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先日、寒気を訴えられて、Wさん(女性、32才)が来院された。昨日から、脇の下のリンパが腫れて、胸の肋骨のところまで痛いー。その日の午前中から寒気がはじまり、つらいという。体温を測ると、38、2℃。脈は1分間に100(正常は60~80)である。 これは、インフルエンザだ!!と思い、私は1分間でインフルエンザウイルスを99.999%殺せるマスクをつけて治療をはじめました。
話しを伺うと、会社でもインフルエンザがはやっていて、休んでいる人も多いとのこと。インフルエンザ(新型も含めて)でも会社に来ている人もいるそうだ。
ウイルスは、セキやくしゃみで飛びちった飛沫が鼻や口を通してはいってくる。だから、インフルエンザの人が会社や家にいたら、ウイルスは入ってきてしまう。彼女も会社でインフルエンザをもらったのかもしれません。
ここからは、インフルエンザの治療の話しです。もともと、東洋医学、特に漢方薬は、風邪の治療から始まったものです。3000年前につくられた「傷寒論(しょうかんろん)」という漢方の古典には、風邪の治療について書いてあります。この中に有名な「葛根湯」も出てきます。風邪になったら使われる葛根湯は、3000年前につくられた漢方なんです。
漢方って、漢方薬の薬の名前が、その薬を使うための症状もわかるようになっています。たとえば「葛根湯証」というのが病名で、これを治す薬が「葛根湯」という薬なのです。葛根湯証とは、○首、肩、頭がこって ○寒気 ○熱があり ○脈が速い ○汗が出ないという症状で、これらの症状がある時、葛根湯を使うと、「汗が出て、そのあとおかゆを食べると治る」と書いてあります。
Wさんには、葛根湯の代わりに現代の葛根湯ともいえる『炭素温熱ドーム』に入ってもらいました。大汗をかける温度に設定して、30分全身から大汗をかいてもらい、その後、首、肩に温熱器を当てて、後頭部と肩のところには、鍼をしてコリをゆるめました。そして、汗をふいて着替えていただき、もう一度、『炭素温熱ドーム』に入って少し汗をかき、再度着替えてもらい、背中のマッサージとふくらはぎのマッサージを行いました。 Wさんは「来た時よりずっとラク!!軽くなりました。」と言ってお帰りになりました。
インフルエンザや風邪の初期には、冷さず、湯たんぽやおかゆで、外と内から温めて、汗を出すことが治療の第一歩です。インフルエンザで39℃を超える熱の時は、冷やしてください。温めすぎて、熱があまりに高くなりすぎると、脳に熱がいき、脳をやられる危険性があるからです。39℃までなら温めて汗を出すことです。