気まずい

2004.04.22
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
~昨日のつづき~

女は蒲団をかけていなかった。
今年一番の暑さを記録していた。
男はある作戦のために、窓を開けた。
部屋に新鮮な空気がなだれこんだ。
男は風を気持ちよく受けた。
さすがに夜の風は少し冷たい。
心地よさに再度たばこに火をつけようとしたとき、
寝ていたはずの女が動き出した。

「うーん、さむい」と女が言った。
男はこの時はじめて、この女が寝ているときの言葉を聞いた。
愛おしくて、たまらなかった。
男は女に蒲団をかけてやり、抱きしめた。
作戦が成功した男は我ながら卑怯だと思った。
起きている時は抱きしめたくても、うまくいかなかったからだ。
でも幸せだった。
男はなかなか寝つくことが出来なかった。
何度も起きだしては、本に目を移し、活字が頭に入ってこないとわかるや、また本を閉じた。
しおりは昨日と同じページにはさまったままだった。
女のいる蒲団に入り込んだ。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004.04.23 12:30:35
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

こー2099

こー2099


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: