日々のあぶく?

日々のあぶく?

August 9, 2009
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カテゴリ:
短編集。


~ネタバレメモ~

・鈴虫
昔死んだSの死体が見つかった。現場を見ていたのは鈴虫だけ―
全ての罪をかぶる私だが、Sを本当に殺したのは、当時彼と付き合っていた私の妻だった・・・

・(ケモノ)
家で落ちこぼれの僕。
ある日、刑務所作業製品の椅子にあるメッセージに気付き、

不自由な身体になった父、祖母のため、義母と子をなしたSは
それを知られることの内容に家族を殺し、刑務所内で自殺していた。
妹と処理された実の子は脳に障害があり、それをSは罪だと感じ、
自分の中のケモノを解き放ち、犯行に及んでしまった。
事件の真相に辿り着いた僕だが、その中で気付いた"やり直すべき、家族と話し合うべき"という結論
それは、ケモノを解き放ち、家族を殺してしまった僕には遅すぎる結論だった。

・よいぎつね
20年前の祭りの日、狐の面を持った私はSの提案に逆らえず、罪を犯した。
そして、それと同じ光景が目前に―
あの日殺したのは誰だったか、埋めたのは誰だったか、埋められている私をを見るあの顔は―

・箱詰めの文字

Sのメッセージが入った箱を僕の家に盗みに入った青年が返しに来る。
実は、青年はSの弟で、Sの部屋に僕の小説と同じ内容の原稿用紙があったことから不審に思ってきたのだった。

…と思わせておいて、実は青年はSの家に盗みに入り、そこで自殺死体と原稿用紙を見つけ、
Sの弟になりきり僕の前に現れ、僕に言いくるめられたまま、口封じに殺されたのだった。
結局、青年は何がしたかったのか、面白さを求めて―?



・冬の鬼
春琴抄のような話。
ひどい火傷を追い、身寄りを亡くした私に献身的に尽くしてくれるS。
彼を思いながらも不安の尽きない私の願いをSは叶えてくれた。
一生私の顔を見ないでという私の願いを―

・悪意の顔
夫も赤ん坊も、うるさい鴉も、片足もキャンバスに入ってしまったという女性。
僕の不安もキャンバスは吸い取ってくれるという。
女性の思い込みで、ただどうにかはしてくれると感じた僕は、僕に嫌がらせするSを彼女に会わせる。
だが、キャンバスにSの悪意は吸い取られ、女性はキャンバスの中へ。

・・・女性の荒唐無稽な話は本当かと思わせながらも、お約束のどんでん返し
(床下から死体が?)を匂わせるラスト。
僕が転校しなければ、もっと恐ろしいラストが待っていたようにも思う。





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Last updated  August 9, 2009 09:43:01 PM


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