
80歳のパーキンソン病の女性患者さんが新型コロナに罹ってしまった。今のコロナは罹っても軽くすむと言われてきたが、この方は中々コロナが陰性化しなくて、やっと陰性になった時には咳などの呼吸器症状があり、レントゲン検査をしたら両肺、特に左肺が一様に白くなっており、CT撮影したら両肺の間質性肺炎だった。
ガス交換してくれる正常な肺胞組織が潰れてしまい、大量の酸素を投与しても呼吸が苦しくて苦痛様の声をずっと出し続けていた。血液検査ではDICと言って血管内凝固症候群の状態で血小板が正常の15分の1位までに減ってしまい、危険な状態になってしまった。副腎皮質ホルモンや抗凝固剤のヘパリンなどを点滴して回復を願ったがその兆しなく衰弱が進み、ご家族にも数日の命かも知れないとお話した。
パーキンソン病で3年以上受け持ちとして診療してきたので何かあったら自宅に連絡してくださいと看護師に伝えておいた。毎晩晩酌としてお酒を飲んでいたが、病状変化があった時にすぐ病院に行けるようにお酒は飲まないことにした。今日で一週間禁酒しているが慣れてしまえば飲まなくても平気でいられる。携帯を、食べるところ、寝るところなど全ての所に持ち歩いている。患者さんは大きな声で苦痛様のうなり声を出し続けているが、今の所まだ当方への呼び出しの連絡はない。しかし何時電話がかかってくるかひやひやしている。生死の境目にいる患者さんの苦しいお気持ちを痛切に感じながら、少しも減っていない酒瓶をむなしく眺めた。
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