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11/2 Wed
上に立つ長が号令をかけてみんなの尻をたたき「どうして目標を達成できないんだ」と叱咤しても、それだけで人は動くものではありません。
関ケ原の合戦に敗れ、会津百万石から米沢三十万石に減封された上杉藩を救う改革をやってのけた直江兼続という人は、農業増産計画を立てさせると、それと一緒に、こんなお触れを出します。「これから娘たちは、姉さんかぶりに赤いけだし姿で田んぼに出ること」「亭主が野良から帰ったら、女房は泥足を洗ってやること」--それをみんなに実行してもらって、すばらしい増産実績を上げたのでした。
ただ「増産、増産」とかけ声をかけるよりも、働き手が喜んで働かずにいられないようにしてあげることが大事なわけです。法座でも、家庭でも、会社でも、ただ「こうしなさい」ではなく、その人が喜んで打ち込めるように、いろいろ手だてを考えてあげるのが慈悲の方便です。
みなさんに幸せになってもらいたい、仏道をあゆんでもらいたいと一心になると、あらゆる知恵を総動員せずにいられなくなります。そこに方便力が授かるのです。
庭野日敬著『開祖随感』より
いただき方を知らぬ人 2021.01.20
随処(ずいしょ)に主となる自由 2016.02.09