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2005.09.28
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2001年9月11日のアメリカセンタービル爆破テロ以来、
サウジアラビア国家の宗教観に世界が注目を寄せるようになり、
そして同国は社会体制、政治体制の改革を求める圧力を内外より受けています。

フィナンシャル・タイムス紙より。
7月のファハド国王の死後、アブドラ皇太子が国王の座に就き、彼は女性の権利について話し合うフォーラムのスポンサーとなったり、国内労働力のたった5%を占めるにすぎない女性の雇用機会を増やすよう検討しているなど、社会改革に前向きな姿勢をとっており、国内の改革派は少しずつの前進に勇気づけられているようです。

そして、国王の任命を受けて発足された協議会のメンバーの一人、モハメド・アルザルファ氏がにわかに注目を浴びるようになりました。それは、彼がこれまでタブーとされてきた、女性による車の運転を認める新しい交通法案を議題に挙げたことによるものです。彼は、現在およそ100万人の外国人が同国内で運転手として働き、収入のほとんどを海外の家族などの所に送金しているという事実を示し、疑問を投げかけています。“なぜ女性に運転を許可しないのか?そうすればそれだけの金額を国外に流出することがなくなるであろうに。また、なぜ男性は自分の妻が他の外国人の男と車で出かけることをただ傍観しているだけなのか?”と。女性による運転の禁止の目的は、自分の運転する車で男性と出かけたりすることを防ぐ、男性と会う機会を減らすということもあるようなのですが、実際には彼が言うように外国人男性運転手に送迎を受けているという現象はサウジアラビア社会が抱える矛盾の一つのようなのです。しかしそれでも、1990年に女性による社会活動グループがリヤドで車を運転するデモ活動を行い、即刻逮捕されるというように、女性の運転権の是非というものは、なるべくなら関わり合いになることが避けられる腫れ物のような存在となっていました。

当然、彼の投げかけた問題は反発を呼び、協議会の議長はその議題に触れることはなく、内相である王子の一人は彼を非難し、女性の運転権は二の次の問題であると声明を出しています。しかし一方、マスコミは彼の言動に食いつきを見せ、さらには女性団体やリベラル団体から支持を受けています。

では果たして全ての女性が改革を待ち望んでいるかといえば、答えは “Yes”そして
“No”のようです。もう一つの記事によると、アメリカの女性国務次官がサウジアラビアの女子大で開かれたフォーラムに出席し、女性の社会進出に向けて少しずつながらも進められている改革を歓迎し、またさらなる女性の自由と解放のためにアメリカの協力の重要性を述べ、アメリカはサウジの女性達が“自らの翼を広げて”いくことを望んでいると語りました。彼女の話を受けた多くの女性から成る聴衆の反応はというと、働くこともできず車の運転も投票も許されず、閉ざされた社会に暮らしているサウジの女性達というステレオタイプのイメージに対して抗議の姿勢をマイクを手に語ったようです。そして、そのようなイメージを広げている一役を買っているアメリカのメディアをも非難したとのことです。フォーラム終了後の取材でも、彼女達が口にするには、たしかに車を運転できたり投票できたりするようになることは素晴らしいことではあるが、それはよそからの圧力で変えられていくのではなく、自分たちの国家のペースで進められていくべきなのだということです。



先に述べたアルザルファ氏によると、1970年代の石油ブーム以前には男女の関係はもっと密接なものであったということが自身で実施した調査から明らかになっているということです。かつては農作業や市場で男女がともに協力し合って一緒に働いていたのが、突然に石油を手にし、また、宗教の教えを持ち出してこれはいい、これはいけないと言い、勝手に線引きをし始めた宗教指導者が現れたために、仲良くやっていた社会から女性を引き離していったのだと述べています。

突然の外的変化によって改革をせまられ、しかしその矛盾が限界に達したときには他の誰でもなく自らの力で社会を根本から変えていかなければならないのだという考えが遠く離れた中東の地でも起こり始めているようです。多くの矛盾を抱えて病める社会となった日本は、この女子大学生達のように改革はよそからの圧力ではなく自分たちのペース、考えで行なわれていかなければならないと強く宣言することができるのでしょうか。





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最終更新日  2012.04.19 01:04:18
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