2004年04月16日
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米国では裁判所において新たな法が形成され、その判例を前提として立法府が法律を制定するということがままある。

それは、例えばデラウェア州裁判所でなされた判決を他の州が採用し、自州は経験していない事象についてあらかじめ解を与えるという効果がある。

これは輸入法の一般的な効果といえる。

日本語を話すのは世界に我が国だけである。そのため、他国の経験を導入するには一定の言語バリヤーを越えないといけない。これにはコストと時間がかかる。

このため、デラウェア州で1950年代に導入されたショートフォームマージャーという制度が日本に導入されるのは来年2005年であり、半世紀の遅れで導入されることになるといえる。

なお、ショートフォームマージャーは1900年代前半にすでに米国内で誕生していた。デラウェアはかなりどんなモノにも早く対応するのだが、本件については遅かった。それを入れると、誕生から100年程度たって日本に導入されたと言うことになる。

もちろん日本と米国では社会の構造が異なるのであるからありのまま飲み込むのはいかがなものかという意見があるのはわかる。

私は、我が国は理系はさておき、法形成などの文系分野においてはイノベーションを内在させることができない社会組織であると思っている。それはリーダーシップの欠如によるものだ。いや、民主主義が強力すぎ、船頭多くして船山登る状態だからだ

明治維新以来、こういう状況に直面して、経験の少ない我が国は他国の経験を我が国に輸入することを試みてきた。それはいい結果を生じた。



私はこうしたことからも、どんどん法、社会システムを輸入するということ薦めたいし、それについては「情けない」などと思うことなくやるべきだと思う。すなわち、輸入法は我が国の社会体制からは完璧に正当化できるものだと言いたいのだ。

米国に見られるように、複数の立法府が林立している社会では、立法府は他の州の裁判例を輸入して法を形成するという、「司法後追い機能」が存在している。

同じ言語でしかも情報流通の円滑な米国では他国での裁判例を追随することに自然である。

我が国は言語の壁があり、意識しないとなかなか輸入に踏み切れない。近時の商法改正について私はその点をいいたいのだが、毎年毎年商法は改正されているが、来年の商法改正により「商法の現代化の総仕上げ」が為されることになっている。

総仕上げである。すなわち、とりあえず終了すると言うことだ。

これには重要なインテンションが込められている。特許法、商法、民法など多数の国民の権利義務を扱い、日常的に影響する法律は、ころころ変えてはならない。これは大変重要である。

しかし、新分野においてどんどん発展が予想される会社法の分野においては、毎年法律に改正を加えると言うことは既存の法体系を変え、国民に無用の混乱を与えるということとは異なる。

米国では毎年のように会社法に関連する判例が形成されている。これはどんどん我が国において取り入れていくべきだ。

すなわち会社法に「総仕上げ」という終止符を打つという政策はあり得ないと思うのだ。

私は米国内では立法府は司法を後追いする「機能」があると言った。しかし、輸入法について意識的でなければならない、言語的壁、文化的壁が存在する場合には、私は立法府は常に司法を後追いする「義務」があると言うべきであると思う。

義務化せねば機能を十分に果たすとは言い難いからだ。


ようは簡単だ。毎年見直せということだ。







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最終更新日  2004年04月22日 18時23分37秒


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