July's July

July's July

2012.03.21
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 ある日出版社から「吉本隆明25時」という25時間の講演会をやるので出席しませんかと電話がかかってきた。吉本さんがまだ海燕にマス・イメージ論を書いていた頃中島みゆきやユーミンを取り上げるべきだと書いて送って読者欄に載ったことがあった。そのとき音楽がこれからの時代のキーワードなんだと主張した。驚いたことに単なる読者欄に載っただけなのにその出版社は原稿料をだしてくれた。誰なのかは知らないけれど並々ならぬ編集者が居るに違いないとそのとき思った。僕の予言は当たったと思う。その後村上春樹が登場してきたことによって。

 寺田倉庫の5階が会場だったが入ってみるとほぼ満員だった。床に座ったり寝転んだりしていろんな方の講演やらアトラクションを愉しんだ。僕の隣には糸井重里が寝っ転がって「僕は理論もってんだよ。」などと誰かと話し込んでいた。質問タイムでは副島隆彦がたちあがってしつこくやっていたが何をいってんだかさっぱりわからなかった。土建屋のような三上なんとかやアルマーニ?を着込んで得意げな中上健次をみた。山田詠美と島田雅彦も貌を見せていた。山田詠美はオーラが出ていてセクシーだった。島田雅彦は渋々きたって感じだ。中上健次に出ろと言われてしかたなく出たのだろう。
 連続25時間講演という実に楽しい講演会だった。そこで初めて膝を抱え静かに講演を聴いている吉本さんの姿を見た。
 25時間後終わって倉庫の外に出るともうお昼ちかかった。眼に光がまぶしかった。なんとなくこれで吉本さんの弟子になれたんだというおもいで僕たちは三々五々いずこへともなく散らばっていった。





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Last updated  2012.03.21 10:10:32


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