ふたりと５人 | メタボの気まぐれ

スポ根、学園もの、ホラー、ギャグと全ジャンルを網羅し
大人気作品が連載され週刊少年ジャンプと競い合う形で
1977年12月には200万部を突破してトップに立った
「週刊少年チャンピオン」

その主力的漫画のひとつが石ノ森章太郎に憧れ
その影響で漫画化を目指した吾妻ひでお：原作の
「ふたりと5人」である。

ストーリーは学友の少女に告白し
あっさり振られるもてない中学生で

平竹おさむは先輩である“哲学的先輩”に
モテる方法を教えてもらおうと
おさむはラーメンをおごり
下宿で話を聞こうとする。

とその時、隣に越してきた美少女が窓の外に見えた。
おさむは美少女に一目惚れした。

だが、その美少女は奇妙にも５人も居て
しかも全員、容姿がまったく同じなのであった。

その美少女の名は本作のヒロインである菊池ユキ子
菊池家の長女で唯一まともな性格の持ち主。

ユキ子以外の４人は女装をしており見分けがつかないが

４人の名前は漢字こそ違うが全員「ゆきこ」である。

そんなユキ子はおさむをバカにしたりするなど
当初はヒロインとは思えない描写があったが
後に清楚な美少女キャラクターになる。

おさむ自体は嫌いでなく

行動を共にする。

この漫画の原作者：吾妻ひでおは
ハレンチコメディ路線で売ろうとした
編集者の熱心な介入のもとで嫌々、
連載し中ヒットする。

しかしこれは吾妻にとって不本意な作品であり
ハードな週刊連載と秋田書店の無茶な編集の注文などで
当時「出力20パーセントくらい」しか
やる気を出していなかったという。

絵、共に内容は荒れ忘年会で編集者が
作品の質の低下に酔った勢いで暴言を吐く事もあり
吾妻曰く「ホント、描きなおしたいね、今からでも」

吾妻は自分本来の資質とのギャップに悩み
吾妻は連載終了を編集部に再三申し入れたが
人気がなくなるまで受け入れられなかった。

そんな吾妻が本気を出せたのは
ＳＦを目指し、師匠格と見ていた石ノ森章太郎作品
「好き! すき!! 魔女先生」の
アンドロ仮面コスチュームデザイン

東映不思議コメディーシリーズの原点
「がんばれ!!ロボコン」に次ぐ名作
「ぐるぐるメダマン」のキャラクターデザインを
東映大物プロデューサーである平山亨から
石ノ森を通さず直接依頼を受け
全クオリティを出せた事である。