「室長」の韓国日誌

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2008.04.08
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カテゴリ: 韓国ドラマ/韓流
忙しくて、ブログの更新もしておりませんでしたが、やっと『冬ソナタ』の見直しが終了、もう桜も散ろうという春でした。。。
今日は一応物書きとしての私の雑考です。

【チュンサンは死ぬべきか生きるべきか】

実は、ユン=ソクホ監督の四季シリーズ全体に存在している重要なテーマとも関わるのですが、『冬のソナタ』のエンディングって、関係者の証言がかなりバラついています。一般的には、本当はチュンサンは死ぬはずであったのに、ファンの声で命が取り留められたとの説が一般的なようですが、関係者の著作を見ると、どう整合的に考えるべきか悩みます。(ちなみにヨン様が自分を殺してください、とソクホ監督に言っていたのは有名な話で、出演者たちは当然知らなかった訳ですが・・・)

1. ユン=ソクホ監督『冬のソナタ撮影秘密日記』
監督自身の回想日記ですが、放送終了時期がずれて春になったので、悲劇でなく暖かい結末が似合うと考えて変更した、としています
《死ぬ予定→生存に変更》

2.キム=ウニ /ユン=ウンギョン『もう一つの冬のソナタ』
当時まだ学生だった若い脚本家二人組です。ファンの声で予定が変えられたという説をはっきり否定して、当初の『冬のソナタ』企画案では印象を強める予定だったが、自分達は殺すつもりはなかった、ハッピーエンドは当初からの予定であった、と明言しています。
《死ぬ予定は当初の名目で殺すつもりはなかった》

1・2共にファンの声の直接の影響を無視・否定している点は同じですが、どう整合的に考えるべきでしょうか。。。。。視点を変えて考えてみたいと思います。

【島・海岸=川岸/森】
ちなみに、最終回は『夢の家』のモチーフが重要な役割を果たしていますが、これはユン監督が助監督(演出だったかな・・)をした、イ=ビョンホン主演『明日は愛』にまずでてきますので、ユン監督自身の流れから考えてみたいと思います(余談・このドラマで「ポラリス」もでてきます^^;。。。。。。。)。(若い脚本家二人は、エンディングに関して実は具体的なことは実は書いていません。エンディングの基本はユン監督と次のスヨン女史の構想でなかったかと推測しています)。

3.オ=スヨン『冬のソナタ新しい物語』
ユン監督とのつきあいが長く、前作『秋の童話』の脚本も担当したのが、オ=スヨンです。若い二人のアドバイザーとして、脚本に関わりました。冬のソナタのストーリーの生成ってけっこう複雑です。



この なのか、 のか、大変重要な問題ですが、『冬のソナタ』内部構造―二人の初恋の地としての「島」(ナミソム・中島)との対応―、ユン監督の作品全体の流れからは、「島」としての位置づけがきわめて重要に思えます。

実は二人の「夢の家」が海岸を越えた「島」にある点、春川での二人の出会いが湖畔であり、初恋の思い出が「島」(ナミソム・中島)である点と対応しています。『秋の童話』では、スヨン女史は、ジュンソとウンソが結ばれない悲劇だから、二人の思い出、再会とウンソの死の場所を「海岸」にしたと明言しています。これ対照的に「島」は恋人の愛の場として描かれます。

韓国でカップルが海岸へいくのは珍しいことではないのですが、『冬のソナタ』でも、ユジンとの別れは「最初で(最後の)海」=湫岩海岸でした。 陸と海の境界は、同時に愛する二人が分かれることになる、二人の関係の境界 でもあります(逆に最初の出会いも春川の川岸・湖畔という境界です)。

人類学や民俗学では、「境界」とは(たとえば十字路なども)は別の異世界との「境界」でもあります。日本では十字路から悪しき者がやってくるという考え方が古くからあります(この話はまた別の時に)。『冬のソナタ』や『秋の童話』が、このあたりの人類学・民俗学的な基本構造をふまえていることは明白です。 人類学・民俗学では、境界としての海を越えた向こうに理想の世界(島、バリエーションとして海神の国、竜宮城など)が想定されます。沖縄あたりだと「ニライカナイ」と呼ばれる島です。故に二人の初恋が実るのも(しかも、ナミソムのように雪という一時的なもので現実を隠すことなく)、「境界」を越えた、理想の地(ニライカナイ)としての、「島」(外島)となる訳です。
悲劇・境界の物語としての『秋の童話』からの流れとして、境界を越えた理想の「島」が『冬のソナタ』の基本構想に当初からあった、と理解してよいのならば、最初からハッピーエンドが予定されていたとする説とも整合するのですが、、、


監督・脚本家の皆さんに何れインタビューしたいところです。

ちなみに、ここまで書けば4部作の最後に、 初恋は必ず実ることを語りたかった、と監督が明言して作成された『春のワルツ』において、最初から「島」が二人の出会いであり、最後の安息の場である点、容易にご理解いただけるのでないでしょうか 。半島の国、韓国では、理想境としての「島」のイメージが日本以上に強いところがあるのかもしれません(『夏の香り』では「島」は二人が一晩過ごすための装置以上の意味は強くもっていませんが、、)。

長文をお読みいただいた方、ありがとうございましたo( ..)o



※本記事の内容の無断利用、転載は堅くお断りいたします。
                                 [2008/04/10記]









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Last updated  2008.04.10 02:19:58
コメント(6) | コメントを書く


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Re:『冬のソナタ』のエンディング―境界と島―(04/08)  
seoulmiki  さん
冬ソナは私も熱心に見ていました。
これを読んで、なるほどと感じさせられました。そんな考えがあったんですね。
私の場合は、ラストを見ていくつか考えたことがありました。次元が低くて、申し訳ございません。
「不可能の家」と私の見たものには翻訳されていたのですが、どこが不可能だったのか?さして大きな問題ではないと思われますが、私はその部分に期待してました。もうひとつは、この先、二人はどうなるのかな、と。目の不自由な人のお世話は大変です。ジウさんは、ヨン様のためにご苦労をされるんでしょうか?それともヨン様は彼ジウさんに苦労をさせたくないから、つき離すのかな、なんて。そんなことも考えながら見ていました。 (2008.04.10 08:45:59)

少々、苦労しました。  
seoulmiki  さん
余談です。
私の書いた文章のどこかが禁止ワードに触れたらしく、書き込みにかなり苦労しました。^^;
そのため、お名前を固有名詞としたらOKとなりました~。いたずら書き込みやトラックバックには苦労しますね。私も禁止アドレスをいくつか設定していて、そのために不都合をかけている人がいるのかもしれません。 (2008.04.10 08:51:29)

Re:『冬のソナタ』のエンディング―境界と島―(04/08)  
「冬ソナ」制作の裏話・・色々あったのですね。
「冬ソナ」と「秋の童話」は語学堂時代、まあまあ熱心(?)に見ていました。
「秋の童話」はここまで悲劇的にするの!?ってちょっと呆れてしまいました。
「冬ソナ」は一応ハッピーエンドでほっとしました。
明るく終わる方が私は好きです。
あ、そうそう、今日は一昨日よりも円高になっていて、ちょっとショックでした。
あの銀行の専門家の予想もどうなんでしょうか・・?? (2008.04.10 13:15:20)

Re:少々、苦労しました。(04/08)  
「室長」  さん
seoulmikiさん
>余談です。
>私の書いた文章のどこかが禁止ワードに触れたらしく、書き込みにかなり苦労しました。^^;
>そのため、お名前を固有名詞としたらOKとなりました~。いたずら書き込みやトラックバックには苦労しますね。私も禁止アドレスをいくつか設定していて、そのために不都合をかけている人がいるのかもしれません。
-----
すみません・・・・恐縮です。禁止単語少し削りましたので、多分大丈夫だと思います(世の中、いろいろな方がるもので^^;。。。。)。
(2008.04.11 01:06:56)

Re[1]:『冬のソナタ』のエンディング―境界と島―(04/08)  
「室長」  さん
駄文をご高覧いただき感謝です<ミキさん
-----
<どこが不可能だったのか?
「不可能な家」が「心の中の家」として実現する訳ですが、コストがかかりすぎるのが原因でした。建築屋さんはコストに厳しいようですね(だから耐震強度も問題が起きるのでしょう・・・きっと)。ミニョンさんはお金持ちなので、コスト度外視で立てられたのだと思います。ちなみにまたブログでご紹介したいと思いますが、オ=スヨン『冬のソナタ新しい物語』を見直ししていたら、「心の中の家」は、オ女史がちょうど結婚する相手が建築屋さんで、そのだんな様が贈った本に書かれていた言葉だそうです。ユジンもミニョンも建築デザイナーなのは、オ女史の結婚相手の影響でしようか^^


<それともヨン様は彼ジウさんに苦労をさせたくないから、つき離すのかな、
ミキさん卓見です! 上のオ女史の本には、結婚直前~結婚する二人のエピソードが短編小説化されていますが、まさしく、チュンサンはユジンに苦労させたくなくて、分かれようとして、二人は・・・・とした結果、めでたくゴールインとなります^^
 若い二人の脚本家よりも、やはりオ女史が書いたものが、冬ソナの雰囲気がでているように思います。スターウォーズも映画の他に膨大な小説群がありますが、彼女の小説なら、二人のその後、あるいはミニョンさんが現れるまでの10年、読んでみたいな、と思います。(少なくともアニメより。。いいと思うのですが)



(2008.04.11 01:32:52)

Re[1]:『冬のソナタ』のエンディング―境界と島―(04/08)  
「室長」  さん
ベーグル22さん
>「冬ソナ」制作の裏話・・色々あったのですね。
>「冬ソナ」と「秋の童話」は語学堂時代、まあまあ熱心(?)に見ていました。
>「秋の童話」はここまで悲劇的にするの!?ってちょっと呆れてしまいました。
>「冬ソナ」は一応ハッピーエンドでほっとしました。
>明るく終わる方が私は好きです。
>あ、そうそう、今日は一昨日よりも円高になっていて、ちょっとショックでした。
>あの銀行の専門家の予想もどうなんでしょうか・・??
-----
ありがとございます^^<ベーグルさん
『冬のソナタ』日本語だと私は落ち着かなくて、DVDで最初からハングルで見ていました。韓国史がご専門の方とお話しをする機会があり、「聞きやすいからいい」と述べたら、「台詞が少ないから当然」と言われました。その時は判らなかったですが、『愛の群像』など見て納得・・本当にすごい勢いで怒鳴りあう様に、これが韓流本流だと納得いたしました。。。。

<明るく終わる方が私は好きです。
同感です。私は韓国ドラマに対して、映画はそれ程はみていません。ドラマならドラマ中盤・後半から何話もかけて死にますが、映画だと2時間で死んでしまいます。元気な時でないと見る気になれません。

<あ、そうそう、今日は一昨日よりも円高になっていて、ちょっとショックでした。

リアルタイムな情報、ありがとうございます。韓国在住の日本人の皆様にはお見舞い申し上げます。昔の円とウォンの関係を思うと、本当に韓国と日本は対等になったな~と思います。 (2008.04.11 01:53:08)

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