全63件 (63件中 1-50件目)

「おめでとうございます!女の赤ちゃんですよ!」それは俺が産婦人科に駆けつけて助産婦に言われた第一声だった。女の子か・・・。本当は男の子が良かったんだけどなぁ。性別は産まれる時の楽しみにしておこうと妻と話し合っていたのだ。俺は子供とキャッチボールがしたかったから男の子を望んでいたが、妻は可愛い服を着せられるし、将来一緒に買い物をしたいからと女の子を望んでいた。もちろんもう名前だって男の子と女の子のどちらであっても決まっていた。わざわざ有料で命名を頼んだりはしなかったが、本屋で字画を調べたり、インターネットの無料姓名判断をしていた。チャイルドシートやベビーふとんの色も性別が分からないから、妻には気が早いと言われたが、黄色や黄緑を選んで購入していた。助産婦に案内され部屋に入るとそこには無事出産を終えベッドで寝ている妻と、その横には新生児なのにもう髪の毛が生えたわが家の新しい家族がすやすやと眠っていた。「ああ、あなた。どう?可愛いでしょ?女の子も。」目を覚ました妻が会社から急いで駆けつけた俺に言った。それと同時に目を開けた赤ちゃん。まだ焦点が合わないのかそれでもその目は大きく、とても可愛かった。「あなた。抱いてあげて。あ、首はまだ座ってないんだから、気をつけてね。」そう言われ恐る恐るわが子を抱き上げると、3kg弱の身体はとても軽かった。五本の指は人形みたいに小さい。抱き心地がよかったのか、赤ちゃんは俺に抱かれたまままた眠ってしまった。わが子の寝顔はとても可愛かった。もう、性別なんて頭の中にはなかった。俺は新しい家族が出来たということだけで、感動していた。「あなた。この子の名前、どうする?」「こんな名前、どうだろう?」俺は命名を記した紙を妻に手渡した。「へぇ~。あなたが考えたの?いいんじゃない?」「じゃあ今から出生届け出しにいくか!」「もう、気が早いわよ。今日は家族で一緒にいましょう。」「わかったよ。じゃあ明日出しにいくか。」「そういえばこの産婦人科の最近産まれた赤ちゃん、 みんな女の子なんだって。女の子ブームなのかな?」そういえば俺の友人の所はみんな女の子だし、いとこの子も女の子ばかりな気がする。うちも女の子だけど仲良く遊べるからいいか。とにかく元気に育ってくれることが一番なのだからな。ふと落ち着いたところでテレビをつけた。最近5年間の新生児で女の子の割合が急激に増え、今後も更に増え続ける予測である事を政府が懸念している報道だった。このまま女の子の割合が減らなければ日本は・・・。↓一夫多妻制が導入されるでしょう。
2007.05.20
コメント(1)

こんな時期に空港に来れるなんて。ゴールデンウィークに旅行なんて以前は考えられなかった。時代が変わったというかなんというか。長い休みを使っての、しかも格安での旅行。3泊5日で1日は機内で睡眠をとるような旅行プランだが、3食ついているし、食事も選べるのがいいところだ。結構な倍率のなか、チケットを獲得できたのだが、人数は100人近くいた。なかなかチケットが無いのは今注目を浴びている地域へのツアープランだからだ。出国手続きを済ませ、手荷物検査を行えば、いよいよ搭乗ロビーへ。周囲には旅行に慣れたような人が多くいて、その人たちと行動を共にしていれば、初めてでも難しい事など何もなかった。搭乗のアナウンスが流れると、機内へと案内される。自分の席を確かめるとシートベルトを締める。窓からは滑走路が見える。飛び立つ前の静けさ。エンジンが豪快な音を立てて機体は滑走路を走る。ふっ、宙に浮いた感じがすると窓の景色からは地上がどんどん遠のくのがわかった。周囲を旋回すると機内は安定し、アナウンスが流れる。「皆様、本日は当機をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。 ただいま離陸に成功し、安定飛行をしております。 当機はまもなく大気圏に突入いたしますので、 ベルト着用ランプが消えるまではシートベルトをお締めください。 地球への飛行時間は8時間を予定致しております。」火星へ人類が移住して1000年。その間に世界大戦と異常気象で地球は誰も住めない死の星と化してしまった。放射能と環境汚染が一部でようやく落ち着き、遠い昔に祖先が築き上げた鉄や木で作られた遺跡がまだ形を残しているらしく、見学できるのが今回の旅行プランのメインとなっている。我々の残した被害を元に戻すにはこれから先もまだまだ時間のかかることだ。その事を後世に伝える為にも今回格安で一般人に提供されたのだ。宇宙空間の中、機体は順調に予定通り飛行した。その間映画を見たり、広い機内を散策してみたが、もう1時間後に到着するらしい。「皆様、まもなく当機は目的地に到着いたします。 窓から目的地がご覧になれますので、左手の方にご注目ください。」アナウンスが案内すると機内左側の窓からは以前われわれが住んでいた惑星が見えたのだ。だが目の前に見える惑星の色は悲しいまでに青い色とは掛け離れた色をしていた。↓GWに飛行機で旅行してみたいです。
2007.05.04
コメント(2)

ある都心のビルで、国際的な会議が行われていた。しかしこれはマスコミには非公開でしかも内密に各国首脳クラスの人間が集まった、いわば地球レベルの裏会議だった。その会議というのはもちろん地球のエネルギー消費拡大による環境破壊を主題とした内容だ。参加したのは先進国のうち、環境推進派と経済推進派。この数年の間に経済力をつけた発展途上国とまだ電気の普及も進まない後進国だった。そして環境の保全を研究する有名な教授や専門家たちも集まっていた。マスコミに内密に行わないといけない理由。それぞれの国がマスコミにアピールするために戦略的な討論を行うので、非公開とすることで根幹の環境問題を重視しようという環境推進派先進国の提案によるものから実現したものだ。そんな環境推進派の希望的観測で会議は進められていたが、急成長を遂げる発展途上国からすると、エネルギー使用の縮小など出来るはずも無いと、反対の姿勢を崩さない。それに同調するのは経済推進派の先進国だ。異常気象であることは認めざるを得ないが、その自然災害で壊された人間の環境を取り戻すのになぜ躊躇しないといけないのか。経済の右肩上がりも止まり、上昇に転じる為にはエネルギーを今まで以上に大量消費することが大前提だと強気の発言だ。さらに後進国も一部の石油王から環境を重視することは石油の消費を抑えられるということで、結果的に自分達の豪華絢爛な生活に歯止めを掛けないとならない為、反対意見の様子だ。それでも環境推進派は専門家達に説明してもらい、状況を打開していかなければと、必死に説得を試みる。そして今までマスコミに非公開だった極秘の機密内容を公開した。それは現在のエネルギー使用量を今後も続けるようなら、数年後には極地の氷が全て溶け、陸地が無くなるといった衝撃的なものだった。こんな内容が世間に知れ渡ったら大パニックになる。極秘に会議が行われたのは、そんな理由があったからだ。今なら間に合う。前向きに環境問題に取り組んで欲しいと各国に同意を求めた。反対各国はとりあえずその書類を自国へ持ち帰って検討をしてみる、ということで会議は次回に持ち越しになった。とりあえず環境問題が受け入れられたということで推進派の人間達は安堵の表情を浮かべていた。会議が解散になったところで、専門家達が話し合う。その表情はとても暗いものだった。「今日で決めなければいけなかったのに・・・。」「やはり無理だったか・・・。」「もう・・・終わりだな。」今日の会議で環境問題にストップが掛けられなければ、極地の氷融解は止められないというデータが手元にあったのだ。推進派の国に更なるパニックを引き起こすからと発表する事を止められていた専門家だけの超機密内容。結局推進派でさえも自国のアピールが前提だったのだ。人間の環境が崩壊する死へのカウントダウンが本日の会議の終了と同時に始まってしまった。もう時すでに遅し、なのだ。↓この話はフィクションですが、将来どうなるかは分かりません。
2007.05.03
コメント(0)

山道を車で走っていると、「落石注意」の看板があった。上が見えないのに注意できねぇよ。ショッピングセンターの柱に「ご注意ください」の注意書きが貼ってあった。柱にぶつかったあとに見ても意味ねぇよ。公園の椅子に座ると、「ペンキ塗りたて」の貼り紙もしていなかった。黒いズボンが真っ白になったじゃねぇか。道を歩いていると、「落とし穴注意」の立て札があった。せめて落ちる前に教えてくれよ。炭酸を飲むと、「気が抜けています。」なんてこった。やれやれ。俺には住みにくい世の中だ。↓クリックしなくても結構です。
2007.05.02
コメント(0)

仕事場から帰りの車を運転していた。やっと今日も一日の仕事が終わった。世間は祝日で休みだというのに、朝早くからこんな夜まで働いていると、一体誰のために、何のために働いているのだろうと思う。仕事にやりがいを見つける努力が足りないのかも知れないが、自分にとって働くとは一体どういうことかといつも考えていた。人によっては仕事が終わってからの一杯だったり、女遊びだったり、あるいはお金を貯めることだったり、そのお金で旅行に行ったり・・・。家族のために仕事をするというのも、その理由に当てはまるだろう。妻や子供の待つわが家のために働く・・・。そんな小さな幸せの為に仕事をするのもいいものだ。でもこんな仕事漬けの毎日で家に帰っても誰もいない人間には、どんな幸せが待っているというのか。しかしそんな愚痴ばかり吐いていても仕方がない。自分にとって何が幸せか考えないといけない時期だ。ふと気づくと車のガソリンがもう底をついていることに気がついた。高騰した原油価格に比例するかのように1L当たり3桁の数字が当たり前になったガソリンスタンド。そういえばいつものスタンドにはお気に入りのお姉さんがバイトしているんだ。「いらっしゃいませ!夜遅くまでご苦労様です。 今日もレギュラーでよろしいですか?」元気で明るくて、名札に書かれた名前しか知らないお姉さん。彼女だって祝日の遅くまで仕事をしているのに・・・。暖かい声を聞くだけで疲れている体にもなんだか元気が沸いてくる。自分にとっては彼女に会う事がただ一つ、小さな幸せなのかもしれない。「いや。今日はハイオクで。」いつも頑張っているマイカーにも、幸せのおすそ分け。そんな祝日の仕事帰りだった。↓クリックすると私に小さな幸せが訪れます。
2007.05.01
コメント(0)

私は自分で言うのもなんだが、結構な美人だと思っている。20代後半になってもまだまだ若さは衰えないし、高校の時の服だって着れる。身体のラインも雑誌のグラビアアイドルには負けていないと思う。男性からは好かれる性格をしているつもりだし、仕事はもちろん、料理・洗濯はお手のものだ。彼には尽くすタイプだし、もちろん夜だって・・・。そんな私の横にはいつもかっこいい彼氏がついていた。モデル並みの男やベンチャー企業の社長、プロスポーツ選手。財閥の御曹司、政治家。さらには有名外国人の彼氏もいた。毎年のように彼氏が変わるから友人には呆れられていた。自分としては全然そんなつもりは無かった。本当は早く結婚もしたかったし子供も欲しかったから、むしろこの年になってまで独身であることに違和感を感じていたくらいだ。それでも私の彼氏がコロコロ変わるのは、私が捨てるのではなく、捨てられてしまうからなのだ。その訳とは何か。それはいつも一緒に寝た朝に気がつく。彼の様子がおかしいと感じるからだ。どうやら私は寝ている時に彼にとんでもない事をしているのだ。私の美しい容姿からは想像出来ない程のいびきと歯ぎしり。喋るように寝言を言う上、ひどければ叫んだりもするらしい。低血圧で朝は弱いが、それ以上に髪の毛が爆発したかのような寝癖。さすがにこれだけ悪条件が重なると、たいがいの男は引く。中でも一番なのは、寝相が悪い事だ。一緒にベッドに入っても、次の日必ず彼はベッドから落ち、体中あざだらけで鼻血を出しているときもあった。どうやら私が寝ている途中にパンチやキック。エルボーから膝蹴り、回し蹴り。最後にはかかと落としを浴びせているらしいのだ。「真夜中にK-1なんてするなよ!」と鼻血を出しながら彼は言うが、いつも訳が分からず首を傾げている私。熟睡していて全く覚えていないからなお性質(たち)が悪い。そういえば、夜ベッドで寝ていたと思って起きると、新幹線の自由席に一人で乗せられていた時はビックリした。男の堪忍袋の尾が切れて、私が寝ている間に新幹線に乗せたらしいのだ。それでも起きない私の方も凄いものだが。いつも気がつかないうちに男を相当傷つけてしまう私。誰かこんな私を貰ってくれる素敵な男性はいませんか?↓こんな私で良ければクリックしてください。
2007.04.30
コメント(0)

俺の実家の母は携帯メール全盛のこの時代でも、長電話が大好きだ。20分30分ならまだ短い。1時間2時間なんて日常的だ。俺も実家に電話をする時は、何か用事を作っておいてから掛ける。たとえばラーメンを作りかけてる時とか、トイレに行きたい時とか。この間でも宅急便が来てくれたからようやく電話を切ることができたのだ。一人息子の僕でさえ、電話を切るのが難しいのだ。「悩みを聞いて欲しい人が多くてねぇ。」と、あたかも他人が電話を掛けてくるという事を強調する母。しかし電話代が高いことは知っているんだ。もし相手から掛かってくるだけならば電話代は掛からないはずだ。そんないらぬ詮索をしたとしても、結局母は長電話が大好きなのだ。実家に帰省中に、電話が掛かってきた。多分母の話し相手だろう。いつも通りに1つ高いキーでトークに夢中だ。もし俺が電話をしたならば、こんなテンションで長時間話など出来ないだろう。これは女性のみが持つ特殊な能力のように思えてきた。1時間ほど話してようやく終わったのかと思い、「今の、誰?」と聞いた。「ああ。間違い電話よ。」と答える母。間違い電話で1時間も話ができる母が凄いと思った。次の夜、また電話が掛かってきた。昨日の間違い電話では無い様だが、いつもの母の話し言葉で電話している感じではなかった。なんだか神妙な面持ちで話をする母。2時間ドラマが終わる頃、ようやく母も電話を切ったようだった。「今の、誰?」「ああ。オレオレ詐欺よ。 息子を名乗ったけど、あんたはそこにいたし。」「じゃあ、なんで切らないんだよ。」「だって・・・。折角向こうも忙しい中電話を掛けてくれたのだから、 話は聞いてあげないとねぇ。失礼になるじゃない?」こんな優しい母のトークに2時間もつき合わされた上、何の結果も得られなかったオレオレ詐欺の相手に少し同情してしまった夜であった。↓オレオレ詐欺にご注意下さい。
2007.04.29
コメント(0)

俺は影が薄い奴だとよく言われる。自分ではそんなつもりはないのだが、とにかく存在感がなかった。両親、兄弟からも気にされなければ、友人もいない。もちろん彼女なんて夢のまた夢だ。なぜこんな風になってしまったのだろうか。それは幼い頃兄弟げんかが嫌いだった俺が自己主張をやめて、波風たてないようにし始めてからのように思える。それからというもの俺は自分の影が他人よりも薄くなっていることに気がついた。俺が存在していることに薄さを感じたのは、人間ばかりではない。最近は自動ドアにも反応が薄くなっていった。それでも俺は特に気にする事も無く、日々生活を送っていた。ある日コンビニの自動ドアを開けようとしたが、その日はいつにも増して反応がなかった。頭上のセンサーに手をかざしても全く反応が無い。それどころか後から来た客に突き倒された。俺は訳がわからなかったが、突き倒した客は俺の存在に気がつかずになにか当たったのだろうかと首を傾げながら店内へと入っていった。どういうことだ。存在感があまりに薄いとはいえ、今までこんなことはなかった。他人が自分に気がつかない様になるなんて・・。俺はふと自分の影がなくなっていることに気がついた。なんと俺は透明人間になっていたのだ。楽観的な性格の俺だから、そんな状況である事もあまり深く考えずにただ透明人間である事を楽しもうとした。すぐコンビニに入って商品を持ってレジの前を通りすぎても、何ともなかった。どうやら俺が持っている商品も同じように存在が消えてしまうらしい。飲食店街に入って勝手に食べてしまっても、気がつかれる事がなかった。俺はその事が確認できるとすぐに銭湯に向かった。狙いはもちろん女湯だ。赤いのれんの先に入っても、やはり何も言われることは無かった。本当に見えていないのか不安だったが、俺は女性の声が聞こえる脱衣所へと歩を先に進めた。見えていないとはいえ、心臓はドキドキしていた。そこには初めて見る若い女性の身体があるのだからな。俺はおそるおそる、脱衣所に入ったのだ。キャーーーーー!あまりの興奮に俺の存在は復活していた。肝心な時に限って姿が見えてしまうとは・・・。その後、こっぴどく叱られたのは言うまでも無い。↓クリックすると透明になれます。
2007.04.28
コメント(3)

うちには3歳になる息子がいるが、現在童謡にはまっている。私も小さい頃はたいやきくんとかよく聞いたような記憶があるが、息子も遺伝なのだろうか。ずっと童謡を聞いている。最近の童謡は相当聞き、飽きてきたらしいので昔の童謡も聞かせてあげようと思い、ネットで何枚か中古品を安く手に入れた。だんご3兄弟。あの頃は子供がいなかったから、売れていたらしいけど全然興味がなかったっけ。それが今では子供と一緒に歌うようになるなんて。月日が経ったなぁと不思議に思う。あれだけ聞いた記憶のあるたいやきくんも大人になった今聞いてみると、寂しい曲だったんだなぁと今更ながら思う。遠い昔に歌った童謡。思えばその頃は哀愁が少し漂うような曲が多かった。小さい頃は何も考えずに楽しく歌って踊っていたが、あの頃からすると私も随分年をとったものだ。別にそれが不満という訳ではないが、年齢というものを改めて感じずにはいられなかった。「ピンポーン。」息子と楽しく童謡を歌っているとチャイムが鳴った。郵便のようだ。ここは練習で取りに行かせようと思い、息子に任せてみた。するとすぐに息子は帰ってきた。「おかあさん、やぎのゆうびんやさんがよんでるよ。」私は驚いた。持ってきた郵便物を食べてしまう童謡で有名なヤギの郵便屋。郵便物運送委託法に触れるのではないかというあの忌まわしい配達員が来ているのか?もし郵便物が現金書留だったら大変だ。現金ごと食べられてしまう。あせった私は玄関へと急いだ。「奥さん、すみません。ハンコお願いします。」そこにいたのは人間の配達員だった。胸元には「八木」の名札が。↓印鑑の替わりにクリックを・・・。
2007.04.27
コメント(2)

はぁ。今日も繋がらない。これで携帯の発信ボタンを何回押しただろう。昨日から数えてもう20回はコールしているはずだ。発信しているだけなのにもう充電も切れかかっている。最近使っていなかったからなぁ。Eメールばっかりだったし。こうやって電話で話しをする事自体が久しぶりだからな。ええい。それにしても繋がらないなぁ。そういえばこの携帯、一度も着信したことないんだよな。メールとか音楽とか、電子マネーやテレビの機能は毎日使っているのに。携帯電話なのに電話の機能、殆ど使ったことがないんだったっけ。はぁ。何回やってもやっぱり繋がらないなぁ。携帯電話があまりにも普及しすぎた為、電話会社は着信回数が多く人気のある携帯に電波を多く配分し、着信回数の少ない電話にはそれ相応の電波配分に方式を切り替えていた。彼の携帯はいつまでたっても繋がる事は無かった。(現在、そのような電波方式ではないと思われます。)↓クリックお願いします。
2007.04.26
コメント(2)

今日は久しぶりに春らしい清々しい晴天だ。昨日まで着ていた冬物も今日はハンガーに掛けて外に出かけたい気分だ。散歩に出ると草木が芽を出し、昆虫は忙しく飛び回り、小鳥達は春の訪れを告げるのが分かった。人々もようやく春が来たことに喜ぶ姿が見える。今日の天気の予報は晴れ。気温も平年並みの20℃だそうだ。とても心地よい春の日差しに、うとうとしてしまう。春眠暁を覚えずとはよく言ったものだ。そうだ。この河川敷の芝生で少し眠っていこう。暖かい日差しの中、緑の上で気持ちよく寝てしまった。心地よく小一時間程寝ていたら、どこからともなく急にサイレンが鳴り出した。鳥や昆虫達の姿は消え、人々は慌しく家へ駆け込んだ。こうなってはゆっくり寝てはいられない。人々と同じく家へと急いだ。家に帰ってすぐに豪雨が降り出した。みるみるうちに水かさが増し、周囲は洪水状態になった。まぁ最近の住宅は路面から高く出来ているし、環境も多少の洪水には対策済みだ。いつもどおり明日には水は引いているだろう。そうそう。明日の予報が気になっていたので、テレビをつけてみた。明日は晴れ。なお気温は50℃の真夏日になるらしい。やれやれ。今日でもう春は終わりか。ならさっきの豪雨は梅雨だったんだな。昨日まで-10℃の真冬だったけど今日でようやく冬が終わったと思ったのに・・・。明日からまた夏が始まるんだな。2日で季節が変わるなんて、もう四季なんかあって無いようなもんだよな。昔はきちんと四季があったらしいが・・。誰がこんな風に春と秋を無くしてしまったんだ。きっと自然が泣いているんだ。目の前の水没した街を眺める。過去の人間がした過ちはとても酷いものだ。人々は皆、そう感じずにはいられなかった。↓そんな世界にならない様、クリックして下さい。
2007.04.25
コメント(2)

僕には可愛い妻がいた。新婚当初はとても仲が良く彼女は僕にこの上なく尽くしてくれた。時にはけんかしたが、すぐに仲直りして一生を共にする相手が彼女でよかったと心底思っていた。しかし、昨年息子が産まれてからその様子が一転した。僕に注がれていた愛情はすべて息子に向けられ、一緒に買ったダブルベッドは妻だけの物となり、僕は隣の和室で一人寝ているような生活だ。食事だって息子に作ったお下がりばかりで、僕のために作ってくれた新婚時代が嘘のようだ。昨日の食事だって息子が食べられやすいようにと、妻はうどんを作っていた。おいおい、たまには前みたいに手の掛かった美味いものを作ってくれよ。と言いたかったが、5日前に同じ事を言ったら「わたし子育てで疲れているの。手軽に作れるうどんが楽でいいのよ。」と逆に睨む様に言い返されたので、もう何も言わないことにしたんだ。離乳食をテーブルの上に4品も用意し、息子と対話しながら楽しそうに食べている妻。対して具も何も入っていない僕のうどんは冷めていて何とも味気なかった。妻たちが食べるのは昨日買って来たばかりの新鮮な材料で作られ、僕の食事するのは消費期限が5日も切れた物だと知ったときは奈落の底に突き落とされた気分だった。女というのはここまで変わるものなのか。そこに以前の可愛い妻はもういない。冷めきったうどんを寂しくすすりながら僕は泣いていた。僕の暗い気持ちをかき消す様に部屋には息子と妻の笑い声が響いていた。↓印鑑を押すつもりでクリックして下さい。
2007.04.24
コメント(4)

ある大手企業の会議室。この会社内部から個人情報が流出しているという噂があり、その対策を検討するため取締役を含めた経営陣が会議を行なっていた。「社長、このままではマスコミに嗅ぎ付けられてしまいます。」「一社員がしたと言う事で解雇を通告したとしても、 この問題はもう抑えられそうにありません。」「こうなったらこちら側から記者会見を開いて誠実に対応している所を マスコミにアピールするしか・・・。」「しかしわが社が誠実さを強調したとしても海外グループの上層部が OKを出すとは思えませんし・・・。」「社長!どうされますか?」「社長!」「社長!」取締役は口を閉ざし、腕を組む。会議室が静まり返る。役員が取締役の決断を待つ。「オヤジ!」静寂の会議室に入ってきたのは取締役の息子だった。なぜ彼がここに・・・?役員たちは皆そう思っていた。息子はひどく息を切らせながら、こう言った。「いいとも・・・いいともが今日で終了になったんだ!」「なに!本当か?!」そう言って取締役は立ち上がった。「ハァ・・、それが・・・、テレ・・ホン・・・ショッキン・・グで・・・。 つ、次の・・・とも・・だ・・ちを、・・紹介でき・・なくっ・・て・・・」「友達だと?おい!しっかりしろ!大丈夫か!」取締役がグッタリした息子を抱え声を掛けるが、息子は声が出ない。「と、とにかく救急車だ!」事情が全く飲み込めない役員たちだったが、急いで救急車を呼び、息子は何とか都内の救急病院へ搬送された。「一体なんだったんだ・・・?」嵐のように過ぎ去った出来事だった。役員たちは、走り去る救急車をただ見送るしかなかった。(4月25日現在、いいともは終了していないと思われます。)↓ネタの使いまわしですみません。
2007.04.23
コメント(0)

今日の大事な試合は一方的な展開で進む。ゲームは8―0のまま、終盤戦へ。1塁側ベンチは去年日本シリーズを制覇した常勝軍団。対して3塁側は世代交代で若手の多いチームだ。3塁側チームはこれまで4年連続下位で争っていたが、今年から監督が代わり、新監督の采配の元シーズン終盤に連勝街道を築き上げて今日の最終戦での首位決戦にまでこじつけたのだ。しかしこの展開にチームのムードはさすがに下降気味だった。試合は9回表2アウト。バッターは若手の多い中ただ一人ベテランでチームを引っ張ってきた4番。ここは常勝軍団とはいえ、ペナントを取るか取られるかの瀬戸際だ。8-0を承知の上でも、抑えの切り札を投入している。初球は真ん中高め150kmのストレート。打ち気に誘ったボール球。しかしバッターは見逃しボール。2球目は外角への高速スライダー。バットは逃げていく球を捕らえられずに空を切る。3球目は内角へのシュート。球は打者をえぐる様にミットに納まる。バッターは危うく当たりそうだったとジェスチャーをしたがストライク。3塁側ベンチも一触即発の雰囲気だ。4球目は外角へのストレート。そしてこの球をバッターは芯で捕らえた。得意のライト打ち。大きくライトポール目掛け飛距離が伸びた。だがライト線審がファールのジャッジをする。ここで3塁側から監督が飛び出した。ジャッジに対する抗議だ。少し微妙なファールの打球に、監督は猛抗議を止めない。ホームベース上は両軍入り乱れての乱闘騒ぎに発展した。しかし3塁側監督の暴言を止めさせようとするのはなぜか1塁側ベンチの選手たちだった。それでも監督の主審に対する暴言は治まることなかった。主審はこのペナント最終のゲームで3塁側監督に退場を告げたのだ。そうするとそれまで暴言が止まらなかった監督はすぐベンチに引っ込んだ。替わりに1塁側の監督が出てきて退場の取り消しを主審に求めたが、受け入れられなかった。公式戦135試合のうち今日で70回の退場を記録した監督。そしてその勝率は脅威の10割。監督の退場を宣告されたチームだが、この後怒涛の大反撃が待っていた。↓1クリックで1点入ります。大逆転劇にご協力ください。
2007.04.22
コメント(0)

時間ってのは大切だよな。それが俺のポリシーだ。ここでいう時間とは余暇を有効に過ごすとか、能率を高めるとかそういうことではない。ある限られた時間内に相対するものに勝利する事、というのが俺にとっては時間を大切にする事だと思っている。え?意味がよくわからない?仕方ねぇなぁ。じゃあ具体的に俺の日常で紹介してみようか。たとえばカップラーメンを食べるときとかは、お湯を注いでから3分の場合、2分半で食べ始める。最近は細麺も多く出てきたからなおの事時間には配慮しないと旨く食べられない。食べる時間は長くても5分以内だ。旨いものを一番旨い時間で食べる事によって俺は勝利感を得られる。俺が時間を大切にした、と実感できる瞬間だ。嫁とかが食べようとする直前に、「あ、その前にトイレ。」等と席を立つなんて、俺からすると言語道断の卑劣な行為だ。あとコンビニなどのレジで清算して店員が金額を言った後、初めて鞄の中から財布を取り出そうとする人もいるが、そんな奴の後ろに立つとイライラしてくる。挙句の果てには小銭を散々散らかし、結局1円足りずに紙幣を出したりして、見ているだけで意気消沈だ。俺にとっては後ろに並んでいる人の時間が相当無駄になっている事も気づいてほしいと思うからだ。俺がレジで清算しているときは、まず財布を持っておく。その際財布を取られることの無いように注意が必要だ。中の小銭の金額を確かめておいて、買った商品の大まかな金額を予想しておく。今の所持金は1878円で、商品はだいたい750円くらいだから、消費税をふくめて780円までなら小銭を、それ以上なら800円を出す。「合計で787円になりまーす。」その瞬間から俺と店員の静かな戦いが始まる。店員がレジ袋を用意して商品を中に全部詰めるまでに金額を用意するのだ。まぁ今回は9円小銭が足りなかったから、800円を出すだけなのでそう厳しくない戦いだったが、俺はまたしても勝利感を手に入れることができた。そうそう。買った商品の中にはカップのアイスクリームが入っているんだ。ここでも戦いがもう始まっている。アイスクリームは冷凍庫から出して3分を過ぎたころから食べ始めるのが旨い食べ方なんだ。前の客が小銭の件で時間を使いやがったからもう4分は経っているはず。そろそろ食べ始めないとドロドロのアイスクリームになってしまう。それは俺が戦いに敗北したことに繋がる。そうならない為にも俺は店を出てすぐにカップを開け、スプーンをアイスに突っ込んだ。バキッ!鈍い音を立ててアイス用の木のスプーンが折れてしまった。しまった。レジでせめてプラスチックのスプーンをもらえばよかった。もう一度レジにいってスプーンをくれ、と言うのは俺にとっては試合に勝って勝負に負けたようなものだ。アイスに負けた上に先ほどのレジでの勝利も水泡に帰し、コンビニの出口でひとり、俺は大きな敗北感を感じずにはいられなかった。↓次への勝利のためクリック願います。
2007.04.21
コメント(0)

時々山奥から妻の実家の義父が家にやってくる。婚約したときに初めて会ったときのイメージがあまりに強いのだろうか、義父の強面とその低い声に僕は正直びびっていた。今でも妻にとっては優しい父親らしいが、僕にとってはあまりそうではない。可愛い一人娘を僕みたいなひ弱な男に取られた義父の気持ちとは。義父といる時の僕に対しての威圧感から容易に想像出来る。食事の時には、妻が手間暇かけてつくった料理でも、「鳥の皮なんて人間の食うもんじゃねえよなぁ?」低い声で言われると、「そうですよね。人間の食うもんじゃありませんよね。」と相づちを打つ。鳥皮が大好きなのに。テレビの時も、「この芸人、大嫌いなんだよなぁ。」と言われると、「そうですよね。僕も大嫌いです。」とテレビの電源を切る。本当はファンなのに。外にご飯を食べに行ったときも、「ちまちま皿を取ってられねぇよなぁ?」回転寿司でレーンから直接食べてしまうが、「そうですよね。僕も直接食べようかなぁ。」完全なマナー違反なのに。連絡をとるときでも、「大声で叫べば携帯なんていらねぇよなぁ?」「そうですよね。携帯なんて不要ですよね。」僕は泣く泣く携帯をゴミ箱へ投げ捨てた。ワンセグなのに。義父に連れられ夜の街を歩いていると、「やっぱり女を沢山抱いていないようじゃ男じゃねぇよなぁ?」・・・・まずい。「そうですか?」と反対意見を言ったら、「おい!俺の言ったことが間違っているってのか!」と激怒しそうだし、逆に「そうですよね」と言ったら、「お前、俺の可愛い一人娘を泣かす気か!」と更に激怒しそうだ。さてどうしたものか・・・。どうしたものだろうか・・・。「お前!聞いているのか!」と結局義父は激怒してしまい、なおかつそれが周囲に飛び火し夜の街で騒動を起こしてしまった。「結納品は牛に決まっているだろうが!」と初対面で言われたあの日の出来事を思い出した。なぜもっと慎重にならなかったのだろうかと後悔しても仕方がないのは分かっているけど。ああ。これだけは死んでも言えないが。優しい義父よ。事件を引き起こす前に早く山奥へ帰ってくれ。↓クリックすると義父は山奥へ帰ります。
2007.04.20
コメント(0)

また贈り物が届いた。差出人は姑だった。中身はフルーツの盛り合わせ。リンゴ、バナナ、グレープフルーツ、キウイ・・・。そしてマンゴー。なぜ姑はこんなことをするのか。沢山の美味い甘そうな果物の中にあったただ一つの嫌がらせ。わたしがマンゴーアレルギーと知りながらもその季節には毎年執拗に送りつけてくる。私はそれでもその都度姑の家に電話しお礼を言うが、こんな嫌がらせをされた上、なおかつ電話で話をしないといけないなんて。いつも憂鬱だった。そして私はそのお礼に名産のお菓子を送るが、今やどこの名産品でもパソコンで注文出来るので、とびっきりの甘い品物を送りつけてやるのだ。その後姑からお礼の電話が掛かってくる。特に何か言われる訳ではないが、陰ではかなり私に苛立っている事だろう。私のできる唯一の反抗で、電話を切った後私はクスクスと笑っていた。姑は甘い物が大嫌いな事を知っていたからだ。そうするとまた姑から2ヵ月後の誕生日祝いとか言って大量の花束が贈られてくる。もう三十路を過ぎて姑から花束をもらえるなんて。私は涙が止まらなかった。くしゃみも止まらなかった。私が花粉症であることを知っての嫌がらせだろう。私は姑にくしゃみをしながらお礼の電話をした。ただの風邪だと誤魔化したが、姑には多分わかっていただろう。ちくしょう。姑にしてやられた。私ももうすぐ母の日ということを思い出して、花を贈ることにした。カーネーションじゃ何も面白くないから、違う花を贈りつけてやった。その後、姑からお礼の電話がかかってきた。さすがに声がこわばっていたが、なんとか平静を装おうと必死な姑。私は作戦が成功したことを確信し、電話を切った後大笑いした。なにせカーネーションの代わりに送ったのは、赤い菊の花束だったからな。ある日姑が一人で住む家に用事があって行くことになった。実は姑の家は結構な豪邸で、昔は地元の大地主だったらしい。そこへ姑が出てきて中へと案内される。この間の赤い菊の余韻がまだ残っているかもしれないので、またとんでもないお茶やお菓子が出るかと警戒していたが、意外と普通の物が出てきた。さすがに私の攻撃が利いたのか。もうやり返す力も無いのか。私は勝利を手中にした、と思っていたその時。「そうそう。この間新しくプールを作ってねぇ。泳いでいかない? あなた専用にビキニも作ったのよ。」なんて事だ。私がカナヅチな事を知りながらプールを作ったのか。しかも三十路の中年女性にビキニだと?無理があるだろうが。そして目の前には作られたばかりのプール。それを見た瞬間、私は贅肉の溢れたビキニ女性がプールの真ん中でうつ伏せに浮かんでいる場面を想像してしまったのだ。私はギリギリと奥歯を噛み締めていた。姑は後ろでクスクス笑っていた。↓クリック願います。
2007.04.19
コメント(0)

最近は高性能の車が多く登場し、燃費は良くなり内装も格段にすばらしくなった。迷うことなく目的地に到着でき、リビングでくつろいでいるかのように移動する。移動している間も暇を持て余す事がないように大画面で映画を楽しむ。そんな最高の時間を演出できる車でも、まだ事故だけは回避することが出来なかった。車の所有台数が右肩上がりの時代、交通死亡者数も同じく右肩上がりだ。なんとかこの20~30代の減少に歯止めをかけるべく、国は国民が車を安全に走行するよう法律を改正した。自動車は公道を走行する場合は時速30km以下という改正だった。その後死亡者数は格段に減少したものの、国民からは不満の声が多く出ていた。それはそうだろう。移動時間も格段に増える上に車のスピードを楽しむ人も多いからだ。自動車会社は低速でも高速で走っている感覚のシステムを導入したり、逆にリラックスして走れるようにしたが、それでも移動時間が短くなるわけでは無いので、まだまだ不満の声が多くあった。そこで国は老人を同乗していれば、制限速度を超えて走行してもよい、という改正案を出した。老年人口が増加し雇用を確保しないとならない中の改正だった。制限速度を超過しなければいけないトラック業界は老人の雇用を大幅に増やし、また飲酒運転をするドライバーに助手席の老人が今までの経験を活かして言葉巧みに飲酒をやめさせる。お互いにとって優れた改正となった。しかしそうは上手くいかなかった。長距離乗車という過酷な環境にダウンする老人が続発したのだ。また老人の言うことを聞かないドライバーはアクセルを目いっぱい踏み込み、多くの死亡事故の原因につながったのだ。この状況の中でも国は老人乗車の改正を改めなかった。思惑どおりだったからだ。まず老人人口の右肩上がりに歯止めをかけたかったが故に。↓クリック願います。
2007.04.18
コメント(0)

昨日も私は難解と言われた殺人事件を解決したところだ。その頭脳の鋭さから名探偵とも呼ばれる存在だ。解決した殺人事件は数知れない。そんな私でもここのところ疲れが見え始めていた。来る日も来る日も難解な事件の連続で、さすがに参ってしまった。上役は1日でも休んで欲しくなかったみたいだが、私は約1年ぶりに長期休暇を取って、仕事の疲れを癒すために温泉旅行に出かけたのだ。やはり車と違って電車はいい。窓からの景色を眺めながら弁当を食べられるなんて。こんな事でさえも私は嬉しくて仕方が無かった。そう思っていたのもつかの間だった。前の席の客が弁当を食べていきなり苦しみ始めたのだ。その乗客は間も無く息を引き取った。これは何かの殺人事件に違いない。と周りの人間はそう思ったが、私は食事を装った自殺と断定した。鑑識の結果、やはり服毒したことが判明したらしい。私は少々時間を取られたが、何とか目的地にたどり着いた。この地方特産の食材をふんだんに使った夕食。私はこの温泉の名物である大露天風呂で疲れを癒そうと思っていたその時だった。風呂から悲鳴が聞こえる。露天風呂には男性が頭から血を流して倒れているではないか。その男性は間も無く息を引き取った。これは何かの殺人事件に違いない。私は死因を頭部の打撲痕を発見した。後頭部から殴打したと推測されるが、素人の犯行ということは手に取るようにわかった。私はすぐに聞き込みを行い、犯人を突き止めた。会社の部下の犯行だったらしい。露天風呂で足を滑らせたように見せかけたらしいが、私の目は誤魔化されることは無かった。次の日。私は有名な自殺の名所と呼ばれるところに足を運んだ。少々風が強かったが、日本海の荒波が打ち付けるこの自然の雄大さは私にはとても刺激的だった。潮風が心地よく思えていたその時だった。崖の先の方から女性の叫び声が聞こえた。女性が投身自殺をした。女性は即死であった・・・。その後も私は旅行の行く先々で殺人事件に出くわした。仕事の疲れを癒すための旅行なのに。もう勘弁してくれ。ドラマじゃあるまいし。↓クリック願います。
2007.04.17
コメント(0)

「さて!次の商品は!」テレビの前で釘付けになる僕が見ていたのは真夜中のテレビショッピングだ。「大好評のこの商品。いつもよりもう1000円値下げしました!」ほう。今日は普段よりも安く売るのか。「本日お買い上げ頂いた方には2つ特典をお付けいたします!」へぇ。まだお買い得になって売るのか。「その上ネックレスもお付けいたします!」ネックレスはいらないと思うのだが・・・。「先着50個までは2セットを1セットの価格でお売りいたします!」え?じゃあ1セットを半額にしろよ。「さらにこのキーワードを言って下さったかたには赤字覚悟の 半額で販売いたします!」赤字じゃだめだろ。本当に大好評なのか疑わしくなってきた。僕がリモコンのスイッチを変えると、天気予報が映っていた。そうそう。明日は晴れてくれないと困るんだ。「さて、明日の概況ですが・・・。」「その前にCMです。」「あすの北海道地方の予報は・・・。」「その前にCM。」「あすの東北の天気ですが・・・。」「その前にCM。」「あすの関東地方の予報は・・・。」「その前にCM。」結局僕が住む近畿地方の予報になるまで20分延ばされたのだ。テレビに振り回わされたいつもの夜だった。↓クリック願います。
2007.04.16
コメント(0)

実家の母親は大変気遣いをする。僕がたまに実家を訪れても、何一つ手伝うことは無い。料理も洗濯も掃除も、何もかも一人でテキパキとこなす。これが60歳を前にした人間の動きだろうか。僕が起きているときはなにかしら働いている。まぁ僕もそのなにもしなくていい時間でパソコンしたりしている訳だが、自分の家で妻と過ごしている時よりも遥かに楽な時間を送ることが出来る。気遣いと言っては語弊があるかもしれないし、妻には申し訳ないが、とにかく主婦の鏡だと思っていた。この前も用事があったので、昼前に実家を訪れるともうすでに昼ごはんの用意ができていた。僕の来る時間を見計らったかのようにテーブルの上に並ぶ料理。余り物で作ったと言っていた割には、手間が掛かっているのがわかる。3皿並んだ味はどれも懐かしい味だ。そう、このカレーライス。この、カレーうどん。この、カレー焼きそば。僕が全ての皿を平らげると、すぐにデザートが出てくる。リンゴ。リンゴジュース。リンゴアイス。一つの素材に対して複数の種類の料理を出し、食材にも大変気を使う母。やはり母親は偉大だと感じた僕であった。↓偉大なる母のために1クリックお願いします。
2007.04.15
コメント(0)

俺は若い頃は部活動をしていたおかげで、均整のとれた体をしていた。しかし写真の中の俺と今現在の俺は似ても似つかない。大学までは均整がとれていたが、社会に出てからというもの時間に追われ、精神的に追い詰められ、気がついたときにはもうこの体型になっていたのだ。床に落ちた物を取るのも一苦労になった俺を上司は動けないし使えない等と罵る。それがまた俺のストレスを上昇させる。悪循環とはこのことを言うのだろう。俺はその日の晩も食って食って、食いまくった。悪循環と知りながら。この悪い習慣を断ち切ろうと思っていた矢先、俺の体型の事を以前から気にしていた実家の母が良く効くダイエット薬を持ってきた。久しぶりに会った母は随分崩れた体型の欠片も無く、すばらしいスタイルで目の前に現れたのだ。この2週間ほどの間、ダイエット薬を服用した効果で20年前の体型が戻ってきたらしい。俺は薬というものが信用ならないのだが、あまりに母が薦めてくるため、注意書きをしっかりと読まずに服用を始めたのだ。その効果は凄まじかった。2日間なにもしなくても、体重が一気に落ちたのだ。母が薦めてきた訳だ。俺は連休と合わせ有給も一気に使い果たした。その2週間の間にダイエットをして会社の皆をびっくりさせてやろうと思ったからだ。服用して2週間後。予想通り体重は激減した。俺はあの醜い体型から一転した新しい肉体を得たのだ。しかし鏡を見た俺は愕然とした。痩せたはいいのだが、3サイズが上から92・60・88のナイスボディに。明日からまたスーツにネクタイを締めて仕事に行くのに。注意書きに書かれた「女性専用」の文字。鏡の前で頭を抱えた俺にその文字が目に入ることはなかった。↓用法・用量は正しく読んで、正しく服用してからクリックして下さい。
2007.04.15
コメント(0)

うちの夫婦は毎日些細なことで言い争いをしている。よくよく考えてみると本当に大したこと無いのだが、その時はお互いの主張を強くするので、性質(たち)が悪い。昨日もたいしてつまらないことなのにあわや別れるところだったんだ。「だからそうじゃないだろ!」「だってそうじゃない!あなた大体おかしいんじゃないの?」「なんでだ!10年前からもうテレビで見てるんだぞ!」「そんなの知っているわ!でもあの人もう子供だっているのよ!」「おかしい。彼女がデビューしたのは10年前だろ?それじゃあ つじつまが合わないだろう。おい!なに電話してんだ!」「あのね、最近子供が出来た女優いるでしょ? あのひとデビューしたの何歳だっけ?」「電話してないで俺の話を聞けよ!」「ほら!友達もデビューは15歳って言ってるじゃない!」「だから彼女は24、5歳だって言っているだろう!」「いいえ!私は25、6歳だと思うわ!」「それよりもお前あの女優みたいに綺麗になれないのか!」「そんなの無理に決まってるじゃない!それよりも あの人バツイチなのよ!私たちも見習って別れた方がよさそうね!」女優の実年齢は28歳だということも俺たちは知らずに言い争いは夜中まで続いた。↓この仲良し夫婦のためにも1クリックお願いいたします。
2007.04.14
コメント(2)

彼は死に瀕していた。暗い場所をあても無く彷徨い、何でもいいから食べられるものを探していた。先ほどの古い建物の中には何もなかった。こちらの新しい建造物の中には何かあるだろうか。とにかく何でもいいからかじり付かないと、もう失神寸前だ。しかし何かがありそうな気がしていた。やはりそうだった。死が近い時限って尚生きる為に不思議な力が働くのだろうか。そこには彼の大好物が横たわっていたのだ。彼は一瞬立ち止まり好物の物かどうか再確認すると、勢い良くかぶり付いた。心地よい食感は電撃が走ったかのように彼の脳と胃を刺激した。「電気がつかない。停電したのかな?」「いや、ねずみか何か配線に噛り付いたのだろう。」↓死に瀕した彼を救ってやるためにも1クリックお願いいたします。
2007.04.13
コメント(0)

「おい、これはなんなんだ!」そういって窓口で騒ぎ立てる男がいた。他の客も男の大声にざわつき始める。「こんなの見たこと無いぞ!」どうやら窓口では金銭のことでもめている様だ。お釣りが足りないのか。いや、そういうわけではなさそうだ。「いえ、それが駄目なのでしたら取り替えますので・・。」店員も対応に四苦八苦しているようだ。男は一枚の紙幣を店員に見せつけ、「これを俺に渡して損させる気か!店の信用に関わるぞ!」紙幣ということは店員が男に破損した紙幣でも渡したか。それとも男でもわかる様な偽造紙幣か。そうだ。間違いない。ニュースでもあちらこちらで偽札がバラ撒かれているというのを聞いたことがある。店員が全く気づかずに渡してしまったのだろう。しかし、男の騒ぎようも尋常ではなかった。店員も困り果てた様子で、とにかく男の興奮が治まるのを待つしかなかった。男は振り返ると、周囲にいる人達にその偽札を高々と見せつけたのだ。「お客様!困ります!」店員が静止するのも聞かず、男は大声で叫ぶように言った。「おい!これを見てくれ!こんな札見たことないよな!」男の掲げられた右手には偽札が。いや、2千円札が。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.12
コメント(0)

「年俸3億」僕は目を疑った。公共の求人情報に掲載されていた一覧。前の仕事を辞め3ヶ月。このご時世就職先に思うような所が無く、途方にくれていた僕の目に飛び込んできた賃金の欄。またとんでもない仕事内容だろうと思ったが、それでも興味本意に職種・仕事内容の欄に目を移す。職種は野球選手の4番打者。仕事内容はホームランを打つ事。求人数は1人。経験者優遇。野球なら僕だって高校まで部活でやっていた。こう見えても4番で甲子園にこそ出られなかったが、地元の新聞紙を賑わせた位の経験はある。しかしそんな地方の4番にスカウトの声もかかることはなく、野球に全ての情熱を傾けてきた僕にとって、社会に出るということは変化の無い日常を受け入れる事に思え、僕はこの上なく冷めてしまったのだ。そんな僕をもう一度奮わせる求人欄が目の前にあった。勤務地が地方なのが気に入らなかったが、駄目もとでも僕は面接を受けることにした。面接会場に到着した僕は志望者が2人と予想外に少ない事に驚いた。もう一人はどこかで見た事のある顔だった。そうだ。隣町の4番だった奴だ。高校の最後の試合、その隣町の高校に熾烈な戦いを制され、甲子園の切符を譲ってしまったのだ。4番のサヨナラホームランで。しかし今度は譲る訳にはいかない。そのために僕はきちんとした服装、誠実な態度、的確な受け答えを用意してきたのだ。一方隣町の奴は、サングラスをつけたまま茶髪で服装もラフな姿。大柄な態度で対等な立場で受け答えしているようだった。誰の目にも僕が受かった、と思っていただろう。でもそれは普通に就職する時だけだと気がついた時にはもう遅かった。10年後。隣町の4番は球界を代表する4番になっていた。僕は相変わらず低賃金で雇われる日々が続いていた。特に存在感を示さないといけない4番打者に求められる人材とは何か。僕は気がつかないうちにサヨナラホームランを打たれていたのだ。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.12
コメント(0)

勇者が大舞台に立つ。そして大きな標的が動き出すと、どこからともなく声が聞こえだす。奴らは手を叩きながら呪文のように同じ言葉を繰り返し唱える。槍を手にした勇者は標的目掛けて投げる。その標的に人間が大の字に張り付いているとすれば、手、足、または頭部に槍を突き刺すのだ。万が一にも心臓や内臓を狙ってはならない。それではこの儀式は成立しない。儀式の真の目的は頭部を突き破ることだからだ。獲物を仕留めるような鋭い眼光。勇者は脳天を目掛け体中の神経をその鋭利な一点に集中させる。周囲も頭部を一撃で仕留める為に呪文を留まることなく続ける。勇者は高ぶる気持ちを抑え、1本しかない黄金の槍を標的目掛けて力一杯投げつけた。なんてことだ。周囲からは落胆の声が聞こえる。投げた槍はあってはならない心臓部分を突き刺してしまったのだ。儀式はあっけなく終わりを告げてしまった。勇者は失敗した事を後悔し、天を仰いだ。そこに長老と副長老が現れた。一言声を掛け、悔やむ勇者に何か手渡す。手に収まる黒くイガイガの超ロングセラー。その原料はココナツヤシ。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.11
コメント(0)

いつもこんな文章にも関わらず、アクセス頂きありがとうございます。書き始めて1ヶ月経ちましたが、まだ全然初心者だと痛感しています。今は時間があるのでできるだけ毎日更新したいと思っています。これからも初心者をよろしくおねがいいたします。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.10
コメント(0)

俺の名はユキオ。拘束されている。悪い奴等にではない。相手は高校の教師。そして取り巻く環境の全て。国家の手足に成り下がった何の輝きも無い大人。そしてそれにただ従順なだけの子供。俺にはそう見えていたんだ。そんな奴等に俺は入学当時から嫌気が刺していた。最初の入学式から暴れた生徒は初めてだったらしいが、校長の長話などに耳を貸す気も無い。俺がイライラしていると教師に文句を言われた。だから暴れてやったんだ。それからというもの、俺の周囲は常に嵐が吹き荒れている状態だった。同級生からは冷酷に見られ、強そうなやつらとは毎日の様にケンカをし、上級生に因縁をつけられても片っ端から叩き潰してやった。何が俺をそんな気分にさせるかって?俺は自由になりたいんだ。親は高校にさえ入ってくれたらそれでいいって言いやがったから入学した今、俺はやっと自由になれたと思ったのに。それが今度は周りの奴等が俺の自由を阻みやがる。だから力でねじ伏せてやったのさ。教師も俺の強さがわかったのか、何も言ってくることはなくなった。学校に行きたい時に行き、帰りたい時に帰る。食いたいときに食い、寝たいときに寝る。どこでもタバコを吸い、金が無ければ巻き上げる。文句を言われれば殴り、教師相手なら睨みを効かせる。俺は自分の思い通りに何でもやっていた。それだけの力を持っているからな。しかし、俺の居場所ではなかった気がしていた。そんな中、急に学年で登山をすることになった。雪が溶けた後の登山らしいが、ここは俺の強さをアピールしてクラスで一番可愛い女を寝取ってやろうか。俺が行事に参加することに他の奴等はびびってたが、そんなの知ったことじゃねぇ。俺は自由人だ。だから何でもやってやる。1日目から天候は荒れた。登山中に異常気象か何かで普段はあるはずもない吹雪に見舞われたのだ。もうすぐで着くらしいが、励ましたり指示したりする教師たちに俺は嫌気が刺してきたので同級生に対して文句を言い放ち、更には暴れたい衝動に駆られたんだ。俺に指図なんてしてんじゃねえよ!大体団体行動なんて大嫌いなんだよ!今すぐ俺を自由にしやがれ!いつものように俺は本能のまま、暴れてやった。俺がふと気がついた時には周囲には誰も居なかった。周りは吹雪で何も見えない。幾ら暴れても叫んでも雪と風にさえぎられる。もう縛り付ける物はなにもない。前へ行くも後ろへ行くも、もう本当に好き勝手にしていいんだ。俺は大自然の吹雪の中で完全に自由の身になった。ここが、俺の居場所だと感じていた。俺の名はユキオ。雪男ではなかった。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.09
コメント(0)

今日私は電車で住まいからずいぶん離れた場所へ行く。先週もその前も行ったその地は、週末には必ずといっていいほど訪れる。最近はコンピュータを持って無いとろくに生活も出来ない世の中になってしまった。私は未だに切符を買うような古い人間なので、ましてやコンピュータなどとは特に無縁なアナログ人間だ。その地も遠い知人から口コミで聞いたもので、それ以来、私の第二の故郷と言っても過言では無い位に、慣れ親しんだ場所になってしまった。各駅停車に揺られて3時間。駅を降りてバスに乗り継ぎ30分。私は日帰りの旅行しているような気分になる。朝早く出たつもりが時計の針はもう正午前を指していた。終点に程近い停留所で降りると、いつもお世話になっている旧家屋の店に入る。私が毎週この地へ来る理由は、実はこの店に来るためなのだ。店内に入ると、そこはまるで書庫のような陳列棚が整然と並び、私は以前から気になっていたうちの3つと、家から持ってきた同じくらいの大きさの袋を手にして、もう顔なじみになった老人の店主がいる奥の方へと歩いていった。「いらっしゃい。今日も遠い所から大変でしたねぇ。」「いえ、いつも小旅行の気分で来てますから。」「で、先週の分はこの袋に入っているんですね。」「はい、それを返却して、これ借りたいんですが・・・。」「β(ベータ)3本を1週間レンタルでよろしいですね?」私は新しい包み袋を受け取り店主と茶飲み話をしばらくしてからまた4時間ほどバスと電車に揺られて街へと帰っていった。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.08
コメント(0)

ある大手企業の会議室。海外の企業がわが社の株式を大量に買い付けて経営権を乗っ取ろうとしている噂があり、その対策を検討するため取締役を含めた経営陣が会議を行なっていた。「社長、このままではわが社は外資系に飲み込まれてしまいます。」「たしかにこちら側が株式の増資を行なったとしても 経営権を握られるのは時間の問題になりそうです。」「こうなったら日本の同系列の企業に友好的合併の意思を示し、 敵対的買収からわが社を守るしか・・・。」「しかしそれは同時にわが社を売却する覚悟も必要にもなります・・。」「そうです。さらに新たに買収者を呼ぶことにも繋がります。」「社長!どうされますか?」「社長!」「社長!」取締役は口を閉ざし、腕を組む。会議室が静まり返る。役員が取締役の決断を待つ。「あなた!」静寂の会議室に入ってきたのは取締役の妻だった。なぜ彼女がここに・・・?役員たちは皆そう思っていた。妻がひどく息を切らせながら、こう言った。「サザエさん・・・サザエさんに赤ちゃんが産まれたのよ!」「なに!本当か?!」そう言って取締役は立ち上がった。「ハァ・・、それが・・・、ハァ・・、女の赤ちゃ・・んで・・・。 な・・・なまえは・・・う・・・うっ・・・・」「名前は?おい!しっかりしろ!大丈夫か!」取締役がグッタリした妻を抱え声を掛けるが、過呼吸なのか声が出ない。「と、とにかく救急車だ!」事情が全く飲み込めない役員たちだったが、急いで救急車を呼び、妻は何とか都内の救急病院へ搬送された。「一体なんだったんだ・・・?」嵐のように過ぎ去った出来事だった。役員たちは、走り去る救急車をただ見送るしかなかった。(4月7日現在、サザエさん家に新生児は確認されてないと思われます。)↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.07
コメント(0)

ちょっと遅くなってしまった帰りの車。週末金曜日の晩だし、妻も実家で晩飯を食べているはずだ。私は会社の同僚達といつもの小料理屋へと仕事の疲れを癒しに行っていた。同僚達は電車なので結構飲むが、私はその小料理屋の一品が家庭的な味付けで結構気に入っている。終電もあるのでそこそこでお開きになり、同僚たちと別れた私はマイカーで家路についていた。飲酒運転の罰則が厳しくなったから、というわけではないが、私は自動車を運転する時には飲酒はしない。先ほどの小料理屋でも酒は一滴たりとも飲んでない。最近は飲酒して運転したり、飲みながら運転して事故を起こしたというニュースが報道されているが、はっきり言って私には考えられない。「飲みたいから飲んだんだ、なにが悪い」なんてまるで子供の言い訳だ。酔っていないつもりで運転するのも自覚が足りないか、自己への甘えだ。そういうのを何度も繰り返すうちに取り返しがつかない事へと繋がるのだと私は思う。帰りが遅かったのでアクセルを強く踏み込みたかったが、逸る気持ちを抑えてスピードを落とした。その時だった。国道の先のほうで止まれの手旗が見えた。警察が検問をしているようだ。まぁスピードも制限速度内だったし、飲酒しているわけでもない。一応呼気を測定するということだったが、私は特に気にすることもなく測定器に息を吐き出した。「あなた、飲酒運転ですね。 ちょっと降りてきてもらえますか?」「え!酒なんて飲んでないですよ!」「とにかく降りてきて下さい。」私は本当のことを話してわかってもらおうとした。同僚と小料理屋で飲食したが、飲酒はしていないし、絶対機械の故障だと思っていた。食べた料理も覚えていたので、事細かく説明した。「あ、それですね。」警察官が言う。それは私が6品目を言ったあとだった。「酒粕入りの汁物はこの間法律で飲酒の対象になったところなのですよ。」訳がわからないうちに、私は飲酒運転者になってしまったのだ。なぜなんだ。ほんの2杯程の汁物だぞ。しかも全く酔った感覚なんてないのに。だいたいあの小料理屋の酒粕入りの汁物は最高なんだ。食べたい物を食べただけじゃないか。何が悪い。私が食べる物を警察なんかにとやかく言われてなるものか。来週だって再来週だって私はあの小料理屋に行ってやる。私は間違ってないと信じているからだ。以降、彼は飲酒運転の常習者になった。(実際に酒粕入りの汁物が違反運転で法律に触れるかは不明です。)↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.06
コメント(0)

ワシは今週も孫をショッピングセンターの一角にあるゲームセンターへ連れて行く。娘の頼みだから断れないが、先週もその前も行った。二人の小学生は毎回ゲームセンターの端から端まで遊び尽くす。年金生活とはいえ、こうも毎週毎週連れて行かされると身体も金ももたない。しかしワシはこれがあるからこそ孫にも慕われ、退職後も暇を持て余す事無い生活を送れているのかもしれない。それにしても最近のゲームセンターってヤツはとんでもなくオイシイ商売だとつくづく感じる。面白そうな景品があればそれを取るためだけに金を使い、販売元は流行のキャラクターを次々と作り出し、キャラクターのカード収集で更に金を注ぎ込ませる。希少であればあるほどその価値は高い。孫にとっては大変大事な物らしいが、はっきり言ってワシにはその価値はわからない。誰かが作り上げた物の上で踊らされていうようにしか思えない。ワシが小さい頃はゲームなんてしたことがなかったし、公園という所で砂場や鉄棒やブランコ、ジャングルジム・・・・。そこで仲間達と無限の遊びをしたものだ。もちろん自分達だけの悪戯もあった。それが楽しくてしかたがなかった。だが公園の遊具は、危険・汚い、その上大人の目が届かないということ、都市の再開発もあり、ビル群の屋上へと追いやられた。遊具も何も無い「パーク」という名に変えて。それから町なかで遊ぶ子供たちをめっきり見かけなくなった。家の中で、あるいはゲームセンターの中で子供たちは遊んでいるからだ。危険な大人たちから守られるように。そんな中、あるゲーム会社から新感覚の遊技場が開発されて話題を呼んでいる。今までは大人たちが作っていた遊びから、子供たちの考えを第一に優先して作られた物らしい。また電脳とかそういう類なのだろう。まったく最近の子供たちは身体を動かすことを知らない。液晶の画面と向き合ってばかりで、人間と遊ぶということをなぜしないんだ。最新の遊技場ゆえ入場料も馬鹿にならない金額だ。質素な生活をしてその分孫たちに年金の多くを持っていかれる。ワシは一体なにをしているんだ。この年代の人間も同じ考えだろう。もう財布の紐は締めていかないと。そんな事を思いつつも結局孫たちと長い行列に並んでいる訳だが。1時間ほど待ってようやく入ったその中には。昔ワシが遊んだ公園の風景がそのまま再現された空間があった。最新の技術で危険を取り除き、衛生面も万全なのが売りらしい。そこはワシにとって本当に子供が遊ぶべき場所であると思えた。孫たちは昔からここを知っているかのように元気に遊ぶ。幼い頃、公園で悪ガキ共と遊んだ記憶が脳裏によみがえる。もうあの頃のように元気には動けない肉体になってしまったが、ワシは孫たちを幼い頃の自分の姿とダブらせて眺めていた。すこし入場料は高いが、ここなら払う価値がある。ワシの口元は密かに緩んでいた。子供たちの計算通りに財布の紐も緩んでいた。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.05
コメント(0)

最近流行の趣味に凝っている。趣味というのは野外活動、いわゆるアウトドアってやつだ。これまで何度か行ってきたが、都会に暮らす生活をする者にとって田舎の森林浴というのはこの上ない癒しの時間なのだ。今日も家族を連れて自慢の4WD車を目的地まで走らせる。最近の車は良く出来ている。石油を使うことなく走り、道無き道をも走る性能。目的地はもうすぐだ。ネットで調べた穴場のスポットに到着する。川のせせらぎと美しい鳥の声。何度来ても癒される。穴場のスポットということで他にアウトドアするグループも無い。野外というと虫がつき物だ。とくに蜂は都会に出現することが無くなったので、それを知らない子供たちは気をつける必要がある。しかし、4WD車に搭載された超音波系機器で虫たちを寄せ付けることが無いので、子供たちも安心して自然のマイナスイオンを満喫していた。そろそろ夕食の支度をしなければならないが、川が近くにあるということで魚を食べる、というのはもう時代遅れだ。生態系の事も考えないといけないし、何より手軽に食事を取れると言う事では車にオプションで取り付けた調理器がやはり一番だ。アウトドア風の味付けを選択すれば、美味しい野外料理が出来上がる。さて、夜もふけてきたので寝る準備をしないといけない。それならテントを張らないとならない、というのももう時代遅れだ。車の座席をフルフラットにすると6畳ほどのスペースが出来上がる。もちろん電気もガスも冷蔵庫も。テレビは臨場感のある50インチだ。うーん。やはり自然の中で一杯やりながら見るテレビは最高の癒しの時間だよな。そうそう。ここは山奥の中だから時に熊が出没するらしいが、その対策も万全だ。近づいてくる動物がいれば熊だろうが何だろうが自動で威嚇、撃退してくれるシステムが車に標準装備でついている。朝には50m範囲内に動物が撃退されていることもしばしばある。さすが標準装備。メーカーが推奨してるだけのことはあった。次の日。昼食を取ってからすぐ我が家へ車を走らせる。あのせわしない都会へ帰らないといけないのか。そう思うと少し気分は憂鬱になる。そうだ。来週も来ればいいじゃないか。今度もすこし場所を変えて自然を満喫しに来よう。捨ててきたゴミもそのままに、再び彼らは来週場所を変えて山奥にやってくる。自然にとっては大変迷惑な彼らが。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.04
コメント(0)
今日の運勢。全体運: お誘いが多く人気者になれる日。美的センスも冴えるので、華やかなファッションで運上昇。 恋愛運:モテモテオーラ漂う今日のあなた。華やかなファッションと親しみやすい笑顔で人気者に。 仕事運:仕事に理想を持つのはいいけれど、理屈をこねてると思われそう。現実的な対応をお忘れなく。 金 運:人から恩恵を受けやすい日。親しみやすさが幸運の鍵。いろんな人にフレンドリーに話しかけて。 なるほど。今日は最高に近い運勢のようだ。友達も居ず、仕事からも引きこもりがちで朝からパソコンに向き合っているのにそんな運勢になるわけねーだろ。と、皮肉るばかりの人生じゃぁ、運勢も何も変わりはしない。
2007.04.03
コメント(0)

今日も朝からニュースが流れる。全く、最近はいい話を聞かない。飲酒運転の事件、振り込め詐欺、官僚の汚職、談合。飛行機事故、金属窃盗・・・ろくな話がない。そんなニュースばかりを聞いて日常を暮らしていると、感覚が麻痺してくるものだ。「ああ、またか。」程度でしか認識できなくなってくる。しかし今日は違った。世界各地での異常気象、地域紛争の拡大、台風の活発化、死火山の噴火、太平洋沖の大地震、和平の決裂、戦争への発展・・・。なんだ?いつもと様子が違うことはわかった。テレビのチャンネルを変えても同じような報道番組しかやってない。とうとう世界終焉の時がきたのか?いや、俺にはわかっている。そう。今日はエイプリルフールなのだ。確かイギリスでは大々的にニュースでも嘘の報道をするらしい。今回はそれを日本で行なって、なおかつ各局合同でエイプリルフールを祝うみたいなところなのだろう。たいして面白くない企画だ。さて、腹も減ったところでコンビニへ朝飯を買いに行くか。外へ出ると、いつもは人通りの多い歩道に誰も歩いていない。どういうことだ?まさか・・・。俺は慌てて携帯で今日の日にちを確認した。背筋がゾッとする。「今日は・・・4月2日だった・・・。」↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.02
コメント(0)

「あ、兄ちゃん。僕も食べていい?」俺が夜食に作ろうとしていたラーメンを見て起きてきた弟がそう言った。「兄ちゃんの分貰うの悪いし、なんか無いかな?」弟は戸棚の下のほうを探り始めた。「あった。あった。あ、僕にもお湯ちょうだい。」そうやって俺が多い目に作っていた熱湯を自分の器に入れる。要領がいいのだかわからないが、とにかく弟はうまい具合に事が進む。俺はわざわざこの寒い中コンビニまで買いに行って帰ってきてお湯まで沸かしてようやくありつけた所だったのに。俺たち兄弟は人生においても多分両極端だったろう。長男は初めての子だから厳しく神経質に育てられるが、次男は一人目の経験があるからおおらかに育てられる。弟は甘えるのも得意だし、俺は兄ということでなにかと我慢させられてきた。そして今、弟のラーメンは3分で出来上がり、俺のは5分。実際弟は2分半位から食べ始めるから、俺が食べ始める頃には「お先。ごちそうさま。」と言って先に席を立ってしまう。結局俺は一人で夜食をすする。「お、旨いな。」多少要領が悪くても、寒い中手間掛けて食べる夜食だ。この旨さは弟にはわからないだろうな。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.04.01
コメント(0)

「ああ、平田さんの旦那さん、かっこいいわぁ・・。」また妻が隣人の平田さんの旦那を褒める。「知ってる?あなたと違って高身長・高学歴で。しかも腕も凄いんですって。」わかっている。隣人である以上比較されるのはしかたがない。しかし、俺だって裏の大桑さんみたいな可憐で夫想いの奥さんがよかった、と言いたかったが、それを言ったら口ケンカになるのはわかっていたし、うちの妻ほど口達者な妻はいない。口で負けることはわかっていた。だから何も言わなかった。「それにしてもあなたって休みの日にも何するわけでもなく ゴロゴロして。平田さん所みたいに何か趣味は持てないの?」俺が何していようが俺の勝手じゃないか。だいたい平田さんの旦那だってせいぜい家の中で読書とかの暗い趣味だろ。本当は俺はアウトドアが趣味なんだよ。なにもわかってない妻にとやかく言われたくない。だが俺はここでも何も言わずに黙って妻の言うことを聞き流した。「あなたってホント、無口よね。なに考えているかさっぱりわからないし。 ちょっと、何にも言わないのもいい加減にして欲しいわ!」話をしない俺にこの数日、鬱憤が溜まっていたのだろう。しかし俺はそれよりも随分前から妻に対して相当腹が立っていたんだ。「ああ、俺だってお前みたいな口達者な女、嫌いなんだよ!」「やっぱり!あなた裏の大桑さんばかり見てたでしょ!」「ああ、そうさ!あの可憐でおしとやかな所、お前も見習ったらどうなんだ!」「なんですって!低身長・低学歴のくせして!人の事言う前に 自分のその暗い性格、何とかしたら!」「お前、言っていいことと悪いことがあるだろ!」「あなた!口で負けるからって!力でなんてやめてよ!」「うるさい!この口達者!」俺はまた妻に暴力を振るっていた。「ママー。この2匹、ケンカしてるよ。すごく元気だよ。」「じゃあそれ買いましょうか。」こうして俺たちは人間のガキの家で飼われることになった。- 広告の品 クワガタ成虫ペアセット。-- オスメスが各1匹ずつ入ってます。 - ※画像と本文は直接関係ありません。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.31
コメント(0)

「ちょっと、汚れが目立ってきたわね。」俺の帰宅を迎えた妻がそういった。たしかにクリーニングにも出した記憶がない。前回出したのは・・・いつだっけ?「もう、1年は経つんじゃない?」妻の記憶よるとそういうことらしい。そんなに時間が経ってたっけ?そういえばここのところ取引先の営業成績も上がらないし、社内でも少し悪い噂を耳にしたりする。そうだ。去年のこの年度末にも同じ事を言ってたな。よりによってこの忙しい時期に、休みを使ってクリーニングに行かないとならないとは。「去年も同じ事を言ってましたよ。 あなた、明日はクリーニングに行ってきたら?」しょうがない。俺は次の休日重い腰を上げ、クリーニング店に向かった。「すみません。御願いできますか?」「はい。ではクリーニングの種類をお選びください。」店員はクリーニングの種類を列記した用紙を差し出した。「じゃぁ・・・ 心のクリーニングを御願いします。」「お洗濯は手洗いでよろしいですね?」「はい、おねがいします。」「仕上がり加工はオプションで選べますが。」「えぇっと。撥水と、防虫と、抗菌防臭加工で。」「はい、承りました。ありがとうございます。ではこちらへ。」俺はそのまま店の奥へと入っていった。その日の夕方。「ご来店、ありがとうございました。」俺は心もリフレッシュしてクリーニング店からでてきた。また明日から仕事、頑張らないとな。気持ちも新たに、俺は家路を急いだ。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.30
コメント(0)

俺はドラフト1位で指名された野球史上最強の超高校生ルーキーだ。俺は負けることを知らない。俺が投げた試合は必ず勝つ。なぜなら小学中学高校と俺が投げた公式戦連勝記録は250連勝を超えるからだ。メジャーからも誘いはかかったが、まずは日本球界を制覇してやるつもりだ。俺の周りにはいつもうるさい蝿どもが飛び回っていたが、最近はそれなりの受け答えしてやれば奴らは満足して帰りやがることがわかった。そういえばもうすぐ開幕だな。おう、監督さんよう、俺を開幕一軍で使ってくれ。え? 公式戦250連勝の俺をベンチスタートだと?ふざけんな。俺に一番似合うのは開幕投手だろうが。まぁまぁ、俺に投げさせりゃ、負ける事はねぇって。これからも小学中学高校からの連勝記録が途切れる事はないんだから。大船に乗ったつもりでここは俺にどーんと任せてくれよ。え?タイタニックにならないかって?なんだか知らねぇが、そんな器の小さい俺じゃねぇよ。実際、開幕試合は監督仕事ねぇし、ベンチで寝てくれても試合はすぐ終わるから。ま、見といてくれよ。伝説作ってやっから。彼は監督の肩をポン、と叩いた。そんな彼のプロ野球人生は、開幕直後のたった1球で終わった。伝説は幕を閉じた。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.29
コメント(0)

私が最後のポーズを決めると、観客は総立ちで拍手する。それはあたかも魔法の様な出来事だった。何も無かった筈の場所に、私は自動車を出現させたのだ。私には色々な異名があった。マジシャン、魔術師、魔法使い、詐欺師、ペテン師、嘘つき・・・。科学者は私を目の敵にした。必ずどこかにトリックがあるはずだと。しかしどんな手を使っても、私の魔術は解明できなかった。又その力を社会の為に使えないかといわれた事もあった。そして詐欺師扱いされ、自宅にまで罵声を浴びることもあった。あらゆる忠告と非難を受け続ける日々。妻はそんな状況に苦しみ、失踪してしまった。私はその逆境を乗り越え、現在の地位を手に入れたのだ。私のマジック。それはトリックなど無かった。いわば生まれながらの能力というものだろうか。物体に手をかざし思いを込めると物体が消失する。いや、吸収したというのが正しいか。吸収した物体を思い浮かべ、手を広げると物体が復活する。小さい頃はこの能力に気づかずに、窃盗犯と間違われたものだ。盗んだものが見つからず、証拠不十分で釈放になったことが何回あったか。成人して約5年、ようやくこの能力があやつれるようになり、物質だろうが何だろうが、力は大小関係なく有効に働いた。私のマジックとはこの能力だけの代物だった。それゆえ、他人に教えることもできず弟子を取ることもなかった。ある番組で得意の物体出現マジックをしていたところだった。一通りのマジックが終わったが、何でも出せるのか、という話になり観客から出して欲しい要求を次々と受け入れた。テーブル、椅子、犬小屋、重たい金塊、トラック・・・。私は多くの物を吸収していたので、別に困ることは無かった。「ライオンを出してください。」普通こんな無茶な要求は受け入れることは不可能なはずだが、私は特大の檻付で出現させてやった。観客はとにかく驚いて、しばらくの間沈黙してしまった。「あまり観客の要求を呑むものではないな。」私は思ったのだが。最後に一人の男性が出して欲しい物を要求してきた。「これ、出してもらえませんか?」それは差し出された写真の人物だった。写っているのは・・・妻だった。つい半年前まで一緒に暮らしていたが、私の仕事が軌道に乗り始めてから間もなく、彼女はノイローゼになってしまったのだ。昼夜関係なく非難の声を浴びたせいと、私が仕事に忙しくてかまってやれなかったのも原因だったのだろう。これまで支えてくれた彼女にやっと恩返し出来ると思っていた矢先だった。私の夢は、妻の前でとてつもなく大きなマジックをしてやることだったのだ。しかしその妻は・・・。一瞬、その記憶を思い出していた。私の前に横たわった女性が出現した。「もしかしてその方、写真の人物ではないのですか?」問うた人物は最後に要求した男性。私服姿の警察官だった。そう、私は吸収した妻をその場に出現させてしまった。息を引き取っていた妻を私がずっと隠していたのだ。私は殺人容疑で逮捕された。長い服役を終えても、私は職を失ったままだった。なにもする気がしなかったからだ。そこにどこから嗅ぎ付けてきたのか、国家の役人が現れたのだ。「危険廃棄物の処理」私の能力でもってその仕事を引き受けてくれないか、と言うことだ。犯罪者である私に社会の反応は冷たく仕事も無かったので私は危険だがその依頼を受け入れることにした。もうマジックは出来ないという後悔を残したまま。吸収しても吸収しても終わらない処理の日々。報酬はよかったし、無限に吸収できる自信があったから逆に喜びを感じていた。昔言われていた社会の役に立てるという喜びを。私はこれこそが本当の天職だと信じようとしていた。いや、本当は仕事の忙しさで全てを忘れようとしていた。私の夢も、妻の事さえも。そして数十年。彼は人生の最期に国中を大パニックに落とし入れた。それは彼の訃報が伝えられてすぐの事。これまで吸収し続けてきた廃棄物が次々放出され始めたのだ。彼のとてつもない夢は全く形を変えて叶ったのだが。国家はその後・・・。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.28
コメント(0)

嫌いだ。なにが嫌いかというと、自分の性格だ。顔は今ひとつ、性格も社交的とはいえず、どちらかと言うと内向的。つまらない事で気分を悪くし、感情のコントロールが出来ない。いつもそれで損をしていることは分かっていた。落ち着いて自分を客観視すると、さらに自分の醜さがわかった。ストレス発散するには唯一食事だけ。今流行のメタボリックなんとかになっているらしいが、自分を抑えるため、ただ食っていた。そんな自分は社会から取り残され、家族からも見放された。家族に嫌気がさしたから家を出た。安アパートに住み、アルバイトで何とかその日を暮らしていた。若いうちは別に先の事なんてどうでもよかったが、もう来年は30歳を迎える。アルバイトも転々と変わる日々。果たしてこんな生活を続けててもいいのだろうかと、少しずつ悩み始めていた。そんな時に街を歩いていると、露天商がメガネを売っていた。視力だけは小さい頃から自信がある。だから生まれてこのかたメガネだけは無縁の代物だった。それでも足は店の前で止まっていた。「性格、メガネで変えてみませんか。」この手書きの文字が気になったからだ。まさかな・・・。「おぅ、そこの兄ちゃん。メガネが気になるのかい?」慣れなれしく話しかける怪しい露天商。話を聞くのが面倒だったから気にしない振りをして、その場を立ち去ろうとした。「このメガネ、今なら3個まで7日間無料お試し中よ。」その言葉を聞いて足が止まった。メガネになんて1円たりとも出したくはないが、タダなら話は別だ。よく見ると、メガネには多種多様のタグが付けられていた。恋愛・親分肌・末っ子・インテリ・金持ち・友好的・・・。「兄ちゃんにはこのメガネがオススメね!」そう言われて渡されたのは、「社交的」「金持ち」「恋愛」のタグが付けられたメガネだった。「まぁ、7日間だしな・・・。」とりあえず「社交的」のメガネから掛けてみたが、はっきり言って全く期待していなかった。しかし夕方からの居酒屋のバイトですぐに効果が表れた。少しでも外向的になろうと最近始めたのだが、暗いヤツという印象がその日を境に一転した。明るい声と笑顔でお客の反応は上々で、マスターも一体どういうことだと首を傾げていた。それからの7日間、自分は変わったのだ。「金持ち」のメガネで大金を手に入れ、「恋愛」のメガネで女性を沢山手に入れた。7日後、それらはメガネの返却と共にすべて無くなった。しかしメガネを買い取れば全て自分の下に戻って来る。メガネさえあれば何もかも手に入るのだ。それらを買い取るため、数百万の借金をし、すべてのメガネを買い取った。おかげで一生何不自由ない生活を送った・・・。はずだった。買い取った中にはあの不思議な力をもつメガネは一つとしてなかった。露天商を見つけだそうとしたが、もうそこには何も無かった。忘れていた。すぐ他人を信用してしまう自分も嫌いだったんだ。↓ついでに1クリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.27
コメント(0)

思えば出会ったのは春のクラス替えの時期。出会いと別れの季節、偶然彼女と隣同士になりあまり話が得意じゃなかったけど、彼女とは臆する事なく話をしていた。気づいた頃には彼女に一目惚れしていた。気さくな彼女は男子とも気兼ねなく話しするタイプで、結構人気もあったようだが、それでも運命は結びつくように動いていった。何度か席替えがあったが、その度に前後または左右隣になった。「また同じ席だね。よろしくっ。」そんな思い入れのあるような言葉を笑顔で掛けてくれる彼女。彼女がいる日常はとても穏やかで、時折休んだりするととてつもない喪失感に駆られる。そうか。これが恋なのか。今までこんな気持ち、一度も感じたことなんて無かったのに。もう、彼女なしの生活なんて考えられなかった。夏休みに入る前。半袖の制服の彼女を呼び出した。もちろん告白するためだ。「なぁに?話って。それにしても、暑いよねぇ。」白いブラウスが少し汗ばんでいて、それでいてやけに大人っぽかった。「う、うん。暑いよねぇ。そ、それで、さ。」「うん。」彼女に気持ちを知られてしまうのが怖かった。これを言ったら彼女はどんな反応をするのだろうか。数分後には彼女の笑顔は目の前には無いかもしれない。けど、彼女は多分同じ気持ちだということを信じて、勇気を出して言った。「好きです。付き合って下さい。」いきなりの告白に彼女がびっくりする。こっちだって心臓がバクバクいっている。「いきなりそんなこと言われても・・・。」彼女がうつむく。そのうつむき加減も可愛かった。でも答えは?答えが早く聞きたかった。今にも逃げ出してしまいそうなほどだったから。そして彼女がうつむいたまま言った。「でも・・・・」「女子と女子が付き合うなんて、難しいと思う。」その答えを掻き消すように、強い声で彼女に言う。「周りになんと言われようと私が守るから!絶対に守るから!」その言葉に彼女は顔を上げる。「本当に?」「ああ。絶対に守ってみせる。」彼女は微笑んで小さい声で囁く様に言う。「信じているから・・・・ね。」彼女が私の胸に飛び込んで来る。初夏の日差しが照りつける中、互いを信じた私たちは強く抱き合った。↓気に入って下さったならクリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.26
コメント(0)

全く最近のパソコンといい、携帯といい、日進月歩の進化だ。家電が大好きで良くウインドウショッピングもするし、ネットで購入するのも日常茶飯事だ。あまりに増えすぎたリモコンの数。それを一度に操れるのが学習リモコン。最近は液晶タッチで殆どのリモコンを一台に集約できる機種も出ている。そしてあるネットショップで各社対応リモコンを購入した。リビングにあるリモコンを全て学習させてみた。なかなかスムーズに記憶し、使い勝手もまだ向上するようですこしカスタマイズが面倒くさいが、値段だけする価値はあったと思う。いつも通りリモコンでテレビをつけようとすると、手を滑らせてしまい、床に落としてしまった。結構な精密機器で値段もしたから大丈夫か、と思ったがなんとか動くようだ。折角苦労してカスタマイズしたのに壊れては元も子もないからな。破損していない部分がないか確認していると、液晶ディスプレイに登録したことのないボタンがある。しまった。やっぱり落とした衝撃で壊れたか。そうこうしてリモコンを触っているうちに、見たことの無いフリーワードで入力できる項目を見つけた。慌てて取扱説明書を読んだが、そんな記述は無かった。と、いうことは落とした衝撃でリモコンが進化したのか。いや、まさかな・・・・。ものは試しで適当に入力してみた。それから生活は一転した。リモコンを使うことですべての欲求が満たされ、思いどおりになる。株価を操作し、大儲けする。土地もボタン一つで所有権が変わる。自分の欲求が満たされると今度は国を良くしてやろうと思った。地方に油田を作り、土壌の良い土地に改良した。都心は地震に強い町に作り変え、誰もが住みよい暮らしを出来るよう区画整理を施した。だがそれに対して意見や注文を言ってくる奴等がいた。せっかくこの国を良くしてやっているのに。あまりに腹が立ったので今まで封印していた人間の感情・体調までコントロール出来る機能を使うことにした。この機能で文句を言ってくる奴等を黙らせてやる。その後人々は全て言いなりに動き、意見する者も無くなった。さて、後は気に入った若い女達を集め、未来永劫酒池肉林の人生を送ればすべてが満たされる、そう思っていた。だが最後に一つ悩みを抱えていた。その悩みはかなりの難題で、この問題が収拾つけなければ、食事も喉を通らない、女も抱けない。多分夜も眠れないだろう。そうだ。このリモコンでこの難題を解決できないだろうか。今まで何でも可能にしてきたこのリモコン。不可能なんてあり得ない。そんな思いでフリーワードに入力した。「この話のオチをつけて下さい。」祈るような気持ちで転送ボタンを押した。↓気に入って下さったならクリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.25
コメント(0)

俺は昔からこの一帯では一番優れていた。あいつは東洋一だともよく噂にもなり、俺の周りには沢山の人間がいつも集まっていた。そんな時代もあったんだ言うと、俺を抜き去った奴らはせせら笑う。確かに新しい方がいいかもしれない。俺のところには人は集まらず、新しい奴らのところには常に人が集まる。俺はのっぺりとした面持ちだが、新しい奴らはインテリっぽく気障に決めてやがる。当時は高身長と目されてきたが、今となっては新しい奴らの影に隠れてお天道様も見えない始末だ。やっぱり俺みたいに古くさいのはもうダメなのか。そんな時、何十年振りかに改装をするという話が出てきた。こんな嬉しい話はない。今まで劣等感ばかりの俺だったが、これからは対等、いやあいつ等を見下ろすことさえ夢ではない。目にもの見せてくれるわ。そうだ。早くしろ。急いで急いで急ぎまくれ。1日でも早くあいつ等と立場を逆転するのだ。そのためには多少の無理は構わない。とにかく急げ!突貫工事で完成した新しいビルは装いも新たに、そして地域では再び周囲のビルを見下ろすようになった。その1ヵ月後、地域を直下型地震が襲った。結局耐震補強が足らずに改修したてのビルは崩壊した。急がば回れ、とはよく言ったものだ。↓気に入って下さったならクリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.25
コメント(0)

ある山奥から出てきた高校が甲子園で旋風を巻き起こしていた。選抜ということで秋の地方大会の成績により出場できるのだが、チームの選手達は特にこれといって特徴も無く、高校に入ってから野球を始める部員も多かった。9人しかいない部員。素人の監督。ただ、秋の地方大会の記事や映像が全く無く、謎のチームであり、初出場ということもあって多少の注目はあったが、初戦敗退という記事を書かれることは誰もが疑うことはなかった。甲子園に衝撃が奔ったのは第5日目。第一試合だった。緊張の面持ちでグラウンドに立つ選手たち。相手は甲子園の出場十数回を誇る常連校。その体格と雰囲気。誰が見てもどちらが勝利するかは手に取るように分かった。案の定、試合は序盤から一方的な試合。なぜこんなチームが甲子園に出られるのか。観客の大多数はそう思っていただろう。やっと相手の攻撃が終わると、選手たちも疲れた様子でベンチへ倒れこむように座る。主将が選手みんなを励ます。「みんな、頑張ろう。応援団が来るまでの辛抱だ。」「主将、このままじゃやばいですよ。でも、なぜ来ないんですか?」チームの応援団が渋滞か何かに巻き込まれて球場到着が遅れていたのだ。「わからない。とにかく時間を稼げ。応援団が来るまで。」序盤は大量得点を入れられていたが、回を追うごとにチームの士気は高まっていた。応援団がアルプス席に少しずつ到着していたからだ。その応援というのは・・・はっきり言ってひどい。ブラスバンドは音を外しまくり、攻撃時の演奏と声が全く会ってない。しかし、この応援がグラウンドの選手にはとても心地よく、相手側選手にはこの上ない苦痛だったのだ。まだ応援団は完全に到着していない。これでアルプスが全て埋まったら・・・。そしてその恐怖の応援が終盤に掛けて相手を少しずつ蝕んでいた。序盤の負けムードが嘘のようだ。応援団がアルプスを埋め尽くすころ、9人しかいないチームはなんと同点に追いつき、更に応援団の力が入る。100%の応援団はそれはそれはすさまじいものだった。攻撃時には相手のビーンボールを誘い、エラーも絡む。ピッチャーの棒球はバッティングセンターの様にボールが飛ぶ。相手の攻撃時もバッターは気分が悪くなるので、打つどころではない。三振を取られ、ベンチに帰る間に倒れこみ担架で運ばれる者も。その応援は相手だけではなく、球場の関係者全てを巻き込んでいた。応援団のいるこのチームに対して、対策はもはや不可能だった。そして試合が終わり、校歌斉唱が行なわれる。耳を塞いでも聞こえてくるおぞましい程の音痴。ある者は嘔吐し、ある者は昏倒し、球場全体が阿鼻叫喚と化した。校歌を清々しく歌い終えた9人の選手たち。初戦を突破できたことを感謝するためにアルプス席の前へ颯爽と走っていった。さぁ、次は2回戦だ。甲子園に新たな旋風が巻き起こるのは間違いなかった。↓気に入って下さったならクリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.24
コメント(2)

あたし、この前からバイトしているんだけどぉ。それがさぁ、占い師なんだよねぇ。未経験者OKでぇ、結構時給もよかったし、楽そうじゃない?それで少しタロットの勉強をしてから面接うけたらすぐ採用になって。その日からぶっつけでやってみたんだ。適当に雰囲気出して占えば大丈夫だと思って。そしたらさぁ、これが結構当たっちゃうんだぁ。昔から霊感っていうか六感っていうのが、強かったからぁ。バイトだけどすぐにその店のNO.1占い師まで上り詰めちゃったんだ。で、評判が口コミですぐに広まっちゃってぇ。会社の社長とか会長とかもあたしに占って欲しいって言うんだよねぇ。忙しくて遊びに行く時間もないよ。で、そのうちお国の人も来てさぁ。もう、まいっちゃった。しかたないからバイトは辞めてお国の元で働くことにしたの。でもぉ、結構お国の仕事ってきついんだよね。なにがきついかってぇ、国家機密っていうの?なんか人に話しちゃいけないことがあるらしくて。もう、ストレス溜まりまくりぃ!あまりに欲求不満だったからぁ、困らせてやれぇ!と思ってぇ、「他国からミサイルが発射されますぅ。」って嘘ついてやったのぉ。そしたらぁ、お国の人大騒ぎ。みーんな右往左往。面白かったぁ。もう占い師なんて辞めてやるって思ってたからぁ。ドッキリ大成功!・・・ってなる筈だったんだよねぇ。そしたらぁ。本当に発射されちゃってぇ。ビックリしたよぉ。だから今あたし専用機で違う国に避難する途中なんだぁ。あと1時間くらいで着弾するらしいけどぉ。あんまり人に喋っちゃいけないって言われていたからぁ。ゴメンねぇ。またメールするからぁ。↓気に入って下さったならクリックして下さい!私の書く力がUP↑します!
2007.03.24
コメント(0)

「はい、こちら消費者センターです。」「おい、これはどうなっているんだ!」いきなり声を荒げる男の声。昨日と同じ男の声だ。今日は一体なんだと言うのか。「おまえの所の商品なぁ、絶対におかしいぞ!」気が動転しているのか、興奮が冷め遣らないのか、言っている意味がさっぱりわからない。「お客様、ちょっと落ち着いてください。」「これが落ち着いていられるかってんだ!鋏(はさみ)がいるじゃねえか!」時間は昼休みの昼食時だ。車道に近い携帯から掛けているのだろうか。車の音がやけにうるさかった。「おまえ等のために買った鋏の代金、どうしてくれんだ!」「でもそれはお客様自身で買われた物ですので・・・。」「なら俺が間違っているのか?それならこっちだって出るトコ出てやるぞ!」まただ。昨日も同じ脅し文句を言われたのだ。「お客様のご意見は承りました。 また商品開発部の方に連絡しておきますので・・・」「鋏の代金はどうするんだ!おまえじゃ話にならん。上司を呼べ!」仕方なく電話を保留にし、上司に相談した。「すみません。今日も男から抗議の電話です。」「また今日もか?」男はマジックカットが開かないので鋏を購入することになったことに腹を立て電話を掛けてきたという。昨日は“当社比”でのクレームだったし・・・。上司は気が重たいまま保留中の電話を取った。↓いずれか一つをクリックして下さい!私の書く力がUP↑します。
2007.03.23
コメント(0)

「なにを言っているんだ!」ある会社の事務所で社長は激怒した。原因は僕が仕事をやめて独立したいと宣言したからだ。もともと小さい会社だ。社長も現場に一緒について来ることもある。しかし職人気質の社長はその度に横槍を入れたり、やり方が違う、など文句を何度も言う。そのくせ失敗すると「お前のせいだ」などと罵る。結局その後始末をするのも僕がするわけだが、意外と一人でやる仕事はスムーズに進むものだ。この仕事は向いているはずだと自負はしている。しかし、上司との性格が合わない、人間関係に悩むというのはどこの会社でもあることだろう。それが原因で鬱になってしまうことも。その真っ只中なのが僕だった。「独立するといっても仕事は取ってこないと出来ないだろ! 営業の仕事がどれだけ大変か分かって言っているのか!」そうだ。零細企業の営業は社長が自ら仕事をとって来る。その大変さは知っている。でも僕だって知り合いから仕事を貰った経験があるし、パソコンも出来るからインターネットで顧客を獲得することも可能だ。現にサイトを立ち上げてみた所、訪問客は想像以上に多かった。その裏づけがあったからこそ、独立を宣言したのだ。「家族はどうするんだ!お前この間可愛い娘が 生まれた所じゃないのか!路頭に迷う気か!」分かっている。だから妻にも色々相談した。鬱状態も告白した。もっといい会社があるはずよ、独立の道もあるじゃない、と応援してくれた。妻の後押しがあったからこそ、こうやって話をつけに来ているんじゃないか。しかしそんなことは社長には只の言い訳にしか聞こえなかった。この業界にはお礼奉公といって、独立前の1年間は無給で仕事をし、今まで仕事を教えてくれた恩を返すのが慣例だ。でも今の社会はスピードが命だ。1年も待っていたのではネットで顧客を獲得するのも難しくなるだろう。今まで仕事で散々折れてきた僕だが、独立すると宣言した以上、もう引き下がるわけにはいかなかった。「お前、いい加減にしろ!」今まで激怒しながら交渉してきた社長も堪忍袋の尾が切れたのか、僕の頭に銃口を突きつけてきた。思った通りの展開だ。この光景を予測していた僕も銃を突きつけられると同時に社長に銃口を向けていた。時間が止まる。しかしお互い銃を突きつけた状態は、社長が引くことで幕を閉じた。社長とこの話をする直前に実弾の入って無い銃とすり替えておいたのだ。「勝手にしろ。」社長は銃を机に置き席を立った。僕も銃を胸にしまう。「本当はお前に会社を次いで欲しかったのだがな・・・」「社長・・・。」背を向けた社長が最初で最後の本音を語った。「もう、お前は1人前だ。でもな、社会は冷たいぞ。 もしどうしても仕事がなければ、戻ってきてもいいんだからな。」そう言った社長の表情は見えなかった。「長い間、お世話になりました!」席を立った僕は深々とお辞儀をして事務所を後にした。黒いアタッシュケースを片手に、サングラスを掛ける。実はこの後一件仕事を引き受けている。外の冷たい風がやけに身に染みた。↓いずれか一つをクリックして下さい!私の書く力がUP↑します。
2007.03.22
コメント(0)

あるところに冴えない男がいた。その男は何をやっても今ひとつで、勉強・運動・人間関係全てにおいて合格点は無かった。男は悩んではいたが、真剣に悩むことさえも中途半端だった。男がいつものコンビニ弁当を買った帰り、その占い師はいた。「冴えない人生、占います」その貼り紙に釣られたのか、男は気づくと占い師の前に座っていた。ありきたりの水晶玉を前に占い師は言った。「人生冴えない方、ようこそいらっしゃいました。」「この人生、どうにかなりませんか。」「では料金をお支払いください。先払いですので。」そういって占い師は料金表を差し出した。-占いたいコースと占いの種類を選択可能です。-(コース)仕事運コース・・・1000円恋愛運コース・・・1500円人生運コース・・・2000円金銭運コース・・・2500円結婚運コース・・・3000円(種類)12星座占い・13星座占い・動物占い・タロット占い・風水・四柱推命・抽選・水晶玉。※いずれも料金UPはなし。男は人生を占って貰いたかったので人生運コースを選択したが、種類は何でも良かった。目の前に水晶玉が気になったので、人生運・水晶玉で御願いし、2000円支払った。占い師が水晶玉に手を翳す。・・・・「人生初心者という結果が出ました。」人生が初心者?男は首を傾げた。意味がまるでわからない。「あなたはまだ人間になって間もないのです。だから不器用なのです。」そういえば昔どこかで聞いた。前世は動物とかなんとか。「人間であるあなたの経験が只足りないのです。 不器用である以上、あなたは冴えない人生を送るでしょう。」占い師はそれ以上答えてくれなかった。でもなんとなく言っていることはわかった。前世もその前もずっと男は人間ではなく、違う生物だったのだと。しかしこうやって生きている以上、冴える人生でありたい。男はお金を払ってもう一度占ってもらうことにした。今度は仕事運コース。種類は・・・どうでもよかった。しかし、抽選という言葉が妙に気に掛かった。「あのう、抽選ってどんな占いですか?」「プロ野球のドラフトみたいなものですよ。」男はまた首を傾げた。しかしまたすぐにわかった。ドラフト会議で抽選の時には彼らの運命はすべてその箱の中に委ねられていたと。しかしそれをここで・・・?「察しがいいですね。この箱があなたの運命を占います。」そういって小さな箱を取り出した。「この箱に運命を託すのです。」たしかにドラフトでの箱も別に普通の箱のはずだ。ならこの箱だって今後の人生を決める箱なのかもしれない。男は黙って箱に手を入れ、取り出した。恐る恐る、しかし期待をもって男は折れた紙の中身を見た。「冴えない短編小説家」(この話はフィクションです。)↓いずれか一つをクリックして下さい!私の書く力がUP↑します。
2007.03.21
コメント(1)
全63件 (63件中 1-50件目)

![]()
![]()