって様々な機能を取り戻すことが出来ることが分かってきた。それにも限界があったり個人差もあると思われるが少しでも取り戻せるなら努力した方がよいと思われる。





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Last updated  2019.06.14 22:45:35
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