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2018年06月14日
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二宮先生語録巻の2【175】その2

( しか ) らば ( すなわ ) ( でん ) ( ) ( くろ ) ( さだま ) り、 ( ) ( ) ( これ ) ( ぶん ) ( めい ) にして、 ( しか ) ( のち ) ( ぎょう ) ( よく ) ( はん ) ずべきなり。 ( ろく ) ( めい ) ( さだま ) ( てん ) ( ぶん ) ( あきらか ) にして、 ( しか ) ( のち ) ( けん ) ( りん ) と、 ( べん ) ( きん ) ( ぎょう ) ( ぶん ) ( ゆず ) ( もっ ) ( ひと ) ( ため ) にする ( もの ) ( けん ) なり。 ( ) ( よく ) ( ざい ) ( おし ) ( もっ ) ( おのれ ) ( ため ) にする ( もの ) ( りん ) なり。 ( いやし ) くも ( ひと ) ( ため ) にせば、 ( すなわ ) ( こく ) ( くん ) にして ( あく ) ( ) ( あく ) ( しょく ) ( わい ) ( おく ) (小さい家)に ( ) るも、 ( また ) ( だれ ) ( これ ) ( りん ) ( いわ ) ん。 ( たい ) ( ) ( きゅう ) ( しつ ) ( ひく ) う(宮殿を飾らない)するは、 ( ちから ) ( こう ) ( きょく ) ( つく ) ( ため ) なり。 ( しか ) らば ( すなわ ) ( けん ) は、 ( くん ) ( ) ( こう ) ( どう ) にして、 ( りん ) ( しょう ) ( じん ) ( ) ( よく ) なり。 ( あに ) ( ) ( がい ) ( けい ) ( もっ ) ( これ ) ( こん ) ( ごう ) すべけんや。

1『報徳秘稿』二三八「世に倹と吝とを論ず、未だ其の界を詳にせず。猶欲と業との別を知らざるが如し。今晨に起き、田圃に至て刈稲を負い来る。之を見るに未だ欲か業か見て知るべからず。彼、我が田を刈り、我が稲を負わば、是勤業と云うべし。若し他の田を刈り、他の稲を負わば、是欲悪盗賊の所為也。田圃の畦畔を定めて然る後、欲・業判然たり。倹・吝も亦然り。麁食を食らい、麁衣を服す、之を見て倹・吝を分かつべからず。百石の奉あって五十石に約して、金を金庫にし衣を空蔵せば、帛(きぬ)を衣(き)るとも吝といわんか。若し無禄にして飢寒を凌ぐの奉なくば、弊衣を襲服するも奢といわんか。然らば何をか倹、何をか奢とせん。今一万石の諸侯に生れ、前々窮して国衰え五千石の収納を持す。是元より失政に出るといえども、何とすべきなし。故に五千石の役に処す。是「患難に素して患難に行う。君子入るとして自得せざるなし」の意、倹と云うべし。万石の収納を得て五千石を約して、金帛を空しく庫倉に蝕亡す。之を吝と云うべし。若し万石の半ばを約すとも用いる処あらば、何ぞ之を吝と云わん。禹の宮室を卑うするは、力を溝洫に尽くすが為也。釈尊の天下を捨つるは万民を育せん為也。何ぞ之を吝といわん。然らば己が為に約す、之を吝と云い、人の為に約す、之を倹と云う。近く譬えば、爰に餅一つあり、之を半して友人と倶に食す、何ぞ之を吝といわん。若し一つの餅を或いは二分し三分し、半或いは半余を囲みて、終に餲(す)えて食べるべからざるに至る、之吝にあらずして何ぞ。」

《訳》世の人は吝嗇な者を見て、倹約といい、倹約する者を見て吝嗇という。論ずる者もまたまだ吝嗇と倹約の境界をはっきりする者はいない。倹約か吝嗇かは分度で定まる。分度が定まらなければ、一日中これを論じてもまた何になろうか。また倹約と吝嗇の外形で判断してはならない。これを勤業と私欲で譬えよう。ここに農夫が有るとする。朝早く起きて稲を刈る。これが勤業か私欲か。誰れがよく判断できよう。自分の田の稲を刈るならば勤業で、他人の田の稲を刈るならば私欲じゃ。また武士が有るとする。粗衣・粗食で小さい家に住んでいる。これは倹約か吝嗇か、誰がよく判断できよう。天分の禄高を守って職務のために用い、自らの生活の費用を省いてこれを人に推譲する。これは君子の行いであり倹譲の道じゃ。もしその禄高を惜んであえて用いることなく、米を虫食いにし金を隠し衣類を腐らせその職務を全うできない。これは小人の私欲であり、吝嗇である。そうであれば田畑のあぜが定まって、自分と他人の境がはっきりして、その後に勤業と私欲と判断するべきで、禄高が定まって天分が明らかで、その後に倹約と吝嗇と判断するべきじゃ。勤業して分を譲る人は倹約の人で、私欲により財を惜んで自分のためにする者は吝嗇じゃ。いやしくも人のためにするならばすなわち国君であり、粗衣・粗食で・小さい家に住んでも誰がこれを吝嗇と言おう。古代中国の大王・禹が宮室を質素にしたのは、力を治水工事に尽すためであった。そうであれば倹約は、君子の公道であり吝嗇は小人の私欲じゃ。どうしてその外形でこれを混合してよいだろうか。





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最終更新日  2018年06月14日 00時01分35秒


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