今が生死

今が生死

2025.05.08
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カテゴリ: 読書



今日も「21世紀への対話」から
池田「残念なことに医師は仁術を行うものであるという信頼感は今日では薄れてしまっています。医療は本来医師と患者の人格交流に基づくものなのに今やそれが崩壊に瀕している状態です。医師の倫理観の喪失は医師個人個人の姿勢事態に一つの原因がありますが、もう一つの原因は文明社会全般の生命軽視の風潮でこれが医者をして医学を悪用させる方向に走らせているのではないでしょうか」
トインビー「近年アメリカでは医師たちが自分個人の金儲け仕事としてのみ医療を遂行しており、もはや一般への奉仕などと考えていない傾向があります。腕に自信がある専門医が自分の技術を出来るだけ高値で売りつけることを何よりも大事に思うような医師は高度な医療技術の持ち主であっても患者さんにとって人間的で思いやりのある友人には到底なれないでしょう」
池田「私は医師が医学の基盤に生命の哲理を置くことによって医師の倫理観喪失という問題に抜本的解決をみることが出来ると考えています。生命の本質と人間性への明晰な洞察を基盤とすべきでそこに立脚した信念によって初めて真の医学が行われると考えています」
トインビー「人間の生命に対して、また人類の生存の場であるこの宇宙に対して何らかの宗教的ないし哲学的見解、態度を持たない限り、いかなる人も精神的、倫理的に十分適格な医師にはとてもなれないと思います」
私の娘はアメリカに住んでいるが、アメリカでは医療費がとても高く、医師は豪邸に住んでいると言っていた。金持ちになりたくて医者になった人も多いと思われる。
池田、トインビー両氏の考えは、人間生命を十分理解し、ヒュウーマニズム溢れる人でなければ適格な医師になれないだろうとのことで、私も医師のはしくれとして深く心にとどめようと思った。





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Last updated  2025.05.08 22:59:31 コメント(5) | コメントを書く


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