ナースのひとり旅

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Karin03

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2015.07.19
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カテゴリ: Nursing
看護学生の実習中、看護師になってからの残業時間中、

SOAP(ソープ)記録だ。

SOAPとは看護記録の形式のひとつで、
S:Subjective data (主観的データ、患者さんの発言)
O:Objective data (客観的データ、観察した事や検査データ)
A:Assessment (アセスメント、評価・分析)
P:Plan(計画)
を意味する。



疾患に関する情報以外にも背景にある生活習慣や環境なども総合して、
その患者さんの看護問題を把握。
看護目標を立て、観察することや指導することを計画する。
そして毎日患者さんのケアをしながら、
勤務の終わりにこのSOAP記録を書いて、情報を共有し、
次のケアに活かしていく。

毎日、日勤夜勤と、何人もの違う看護師が
バトンリレーしながら一人の患者さんを看るうえで、
カルテのSOAP記録を読んで、
患者さんの問題と状態を把握するのはとても重要。
このSOAP記録を読むと、一見そつなく働いている同僚の看護師の中で、

私にはわかった。


一般の人から見たら、看護師の仕事はTVドラマのように、
注射をしたり点滴をつないだり、
急変時にドクターの介助をしたりという、
技術面ばかりのイメージがあると思う。


毎日状態が違う患者さんの、その日の観察ポイントを把握し、
得た情報や観察したことをアセスメントできなければならない。

とはいっても、決められた時間に決められたケアをこなし、
必要最低限の観察項目に関して記録をしていれば、
その日の勤務は無事終わることもある。
でもそれは看護ではなく、
やり方さえ知っていれば素人でも勤まるような、
ただルーチンワークをこなしているだけになってしまう。
だから、ちゃんとわからないまま「業務」だけをしている看護師には、
ろくな記録が書けない。


看護学生の時は3週間1クールの病棟実習で、
まず実習一週目に、情報収集、情報の分類、関連図の作成。
そこから看護問題を抽出し、看護目標と看護計画を立てる。
実習二週目から、SOAP記録が始まる。
毎日、病棟では計画したケアを実施し、家に帰ると、
その日の実習で観察したことやカルテから得た情報をもとに
アセスメントをして、看護計画を修正し、翌日のケアの計画を立てる。
そして翌日の実習では、新しい計画に基づいてケアと観察を行い、
家でアセスメントをして計画を修正する、その繰り返し。

毎晩、睡眠時間は1時間半から良くて4時間。
明け方、「今日も新聞配達のバイクの音を聞いてしまった。
これから少し眠れるかな、このまま眠れず実習かな」と思いながら、
調べものをして記録を書く日々を繰り返した。

記録にこんなに時間を費やすなんて、意味あるの。
臨床に出てから、役に立つの。


SOAPはアメリカから日本の看護に導入されたものだけど、
アメリカではもうあまり使われていないと何かで読んだ。
看護学生の夏休み、カリフォルニアの
ある有名な大学病院を見学する機会があった。
基本的に、患者さんはみな急性期。
医療費が高額なこともあって、一般病棟でもすぐに退院する。
アメリカの医療ドラマのように、
ベッドサイドで簡単に記入する記録を見せてもらった。
病棟を案内してくれた看護師に、
「SOAPで記録しないんですか」と聞いたら、
やはり使われていなかった。

アメリカの病院で働く、日本人看護師とも会う機会があった。
彼女はアメリカで働き始めてから、
「日本の看護師はSOAP記録を書くために残業している」
と言ったら、みんなに驚かれたと言っていた。


記録なんて、睡眠時間けずってまでがんばる意味ない。
もう日本の看護やだ。
私はいつか、アメリカで働くかもしれないのに。
将来、途上国で国際協力の仕事がしたいのに。
これをがんばっても、私には意味がない。
そう思っていた。


看護師になって就職すると、
一日に何人もの患者さんを受け持つ。
当然、記録も大量。

でも、看護問題は院内ホームページにある程度のっていた。
学生の時のように、情報をあれこれ分析して
看護問題をひねり出す必要はない。
この疾患にはこの看護問題、といくつか列挙されていた。
看護計画も、看護問題ごとに立案されたものが
ホームページにのっており、それをコピーして、
あとは患者さんの個別性を持たせるために少し修正すれば、
短時間で作成することができた。

なんだ、やっぱり学生の時、
あんなに頑張る必要なかったんじゃない。

SOAP記録も、看護学生の時のように詳しく書く必要はない。
その日その状態の患者さんにとって重要なポイントを、簡潔に書く。
それでも毎日、日勤の後に全員の記録を書くために、
かなり時間をとられた。かなり、頭を使った。
日勤から夜勤に引き継いだ後に記録を書いていても、
ナースコールに邪魔されたり、カンファレンスがあったり、
インシデントをやらかしてレポート書くはめになったり。
でも、全員分のSOAP記録を書き終えるまで帰れない。

毎日残業してまで、こんなに記録に時間を費やす意味あるの。
誰かちゃんと読んでくれているの。
ドクターの記録とか、バイタルサインや尿量などが入力されている
温度板を見れば、ある程度状態の変化はわかるのに。


そして臨床を離れ、日本も離れ、開発途上国で働く今。
私の思考過程の基本は、SOAPにあると実感する。
看護過程の展開ができるかできないかは、
物事を考えるうえで差がでると思う事がしばしばある。

同僚のミャンマー人は、
計画に沿って実施することはできても、観察が足りない。
観察した事をアセスメントする能力はさらにない。
そしてアセスメントした事から次の計画を修正するなんて、
指示がないとできない。
SOAPを教わったことがある人でさえ、この一連のサイクルが苦手。
誰かに決められた仕事を、言われた通りにこなすことはできる。
でもそれだけ。
経験からとか、こういう時はこうすると教わったとか、
観察とアセスメントをしないで出てきた意見は、
やはりピントがずれている。
日本人だって同じ。


看護以外の仕事をしていても、
看護学生や臨床で働いていた時の思考過程が、ちらちら顔をだす。
SOAP形式の記録が書ける能力は、きっと看護以外にも適用でき、
いろんな事を実施し、より良くしていくうえで大事なんだ。

睡眠削って書いた記録、
残業して書いた記録、
無駄じゃなかった。

何年も前に、何度も何度も、毎日書いたSOAP記録。
日本の看護教育と、アセスメント能力を育ててくれた現場に、
悔しいけど感謝している。

あんなに無駄だと思っていたSOAPが、
臨床を離れた今、ここミャンマーで、
役に立っていると実感する日が来るとは思わなかった。


Thanks!



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Last updated  2015.07.20 19:45:12
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