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2025.12.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
先日、成羽美術館で開催されている「#もっとタグコレ」展にMさんと一緒に行ってきました。
一昨年に続いて、今回で2度目のタグコレです。
前回に比べると、展示されている作品の数が少なく、また、知っているアーティストの数もほんのわずかでしたが、現美の野次馬にとっては、充分楽しめるコレクションでした。
せっかく写真をたくさん撮ってきたので、その中から特に印象に残った作品を3点ほど紹介させてもらいます。



これは会田誠の「灰色の山」という絵です。
3×7mのかなりでっかいサイズです。
遠くから見ると、霧に煙る山並みを山水チックに描いた風景画みたいに見えるのですが、近寄って見ると、いきなり現代美術の本性があらわになります。 笑



なんと、この山はサラリーマンの死体が堆(うずたか)く積まれた山だったんですね。
みんなスーツを着た男たちばかりです。

血糊や傷痕などが全く確認できないことから、おそらく彼らの死因は過労死でしょう。
企業戦士、あるいは社畜として、働いて、働いて、働いて、働いて、働いたあげく、ある日バッタリと倒れ、そのまま廃棄物として捨てられた人たちです。
まるでヒューマノイドロボットみたいなものです。
顔がのっぺらぼうなのは彼らが没個性であることを表しているのかもしれません。

あるいはまた、これはSF漫画の世界だと思ってみるのも面白そうです。
今人間がやっている仕事のすべてをサラリーマン型アンドロイドが代行する近未来社会。
『ブレードランナー』のアンドロイドのように、彼らの耐用年数は5年に設定されており、5年経ったら使用済みのジャンク品としてゴミの山に捨てられる。

いずれにせよ、画面全体を支配するびっしり感(稠密感)とか廃物感は半端ないくらいの熱量を帯びています。
これはそうした周波数が好みの人にとってはたまらない絵かもしれません。 笑
特にびっしり感に関して、ついでに言えば、愛好家は絵画よりはイラストや漫画の世界でこの感覚をよく味わっているのではないかと思われます。
ここで、パッと思い浮かぶのは「ウォーリーを探せ」ですが、実はこの絵の中にもそのウォーリーが潜んでいるんですよ。

私はただの凡人なので、全然気づきませんでした。 笑

作者の会田誠は何かとセンセーショナルな面ばかり取り沙汰されるきらいがありますが、その卓越したユーモアのセンスも見過ごしてはならないような気がします。
この人の作品は、一度人間の視点を離れて、天使や精霊の目で見てみると、けっこう笑えたりします。
あと、「灰色の山」に関してもっと深読みしたい人は藤田嗣治の「アッツ島玉砕」と見比べてみるのも面白いかもしれません。
どうやら、会田誠は「アッツ島玉砕」へのオマージュとしてこの絵を描いたという話ですから。






鹿の剥製が無数のガラス・ビーズで覆われている、そんな奇抜な彫刻です。
ガラス玉には鹿の毛並みや周辺の景色が歪曲されたり拡大されたりして映っています。
それらはまた、見る角度によってもその都度変化します。
要するに、「モノ」(ここでは鹿)がビーズ(=セル)で覆われることによって、本来の物質としての質感は消失し、画像や映像=情報(光)の集合体へと変容する様を表現した作品なんだそうです。
え?ちょっと何言ってんのかわかんない、ですか?
もっとざっくり言うと、「常にスマホやパソコンを通してものを見ている私たちの状況を表している」そうですよ。

まあ、そんなふうにむりやり意味付けしなくとも、この作品はそのままで充分魅力的です。
なんだか生命体が鉱物化してキラキラ輝いているようです。
この前、SNSで、上半身裸の少年の背中にでっかい水晶がニョキニョキ生えているイラストを投稿している人がいたけど、こうしたイメージに萌える人ってけっこういるはずです。
熱狂的なファンを持つJ・G・バラードの『結晶世界』の中にも、人間が鉱物化する場面が描かれています。
ということで、やっぱり、周波数が問題なんですよね。



最後はこれです。
ホセ・ダヴィラというメキシコ人アーティストの「共同作業 ( Joint Effort ) 」という作品です。
現代美術において、ガラスという素材はけっこうよく使われている方だと思います。
古くはデュシャンの「大ガラス」。
最近では、ゲルハルト・リヒターの「14枚のガラス/豊島」など。
また、バランスというか、均衡をテーマにした作品もけっこう見かけます。
例えば、フィッシュリ&ヴァイスの「均衡」シリーズなど。
ということで、上の作品もそうした系譜に連なるものと言えるでしょう。
ちょっくら、プレートの説明文を引用してみます。

「本作はガラスやベルト石といった建築によく用いられる材料を用いていますが、その不安定なバランスは、ある点に少しでも触れてしまえば全てが崩壊するような緊張感をこの空間全体に湛えています」

そんなふうに言われると、その「ある点」とやらにちょっと触ってみたくなりますよね。 笑





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Last updated  2025.12.16 17:59:10
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