10月2日(金)
「眠れぬ夜のために」(ヒルティ)(第一部)(228)
発行所 岩波書店(1973年5月16日)
(注) あくまでも、訳に忠実にしていますが、簡略化や意訳や
表現の変更(例えば、「…である」を「…です」に変えたり)をしました。
☆ ☆ ☆ ☆
(前日)
三月二十八日
「世間には、あまりにも頑固に、あまりにも一途に未来にばかり望みをかけている人がいます――決してやって来もしない未来に。」(レッキー)
これは、まったくその通りです。わたしたちは将来の心配や計画の苦心をすっかりやめてもよいのです。もっとも、つねにその前提として、わたしたちが正しい、真直ぐな道にあって、それを探す必要もなく、ただそれを進めばよいという状態でなければなりません。創世記第17章1節(「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前に進み、まったきものであれ。」)にいわれていることも、これです。(よりつづく)
三月二十九日
いくらか不精な若い人の多くは、宗教的真理や最上の処世法を短い言葉で、格言的に表現したものをほしがります。処世法を簡単に言い表すことができるかどうか、たいへん疑わしいことです。というのは、人生にはいろいろな段階があります。それが正しく経過して、しだいに高い目標と見識へ進むものだからです。それでも、人生の初歩のために、そういう短い言葉がほしければ、マタイによる福音書第6章33節を選ぶとよいでしょう。「まず神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものは、すべて添えて与えられるでしょう。」これこそ、世にある最も確かなものであって、まじめにそれをためして、成就しえなかった者は、おそらく一人もいないでしょう。また、宗教的真理を短い文章で表現することは、信仰箇条の意図するところであって、そのなかでも、「使徒信条」は今日でもすべてのキリスト教会に共通しています。一方、ヨハネによる福音書第17章3節「永遠の命とは、唯一の、まことの神でいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストを知ることであります。」は、キリスト自身から由来している信条で、これだけでも十分です。
(つづく)
「眠れぬ夜のために」(ヒルティ)(第一… 2026.10.15
「矢内原忠雄(内村鑑三の弟子)の今日の… 2026.10.15
「眠れぬ夜のために」(ヒルティ)(第一… 2026.10.14