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荒野へ
価格:700円(税込、送料別)
『荒野へ』(ジョン・クラカワー著:集英社文庫)の楽天ブックスの商品説明を引用。
青年クリスは裕福な家庭に育ち、アトランタの大学を優秀な成績で大学を卒業し、なぜアラスカの荒野で餓死などという悲惨な最期を遂げたのか。著者はクリスと出会った人々から話を聞き、クリスの心の内を解き明かしてゆく。しかし、著者は登山家としても造詣が深く、かえって彼の経験や逸話がクリスの本来の足取りをストレートに表現できていないような気がしました。そういう意味では、映画化されたショーン・ペン監督の『Into the wild』はクリスのメッセージが直に伝わる素晴らしい作品だと思います。
クリスのような憧れは誰の心の中にもあると思います。即ち、安全で安定が約束された人生ではなく、肩書きや財力が意味を持たない、自分だけの力を頼りに生きてゆく別な道があるのではないかと。。。
クリスはそれを実行したのです。アラスカに向かう放浪生活の中で人と人との関わりを見つめ。彼は行く先々で触れ合う人たちから好感を持たれました。そこには人を押しのけたり、ものを支配しようという様な物欲がなく、透明で真直ぐな意志だけが存在したからでしょう。
そして、最後にアラスカの荒野へ一人足を踏み入れ、人と自然の関わりを見つめ、いささか無謀なサバイバル生活の中で死を遂げたのです。十分な知性や常識を持ち合わせたクリスは事前に食べられる植物の調査をしたり、鹿のさばき方を習得したりと周到な準備をしました。著者のクラカワーの指摘するように、そんな彼ですから餓死する前に荒野からの脱出を図ることは容易だったはずです。敢てそうしなかった。クリスは縁を切った物質文明に助けを求めることをしなかった。餓死という客観的には悲惨な最後と裏腹に、クリスの心には微塵の後悔も無く、短い人生を悔やむことも無く、心穏やかに息を引き取ったと信じます。
この事件の後、地元アラスカはじめ多くの人々はクリスの行動を「愚か」「無謀」と言いました。反対に多くの人々はクリスに共感を覚えました。これはクリスの生き方であり、他人がとやかく言うことではないでしょう。無意識の中で物質文明を享受して、物質的な損得基準で行動している我々に大きな衝撃を与えたことは確かです。
実際、私は安全で豊かな日本で30数年のサラリーマン生活を送り、冒険の一つも無く、後にはどうにか食べて行けるであろう年金生活が待っているだけです。対極にあるのがクリスの24年の生涯でした。
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