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ドラムライン
以前から観たかったのにDVDが廃盤で、レンタルでやっと観ることができました~。
サッチャー政権下の英国で、今まさに閉鎖されようとしている炭鉱の町が舞台。
「 リトル・ダンサー
」や「 フル・モンティ
」も同じような背景で描かれていますよね。
イギリス作品らしいユーモアが随所にあふれているけれど、明るいとは言い難いストーリーです。
炭鉱夫たちで結成されたブラスバンド「グリムリー・コリアリー・バンド」は、伝統も実力もあるけれど、炭鉱閉鎖の危機に瀕していて、バンドの存続も危うい。
リーダー兼指揮者のダニーはコンクールの優勝を目指して、みんなを奮起させようとしますが、運営費のカンパも出せずに退団を決意するメンバーすらいる状態。
そこへ、かつてのメンバーの孫娘でもある美人トランペッター、グロリアが加わって、わずかに活気を取り戻します。
が、準決勝を勝ち抜いたメンバーたちが町へ戻ると、炭鉱閉鎖の決定が・・・。
指揮者は肺病に倒れ、メンバーたちは職を失い、ある者は家族も家も失い、生きる希望も失ってしまいます。
心の支えだった音楽さえも失ってしまいそうになりますが、なんとか最後に再び心を一つにして、決勝戦へと向かってゆきます・・・。
音楽映画として観るのも良し。
グロリアがメンバーに加わる時に演奏するアランフェス協奏曲や、コンクールでのウィリアムテル序曲、ラストの威風堂々など、結構聴かせます。
でも、実際のところは、ストレートな政策批判映画かも。
私はどちらかというと、直接的なメッセージよりも観る側に判断を委ねるつくりの映画の方が好みなので、その点ちょっとあからさま過ぎて奥行きに欠けてしまった気もしなくはないのですが、それだけ真っ直ぐに伝わるものもあります。
サッチャー首相は、「小さな政府」を目指し、市場原理に基づく自由経済を追求しました。
国有企業の民営化や税制改革、公的規制の撤廃などを次々と打ち出し、冷徹で強引な改革によって、国の経済は立て直され、国際的な地位も向上しましたが、その犠牲となった国民も多く、救いがたい貧富の差も生みました。
(最近の日本の姿に重なる部分もありますね)
映画では、彼らのその後については描かれていません。
あのメンバーとその妻や子供たち、あの町の人々、あるいは彼らと同じような何万もの人が、その後どんな苦境に立たされたのか。
そこにハッピーエンドはありません。
それでも、最後に流れるのは「威風堂々」。
この曲にどんな思いが込められていたのでしょう。
胸が熱くなりました。
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