ヘナヘナライター 生態日記

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加藤美保

加藤美保

2004.05.15
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台北にはMRT(地下鉄)が走っている。今から15年前の台北には、MRTはなかった。だから、台北の交通手段は、市バスかタクシー、及び徒歩しかなかった。台北の街を網の目のように走る市バスは、運賃も安く、確かに便利な乗り物ではあるけれど、中国語を話せない人間にとってはなかなかデンジャラスな乗り物でもある。15年前、この市バスを頻繁に利用しつつも、たまに目的のバス停を間違って、ワケのわからない街で降りて途方に暮れていた思い出がある。
対して、今回の旅行では、MRTを徹底的に利用した。MRTなら、駅を間違うことはがない。安心して利用できる。
ところが、思いもかけない問題が発生(笑)。台湾のMRT改札機は、無人改札でバーを押して出たり入ったり旧式(?)タイプなのだが、実は、私はこのバーと相性が悪く、なぜかトークンを入れてバーを押しても「エラー」。一度など、円山駅でトークンが無効になって、有人改札機から出るハメになった。これにウケまくっていたのが、夫と娘である。普段エラそうにしている母であり妻である私が、バー改札ごときでてこづっているのがよほど面白かったらしく、娘など、MRTの改札を私が通るのを旅行にいちばんの楽しみにしていたほど。
なんでも、MRTの改札は、「あわてて通ろうとすると、バーのロック解除が間に合わないときがある」(旅々台北より)代物らしい。つまり、私がMRTの改札を通り過ぎる対ミンクが早すぎるらしいのだ(これは帰国して後日わかった)。みんなが何気にできているこのタイミングが、うまく取れない。3回に2回はうまく通れず、私だけがMRTの改札で引っかかかり、娘と夫に笑われていたのだった。

今回の旅行で、初めて台湾国鉄に乗ったのは、「饒河街観光夜市」に行くとき。「饒河街観光夜市」の最寄り駅「松山駅」は、台北からひとつめにある。ところが、私たちが、饒河街観光夜市に行く日、松山駅を通る電車が30分ほど送れて到着した。はっきり言って、海外の電車は遅れて到着するのが普通、たまに、早めに到着するなんて、オチャメなこともしてくれる(笑)。私はこういう状況に慣れているが、夫は海外旅行初体験。電車が、大きな事故があったとかそういう理由以外で何気なく遅れてくるということに全く慣れていない。彼は、目的の電車が台北駅に到着するまで、ソワソワイライラしていた(笑)。
松山駅を通る電車は、かなり古いタイプの電車だった。私が15年前に乗車した頃と同じような感じだ。電車に乗車した時間も遅かったので、夜の台湾の街を走る古いタイプを電車に揺られながら、私が時間が15年ほどさかのぼったような、そんな不思議な気持ちがしていた。

ところで、今回の旅行中でバスを利用したのは、たった1回のみであった。15年前の旅行では、主要交通手段はバスだったが、さすがに娘連れでわけのわからないことになるのは避けたかったらしく(我ながら)、台湾旅行慣れした旅行6日目で、初めて台北の市バスに乗った。MRT士林駅からタクシーを使う距離にある「中国電影文化城」から台北駅に行った。タクシーとMRTを利用すると、総額160元程度かかるところ、市バスを利用すれば、総額30元程度で台北駅に行くことができる。しかも、市バスの場合、中国電影文化城」の目の前に停留所があるので、便利なことこのうえない。15年前、私がリスクを背負いながらもバスを盛んに利用していたのは、ある意味当然だろう。

ところで、夫は台湾のバス初利用でも、目がソワソワ空を泳いでいた。そりゃ当然である。全て中国語でアナウンスされる停車駅はワケわかんないわけだから、自分が一体今、どこにいるのか? どこに向かっているのか? それが不明なまま行動するのは初体験なワケで、不安になるのは当然だろう。ところが、横を向けば、嫁がノンキな顔をしてのんびり座っている。「こいつは一体どうするつもりなんだ!?」と声を大にして叫び出したかったに違いない。
ゴメンね、私はこういうワケのわかんない状況に慣れているの。「停留所がわからない」なんて、よくあることなのよー(笑)。でも、焦る夫を横目で盗み見ながら、「私が初めて海外旅行したときもあんな感じだったよなー」なんて、思い出していた。


目をサラのようにして、バスの窓から見える風景を凝視していた夫は、自分の見知った風景を見つけて叫び声を上げた。
「ココで降りよう!」
はい、仰せのままに。

無事に、市バスに乗って「中国電影文化城」から台北駅に到着することができた。

繰り返しになるが、夫は海外旅行があまり好きでないらしい。というか、旅行そのものにあまり興味を覚えないらしい。それなのに、台湾なんて興味も縁も縁もない国に、なぜか「自由旅行」などという方法で連れてこられ、ものすごいストレスに晒されている。全て、私の旅行のやり方に合わせてくれたからだ。

私は、心の中で、今回の旅行に付き合ってくれた夫に、心からお礼を言った。

「さんきゅー夫!」





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Last updated  2004.05.16 03:33:28
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