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カテゴリ: 小説

国場川.JPG

三 護岸端で (1)

信夫は、清が幸を出産したときのことを覚えている。8月の半ばを過ぎた頃の真夜中に重治に起こされて、隣の伯母の家へ妹の真弓と一緒に寝かされた。しかし、母清の呻き声と暑さのために、目は冴え冴えとして寝付けるどころではなかった。清の苦しみの呻きが酷くなるたびに信夫は不安になっていった。やがて清の呻きが間断なく続いた。


伯母の家では、炊事場の中でかまどの火が赤々と燃え上がり、大きな釜のお湯のぐらぐらと沸く音がしている。従兄弟姉たちが「盥にぬるま湯を準備しておこうか」と話し合っているのが聞こえた。

伯母たちの気合の入った励ましの声が高まり、このざわめきが、急激にひき静けさが戻った。はっとした信夫が蚊帳を捲ろうとすると、従姉の一人が、

「信やん、いま行ったらだめ・・・・」と制して、盥のお湯を運んでいった。そのとき、はっきりと赤子の鳴き声を聞いた。夜が白みかけた頃、伯母たちが、

「信、家に帰ってごらん」とにこやかな顔で言った。家に駆け込むと、清の側で、真っ赤な顔をし、額にたくさん皺のある赤子が、はれぼったい目を堅く閉じて、口をもぐもぐさせていた。やがて赤子は心地よさそうに寝入った。これが幸である。



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Last updated  July 28, 2006 06:30:51 PM
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