2010年07月10日
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さてその天保庄屋同盟とは、「中岡慎太郎」宮地佐一郎著より
 天保庄屋同盟
 山崎闇斎、谷秦山の南学神道思想から、賀茂真淵、本居宣長の国学復興につながる谷真潮、宮地春樹、三代仲枝、鹿持雅澄らが継承した土佐万葉学の影響は、山村から漁村に浸透した。天保の頃、一領具足の末裔たち庄屋層によって、「天保庄屋同盟」が秘かに結成されてゆく。
安芸郡の古老の伝えるところによれば、慎太郎の父北川村大庄屋中岡小伝次の家に郡下の庄屋が大勢集まり協議がなされている(第二章参照)。雅澄の友人細木瑞枝庵常もまた大庄屋の出で中岡小伝次と同世代であって、文化より天保にかけて高知近郊郷村の庄屋職を歴任し、徳望と学問を施政に残した。また同じく吾川郡芳原村(春野町)郷士吉本虫夫東原は、谷垣守や真湖に就いた南学者であって、天明期より寛政にかけて、吾川、長岡郡の大庄屋を勤め、農山村に南学、国学思想を広めた。
在野のこの人々の思想的結成が「天保庄屋同盟」を通じて、天皇を王道として憚らない思想結集を行ったのである。天保十二年(1841)、郷士の席次が町役人の下になったことを契機として、「王道を背き僣上の罪見遁しがたく」として「庄屋同盟談話条々」五十二条が起草された。
天皇親政を頭書に唱え、人間平等思想のことから、藩庁の封建的秩序への批判など、庄屋郷土層の目覚めた声を伝えてゆく。庄屋職は昔の「天邑君」(あめのむらきみ)に当り、低い役人ではあるが、「神勅正統の職掌」であって、古より天皇によって任命された神聖職分であることを確認している。
  およそ一天四海のうち棟梁は唯一にして、当時受けつぐ処三段にわけて、しばらく是れを合はせて四等といふべし。その総主はかしこくも天皇尊(すめらみこと)、御代官は将軍、御与頭は諸大名、是れを烹鮮(国政)の職と云ふ。小頭は庄屋にて土地人物の総宰を預かり申し候。それを物に譬へていはば、大名は庄屋の丸薬なり。庄屋は大名の散薬なり。(「同盟談話条々」第二十二条)
庄屋職は「賤吏たりといへども、かたじけなくも神勅正統の職業たるべき事」と宣言している。

理由は、庄屋は天皇直命の職分で、古代百姓は天皇の大御宝であり、百姓と天皇と直接関係を預かっている神聖職分であると論じている。まことに大胆な意見で、幕末の王政復古に通ずる思想である。
庄屋同盟ははじめ土佐、吾川、長岡の三郡庄屋を中核とした秘密結社的なものであったが、後、高岡、香美、安芸の隣郡村に波及したと言われる。この「同盟談話条々」の思想は、二十年後の文久元年(1861)に結成された土佐勤王党盟約に現われ、下土、軽輩、郷士層と共に郡下の庄屋職が多数参加したことも、天保庄屋同盟の思想的系譜が流れ及んだのである。
文久二年春伏見の挙兵へ、脱藩参加した高岡郡檮原村の庄屋出身吉村虎太郎が、大坂より郷里の老父へ
 勿論四海王臣にあらざるなしといへども、諸侯(大名)、里正(庄屋)は先魁致すべき理。(文久二年四月二十三日)
と告げ、また中岡慎太郎も同様に、
 先は皇国之御為ニ一天万乗之君之為ニ闕下ニ死し候はゞ、何も何もうらみ御座無く候。(元治元年七月十八日)
と禁門の変に参戦する前夜の遺書にある。これが土佐の天皇への土着の思想である。一天万乗の天皇親政を念願し、天皇と人民の直結を思い、その先駆を願っている。
南海朱子学は国学神道思想と合流して、山村農漁村に至る庶民勢力にまで浸透し、長年の武家による封建政治を否定する思想となり、幕末土佐の勤王討幕思想にまで展開してゆく。
この精神的風土は、武市半平太の土佐勤王党結成(文久元年九月)を経、大政奉還(慶応三年十月)より、版籍奉還、人民平均の説(明治四年)に及び、さらに立志社創立(明治七年)から、板垣退助の自由民権運動に至る思想的系譜を編みあげてゆく。

児玉先生がいうところの 天皇主義者ということは こういうことなんですが
だから 明治維新にたいしての 昭和維新なんですが 戦後の人間には このへんがわかりにくいし 児玉先生自身も 最後まで この志をもっていたか 昭和天皇に世直しのシンボルを見る層も果たして どれだけいたかなのですが





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最終更新日  2010年07月10日 10時39分47秒
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