あの、ゆるやかな日々

あの、ゆるやかな日々

2013年11月24日
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小田和正は相変わらずあちこちで話題になっているし、金曜日にユーミンがNHKに出ていた。我らが財津和夫は…、と思っていたら土曜日に出た。

「チューリップは結構好きだよ。若いときはよく聴いたね。好きなのは『心の旅』とか『虹とスニーカーの頃』かな。メンバー?えっと、財津和夫と姫野達也は知ってるけどあとは誰だっけ。」といった人たちにとっては初めて知ることもいろいろとあったと思うが、私には特に新しい情報はなかった。

デビューに至る経緯、メンバーとの確執、解散時の状況、ソロになってからの活動など、今までのインタビュー、書籍などで取り上げられていることばかりだが、もとより番組制作の意図も、新しい事実を発掘することであろうはずはない。番組で紹介された曲も、「心の旅」「青春の影」「サボテンの花」といったメジャーな曲ばかり。初めてライブ音源を放送する、というものではない。

私が興味を持ったのは、この番組を通して、この番組のプロデューサーが、またはNHK全体が、そしてさらに言えばコアなファン以外の全国の一般の人たちがチューリップや財津和夫に対してどんな感情を持っているのかを知ることができるということだった。

別に財津和夫やチューリップに話題になるような(ツアーが始まるとか、ニューアルバムがリリースされるといった)ことがあるわけでもないこの時期に、学生時代のバンドのメンバーなどもひっぱり出してきて、大阪芸術大学や西南学院大学にも足を伸ばして取材をし、1時間という枠を使ってドキュメンタリー番組を作るわけだから、かなりポピュラーな、メジャーな存在だったという位置づけになっていることは間違いない。フォーシンガーズから始まって、最近のソロ活動まで、網羅的にこれまでの活動をうまくまとめていたように思われる。1時間という時間の中で財津和夫というミュージシャンを過不足なく紹介できていた。

しかし、これはNHKの福岡放送局の制作であるということ、ナレーションを行っていた川原和久という俳優も福岡出身であること(ちなにみ年齢は私と同じで、誕生日も1週間しか違っていなかった)、などから、ある程度チューリップについては一般人よりも詳しいであろう人たちによって作られた番組であることが推測される。その点からみると日本全国の人たちとの感覚とはやや異なるかもしれない。

私は、個人的見解では、財津和夫は小田和正よりもずっとコンポーザーとしては上だと思っている。商業的には後塵を拝しているかもしれないが(オフコースとチューリップの比較、お互いのソロ活動の比較という点において)、小田和正が作る歌にはあまり普遍性がなく、小田和正色の強いものが多いので、小田和正による歌唱という前提がなければあれほどヒットしたかどうかは疑問が残るからだ。もっともそれはボーカリストとしては財津和夫よりも小田和正のほうが勝っているということの証かもしれない。

私が知っている範囲で具体的に挙げれば「そんなとき君がいれば」「アンクル・スパゲティ」といったツービートの曲、「ムトウス」のような3拍子の曲、「仔牛のローカウジー」のようなカントリータッチの曲、「あのバスを停めて!」のようなラグタイム風の曲、「Mrプレスマン」「一人がいいさ」といったブルースフィーリングのロックンロールなどは小田和正の曲には見当たらない。また、いわゆるヒット曲は小田和正のほうが多くリリースしていると思うが、「切手のないおくりもの」のような国民的な愛唱歌(?)は小田和正にはない。財津和夫の音楽家としての幅の広さ、奥行きの深さを表していると思う。

といった点から言えば、今回のドキュメントも私としてはもっとサウンド面からのアプローチをしてほしかった。ビートルズとの出会いとその影響、ビートルズ以外の音楽からの影響(特にクラシックやジャズからの影響)などについてもっと知りたかったと思う。






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最終更新日  2013年11月24日 23時58分27秒
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