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ドイツ証券シニアアナリスト宮本武郎氏、国内半導体メーカー苦戦(トレンドウオッチ)
2012/10/05 日経産業新聞 4ページ
ルネサスの改革、戦略欠く
世界経済の不透明感がぬぐえないなか、国内の半導体メーカーの苦戦が続いている。ルネサスエレクトロニクスと東芝の最大手2社が置かれた現状や、取り組んできた事業構造改革をどう評価しているか。ドイツ証券の宮本武郎シニアアナリストに聞いた。
--ルネサスが再建へ構造改革に取り組んでいる。9月に早期退職制度を実施し、当初募集を2000人上回る約7500人が応募した。
「キャッシュ面の負担が増えるにもかかわらず人数超過を受け入れたことは一定の評価ができる。資金不足で応募者全員
は無理かもしれないとの見方もあった。下期の売り上げが未達になりそうなので固定費圧縮を急いだとも考えられる」
--人件費削減によって将来的な業績安定が見込めるか。
「 そう単純ではない。主力事業のマイコンの競争力低下も重い問題だ。マイコンは海外企業とのシェア争いが激しく減収リスクがある。構造改革も工場整理がどこまで実行できるか不透明で、赤字体質は残る。2016年3月期まで最終赤字が続くと分析している
」
-- 問題点はどこにあるのか。
「 低収益のシステムLSI(大規模集積回路)事業からの撤退を決断していない。システムLSIの開発費は業績への負担が重く、撤退しなければ開発費がかさむ。構造改革策では各工場について、1年以内に売る、3年以内に売る、生産規模を縮小して維持する、などと列挙しているが、方向性が非常に分かりにくい。拠点統廃合で判断が揺れ動いていることを表しており、戦略性が欠如している。リストラプランは刷新の必要があるのではないか
」
--経営陣の姿勢はどう映るか。
--東芝はNAND型フラッシュメモリーを減産中だ。
「 NAND型は韓国サムスン電子、SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーなどの生産能力が大きい。固定費回収には大量に生産して物量をさばかなければならず、供給過剰になって価格下落に陥りやすい。微細化競争で先頭を走り、他社よりコストを下げることが重要。今回の取り組みは早い段階でブレーキを踏んで赤字を最小化する努力だと評価している」
-- NAND型の需給バランスと東芝の収益の見通しは
。
「サムスン、SKハイニックス、マイクロンなども減産して需給は締まっており、価格も反転し始めている。東芝は減産で損益悪化を早期に止めることを目指しており、7~9月期には収支が均衡し、10~12月期には黒字転換の可能性がある。最先端の19ナノ(ナノは10億分の1)メートルの生産比率をどれだけ増やして採算を改善できるかが焦点だ」(聞き手は岡田達也)
みやもと・たけお 監査法人、投資銀行などを経て2007年12月にドイツ証券入社。産業用電子機器、半導体セクター担当。東京大学経卒。
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