楽しく ひまつぶし Labo

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2023.04.04
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カテゴリ: 読書
米澤穂信さんの短編小説集「満願」を読みました。
いゃー!おもしろかった。
ちょっと気味の悪いお話が並んだ傑作短編集です。



山本周五郎賞、2014年度の「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」の3つのランキングで1位になった史上初のミステリーランキング3冠に輝いた作品だそうです。

やはり3冠受賞作品だけのことはあります、何が起こるか不安にゾクゾクしながらも、流れるような文章と奇抜なストーリーに引き込まれてしまいます。裏に流れる気味悪さもクセになりそうな味付けになっています。先が全く読めない展開と驚きの結末が満足度を上げてくれます。

6つの全く異なるシチュエーションの作品が収録されています。文庫本で読んだのですが、1話50~100ページなので1日1話づつ楽しみながら読み進められました。

それぞれのお話をネタバレしない程度に書いてみます。

1.夜警
 交番の警察官のお話。

 しかしそれはただの殉職ではなかった。
 殉職の裏に隠された謎を解いていく。

 交番の日常と人間関係の描写がいいです。
 張り巡らされた伏線と伏線回収にうならされます。

2.死人宿
 2年前に失踪した妻が山奥の温泉で中居をしていることを知った。
 妻とよりを戻すため、私は宿に向かった。
 その宿は、下の河原に火山ガスがたまりやすい窪地があり、自殺者が訪れることもある宿だった。
 妻は脱衣所に置き忘れられた遺書を見つけ、3人の宿泊客のうち誰のものか探すことを私に依頼する。

 限られた登場人物の中での推理劇。


 美人の母さおりと美しさを受け継ぐ夕子と月子の二人の娘の物語。
 さおりと夕子のモノローグで構成された、ダメ男と結婚した家族のお話。

 最後に語られる結末が恐ろしい。

4.万灯
 バングラデシュで天然ガス資源の開発を進めるモーレツ商社員が関わってしまった事件。


 これも最後まで全く予想できない結末で、印象に残った作品でした。

5.関守
 都市伝説の雑誌記事を依頼されたライターが、先輩に教えたもらったネタを取材に。
 伊豆にある峠での事故の取材だが、近くのドライブイン店主のおばあさんに話を聞く。
 おばあさんは詳しく話を聞かせてくれたのだが...。

 作品の中で一番おどろおどろしい感じのする作品で私は好きでした。

6.満願
 弁護士の私は、お世話になった学生時代の下宿先の奥さんが起こした殺人事件を担当する。
 第一審では懲役8年の実刑だったため、第二審の準備をしていたのだが彼女は取り下げる。
 今日は刑期を終えて出所する日、私は彼女は何故控訴を取り下げたのかを考える。


どの作品も、謎解きや伏線回収よりも人間描写の方に重きが置かれているようで、短編なのに読後のズッシリとした読み応えが感じられ、最後まで満足感を持って読み終えました。

​
満願 (新潮文庫) [ 米澤 穂信 ]





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最終更新日  2023.04.04 11:47:40
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