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付録3-2 学位論文の原稿


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論文「問題解決は真心で」


「問題解決は真心で」第1章


論文「問題解決は全身全魂で」(に改名)第2章


2008年06月13日
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カテゴリ: 論文
表5.1に示したように、順方向電圧と(O)/(Si)との相関がえられたのはもっともなことです。スパッタ法でAlを蒸着した場合に、Al/Si界面に形成されるSi酸化膜(電気が流れにくい)が電子線蒸着の場合より厚くなったため、同じ電流を流すために、より高い電圧をかけなければならないと考えられるからです。

しかし、ここで、一つ「疑い」が出てきます。

「なぜ、Alを蒸着することでSiの酸化が進んでしまうのでしょうか?」

このAlにはそんなにO(酸素)が入っていませんし、入っていたとしても、Oは、SiよりAlと結合し易いのです。ですから、

3 SiO2 + 4 Al → 2 Al2O3 + 3 Si

のような反応が起きる傾向があります。つまり、Siの酸化が進むのではなく、むしろ、逆に、Si酸化膜が還元される(Si酸化膜が分解してSiになる;薄くなる)傾向が認められるはずなのです。

Siの酸化が進む原因は、次のように考えられます。即ち、Siに最初に付着するAlが、金属Alでも、安定なAl2O3でもなく、より不安定なAl(OH)3(Alの水酸化物)のようなものであれば、

4 Al(OH)3 + 3 Si  → 3 Si + 2 Al2O3

のような反応で、Siが酸化する可能性があるのです。そして、スパッタで、この不安定なAl化合物の量が多ければ、Si酸化膜が厚くなるを説明できます。



この研究は工場の問題の解決のために行なったもので、蒸着装置は研究所から歩いて20分ぐらいの工場にあって、エスカは研究所にありました。ですから、私が指定した、いろいろな種類の試料を工場の人が自転車で運んでくれたのでした。

そのおかげで、蒸着装置から取り出してから約15分以内に、試料をエスカに入れることができました。

一番驚いたのは、シャッタがまだ閉まっているのに、かなりのAlが、それも「酸化した」(Oが沢山付いた)AlがSi表面で検出されたことです。

シャッタというのは、初期に蒸発した、汚染の可能性のあるAlが基板のSiに付着するのを防ぐためのものです(カメラのシャッタが光を遮るように)。

スパッタ法でない蒸着では、真空中なので、蒸発粒子はほぼ直線で基板(Si)に到達するのですが、スパッタ法では、アルゴン(Ar)ガスを入れるので、蒸発粒子(Al)がArに衝突する可能性があります。そうすると、進む方向が変わることができます。つまり、シャッタの漏れ(回り込み)があり得るのです(実際にあったのです)。

さらに、このようなAlの量(シャッタが開いているときよりはるかに少ない)は少ないので、装置内に微量存在する水や酸素とくっつく可能性が高くなります。(大量のAlが基板に向かって飛んでいれば、水や酸素が付着したAlの割合はとても小さくなります。)


これで原因も分かって、対策として、蒸着後加熱をしてやると、上記のSi酸化物とAl金属の反応が実際に起きて、Si酸化膜を薄くできました。


つづく

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最終更新日  2008年06月13日 14時42分03秒
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