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2006.03.21
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【第33回】
大建中湯は腹痛と膨満感に適応

手術後の腸閉塞(1)
 漢方薬は内科の慢性的な病気に使われる薬と思っている人も多いと思う。ところが、今や「大学病院の外科の9割以上が常備している」というのが、大建中湯(だいけんちゅうとう)だ。消化器外科と救急医学を専門とする横浜市大医学部付属市民総合医療センターの杉山貢院長によると、「漢方薬が誕生したころには手術はなかったでしょう。しかし、手術後に生じるさまざまな合併症や訴えは、漢方薬の証(適応)と重なることがあり、それに合わせて漢方薬を使うと意外な効果を発揮することがあるのです」という。

 大建中湯の場合、体力が低下して、冷えがあり、腹部膨満感と強い腹痛がある人が適応になる。実は、これが腸閉塞(へいそく)の症状にそっくり当てはまるのである。腸閉塞の原因はいろいろあるが、一番多いのが大腸や肝臓、子宮などおなかの臓器の手術後に起こる癒着性腸閉塞(イレウス)だ。手術した部位が周囲とくっついて、腸が狭くなったり、詰まってしまうのである。その結果、食べすぎなどをきっかけにおなかがパンパンに膨れて腹痛や嘔吐(おうと)を起こす。患者には非常につらい症状だ。



 ここで、あらためて見直されたのが、大建中湯だったのである。西洋医学では、腸閉塞を起こすと、まず飲食を禁止する。その上で点滴をしながら、鼻から腸に通したチューブで腸の内容物を出す。こうしてパンパンになった腸の内圧を下げ、時に抗生物質を投与するのが基本だ。特に腸閉塞に効く薬というのはない。しかし、ここで大建中湯を併用すると、腸閉塞がより治りやすくなることが証明されたのである。


【ジャーナリスト 祢津加奈子】

大建中湯の証
 漢方的には「補中補虚」「降逆止痛」が適応とされる。「中」は消化管のこと。つまり、消化器を温めて低下した体力を補い、痛みを抑えて逆流するのを抑えるという意味になる。






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最終更新日  2006.03.25 21:48:30


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