ヘナヘナライター 生態日記

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加藤美保

加藤美保

2006.08.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類

「シルクロードに行きたい」と思ったのは20歳前後のときだ。

ご多分にもれずNHK特集の『シルクロード』を観てから、かの地に憧れ始めた。
喜多郎の奏でるあのあまりにも有名なテーマ曲が流れる中、タクラマカン砂漠をひた走るジープの映像を観たとき、「あそこにこの足で立ってみたい。実際にこの目で見てみたい」という思いに取り付かれたのだ。

いや、もっと正直に言うと、高校の卒業文集でクラスメートが書いた一節が心に残って、それに触発されたのかもしれない。その同級生は、「私はシルクロードに絶対に行く!」と文集の中で宣言していた。そんな同級生の強い思いに心打たれたところがあったように思う。共感したというか、私の思いを代弁してくれたというべきか。
その後、彼女がこの夢を果たしたのか確かめる術は今のところない。その人とは、特に親しい間柄ではなかった上に、私は高校の同窓会というものに参加したことがないからだ。

18年前に初めて中国を旅行したときも、当然、シルクロードまで足を伸ばしたかったが、さまざまな事情で諦めた。今回の旅行では、そのとき果たせなかった思いを18年後に実現したことになる。


西安から飛行機で2時間半。敦煌は、砂漠の真っ只中にあるオアシスだ。

飛行場から飛行場にピンポイントで移動してしまうと、自分が今、砂漠の真っ只中にいるということを認識しにくい。しかし、一歩敦煌を離れてみると、そこがやはり砂漠の真っ只中であることに気がつく。



敦煌太陽大飯店を出発してからわずか20分程度で、すでにクルマの外の景色は様変わりする。
どこを見渡しても、砂、砂、砂。荒涼とした砂漠の中を一方の道が果てしなく続いているのだ。

私の隣で夫が、「スゴい景色だな…」と呟いた。

行けども行けども、砂漠が続く。それはまるで永遠に途切れることがないように。
砂漠の向こうに見える山脈のシルエットは、あの天山山脈だという。

突然、運転手が日本語で「しんきろう」と言った。

それは、生まれた始めて見た蜃気楼。はっきり見えるこの光景が幻であるなんて、実際に目にしているだけに信じがたいものがある。

今回の旅行で私がいちばん感動したもの。それは、遺跡でもなく絵でもなく土器でもなく仏像でも歴史的建物でもなく、「砂漠」だった。

私がいちばん観たかったのは砂漠だった。
タクラマカン砂漠をこの足で歩いてみたかったのだ。






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Last updated  2006.09.02 02:39:05 コメント(4) | コメントを書く


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