たけうちグループ倒産の影響については、この楽天ブログだけでもいろいろ書かれていてあちこち読んでいるのですが、京都の染元さんのブログでは、たけうちだけでなく他の業者さんへの納品も止まってしまっていたり、先輩の染元さんが自殺されたりと、心が痛くなるようなことになっていたり、大阪の呉服屋さんのブログでは、そこの取引先はたけうちに関係ないところがほとんどで影響なかったものの、取引のあった1社は合繊プレタ着物が6000枚返品されてきたとか、着物とは関係ないけれどたけうちグループ会社だった和カフェも閉店されたとか、残念なニュースがたくさんありました。
地元京都新聞の記事によると、和装関連団体でつくられている京都和装振興財団と京都府と京都市が、たけうちグループ破産による京都の和装流通、産地の業況悪化を懸念して緊急会議を開かれたそうです。今回の破産の背景には「モラルにはずれた強引な商法による消費者の信用低下があった」ということで業界側は和装市況の悪化を防ぐために、流通、産地を含めた業界全体で押しつけ販売や支払い能力を超えるローン販売の一掃に取り組むことなどを盛り込んだ宣言文を発表したそうで、府と市は相談窓口を作ったり、連鎖倒産を防ぐための低利融資制度の対象になるよう国に要望したり、金融機関に資金協力を依頼したりしているとのことです。これ以上失業者や自殺者が出ないように業界にも行政にも頑張ってほしいのですが、この記事の最後にちょっと引っかかった一文が。
このほか、和装関係者からは「着物需要の拡大につながる支援を」などと行政サイドに要望。
ふんふんと思いながら読んだのですが、時間が経つにつれ、なんかもやもやしたものがわいてきました。職人さんや和装業界さんの生活や命を連鎖倒産から救うための低金利の融資制度をやるのは大いに賛成というか、私は無利子でもいいやんと思うのですが、「着物が売れるように役所が支援する」というのは、なんか違うような気がするのです。
それこそ、いろんな着物ブログの中には「京都の役所の職員は全員着物を着て仕事すればいい」とかいうのもありましたが、たとえば、規制緩和で大変苦しくなっているタクシー業界ですが、役所に「タクシー需要の拡大につながる支援を」という要望があったから、業界を救うために役所の人間は全員タクシーで通勤・出張する、ということになったら、私はそんなの許せません。いま好景気の自動車会社が「自動車が売れるように支援してくれ」とか、電機メーカーが「薄型テレビが売れるように支援してくれ」とか、お役所に頼んだりはしていないでしょう。京都を代表するというか、いまや世界的企業となった任天堂も、もともとはカルタや花札会社だったのが、ファミコンで会社が大成長し、いっときプレステに押されたものの、DSで見事に大ヒットを飛ばしていますが、ファミコンが下火になったからファミコンの需要が増えるように支援してくれなんて役所に頼んだりはしていません。なんか、和装業界が府や市に支援要請したというこの一文を読んで、いまだに「お上頼み」な業界の体質が今の和装業界低迷を招いているのではないだろうか、という気がしたのでした。
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