プロレススーパースター列伝・馬場＆猪木編‐その２－

プロレススーパースター列伝、第７話
「なつかしのB・I砲! Ｇ馬場とＡ猪木」

力道山死後の馬場と猪木の物語は・・・

まずジャイアント馬場はＷＷＥマットで大成し
日本人で初めてＭＳＧに登場。
力道山の死をカナダのアドキンス道場で聞き

一方のアントニオ猪木は力道山から
差別待遇を耐えた褒美として
リングネーム「アントニオ」を貰い

ジャイアント馬場が帰国したのと同時に
ロサンゼルスのＷＷＡに遠征が決まり
その時のリングネームが「リトル・トーキョー」

帰国後は力道山の後継者だった豊登がテレビ中継的に
後輩のジャイアント馬場に追い越されたのを機に
「東京プロレス」を旗揚げ
そのエースとしてハワイで猪木をスカウトした。

しかし客足が減った東京プロレスは
客が少ないという理由から興業を中止し
ファンの気持ちを無視した行動に客は暴動。
東京プロレスは崩壊した。

馬場とＢ．Ｉ砲として君臨し
世界４大タイトルのひとつインタータッグを保持する。

ここまでが物語の馬場と猪木だが実際は・・・

ＢＩ砲.jpg

ジャイアント馬場はＷＷＥマットで
ババ・ザ・ジャイアントのリングネームで活躍し

連続挑戦し、世界の強豪レスラーの
誰しも果たせなかった大金字塔的偉業を成す。

一方の猪木は先輩レスラー豊登により
アントニオ猪木に命名され、これは当時の名レスラー
アントニオ・ロッカにあやかって名付けられ
馬場と入れ替わる形で海外遠征する。

帰国した馬場は力道山亡き後の日本プロレスを
馬場・豊登の二枚看板で支える事になり
喧嘩プロレスのディック・ザ・ブルーザーに勝利し
力道山以来、日本プロレスのエースの象徴とされた
インターナショナル・ヘビー級王座を獲得した。

代表取締役を務めていた豊登は
放漫経営の責任を取り辞任し、ハワイで猪木に
「日本に帰っても一生馬場の上には行けん」と口説き
猪木をエースとする東京プロレスを旗揚げする。

猪木はジョニー・バレンタインを破り
ＵＳヘビー級王座を獲得したが
その後、東京プロレスは営業力の弱さと
豊登の横領などにより急速に業績が悪化し

更に東京板橋駅前広場興行で寒い11月の
野外の試合という事もあり観客が集まらず
豊登の勝手に判断で突然大会の中止が決まった。

観客は長く待たされた挙句に何の説明もなく
突然の中止を告げられた事で激怒し
リングを破壊した上に寒さへの反動から
会場を放火する事態となり
この暴動を収拾する為に警官隊が多数動員された。
これが世に言われる「板橋事件」である。

泥沼の東京プロレスは資金難の中でも
依然として公金横領を止めない
豊登の無責任極まりない行動に猪木が退団し
東京プロレスは事実上崩壊した。

一方の馬場は世界の超一流強豪レスラーを相手に
インターナショナル王座を次々と防衛し
力道山のインター王座連続防衛記録も更新、
日本プロレスのエースとして君臨し続けていた。

猪木は自民党の川島正次郎の仲介もあり
古巣である日本プロレスに復帰する事になり
馬場に次ぐ待遇を受ける形で
馬場とのタッグでインタータッグ王座を獲得。

二人はプロレス史上最強タッグ「ＢＩ砲」と称えられ
圧倒的な強さ、勝率を誇りインタータッグ王者として
日本プロレス黄金期の看板タッグとなった。

余談だが猪木の海外修業のエピソードで
テキサスでのタッグ・パートナー
デューク・ケオムカの名が
「デューク・ケムオカ」となっていた。
この誤表記はコミックス版から文庫版に至るまで
一切訂正されていない。