大学の頃、水泳部の1年先輩のMさんが一冬毎日泳ぎ切ったことがある。地方の国立大学なので温水プールがあるわけではない。吹きさらしのプールである。そのMさんと寮の同室だったことから、私が介助人ということになった。プールサイドを歩きながら見張った。何か異変があった場合に救助するためである。見ている方が寒い気がした。
水泳部の恒例行事として泳ぎ初めがあった。雪が降ったことがある。水の中に飛び込むと冷たいというより痛い。全身がチクチクする。そして次は頭が痛くなる。 100 メートルを泳ぐだけで意識がなくなるのではないかという恐怖があるほどの命がけの行事だった。
知床の観光船に乗っていた方達のニュースを知り心が痛む。プールでも辛いのに、荒波の立つ水温 2 度の海ではいくら水泳がうまくても絶望しかない。
私の長女は1週間前に社内旅行で知床を訪れたところだった。提案した知床ツアーが採用されて何人かがそのプランに乗って来たそうだ。時間軸がちょっとずれていたらと思うと被災された方には申し訳ないが、長女は運が良かった。人間の運命はわからない。
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