3枚目の「GIRL TO LOVE」もよく聴いた。このアルバムの中で好きなのはまず「適齢期LOVE STORY」。スピード感がすごい。そして「君はうるさい」。私はチューリップが好きで、チューリップを手本として音楽をやっていた。財津和夫の歌詞はとても落ち着いた大人っぽい世界観を持っている。たとえて言うなら20代後半くらいの大人の男性と、20代半ばくらいのOLのラブストーリー。それと比べると、KANの書く詞の世界は高校生のカップルという感じか。とても新鮮だった。実は初期のKANは作詞は別の人という曲が多い。2曲目のシングル「BRACKET」も作詞は別の人だ。それでも出来上がる曲は同じ世界観を持っているのが不思議だ。3枚目のシングルになった「だいじょうぶI’M ALL RIGHT」も秀逸。当時人気のあった大江千里の作る曲に雰囲気が似ている。ひょっとして何か意識するものがあったのだろうか。「恋はTONIN’」などはKANにしか作れない曲だと思う。あえてあげれば、根本要あたりの作る曲にこんな感じのものがあるかもしれない。しかし、曲が同じでも根本要が歌ったんではKANのこのようなポップな世界は表現できそうもない。そして、なんといっても素晴らしいのが4年後にシングルカットされた「言えずのI LOVE YOU」。歌詞も、メロディも、アレンジも。