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車筆太

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2005年12月19日
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カテゴリ: 書籍
 雪が深まるどころか、40年振りだかの記録的な大雪らしく、大変なことになってますな。1日あたりの降雪量としては名古屋市内では過去最高とのこと。昼間のうちに舗道の雪は大分溶けたものの、明日の朝は寒さが厳しいようで、ツルツル滑ることは確実なわけで、特に気をつけねばならないだろう。
 ほんの少しの段差に注意を向けることは、実は重要なことのようで、『 五感喪失 』の中で 山下柚実 が述べていたように、失われゆく五感に揺さぶりをかけ目覚めさせる役割をなすのではないだろうか。五感の回復は、「リアリティ」の問題とも大きく関わることであるし、心霊写真のところでも触れた「ある種の手触り」とも関係するはずである。

                 閑話休題

消えたマンガ雑誌

 マンガは単価が安い。発行部数と売り上げの規模を、出版産業全体のなかで比較してみると良く分かる。マンガの単価が安くなっていく経緯はマンガの歴史とも大きく関わっていて、『 貸本屋のぼくはマンガに夢中だった 』などで書かれているように、月刊誌、貸し本、そして週刊誌へという社会・経済とも相俟った流れを掴むためにも有効である。

 なかでも、マンガ雑誌は「 読み捨て 猛者 もいるけれど。)。
 そんな中、「現代マンガの中で主要な部分を押さえ」てマンガ雑誌について語ったのが、本書『 消えたマンガ雑誌 』である。触れられているのは、少年・少女マンガ誌、ギャグまんが誌から青年誌、レディコミと広範囲に及ぶ。実際、知らない雑誌が多く、分野別にみると、興味の範囲外の分野は全く知らないものも多い。

 さて、個人的な蒐集の一つに40年代の青年誌なので、当然気にかかるところだが、その辺りの情報量は少ない。実は、全体的にみても、「広く浅く」と言う編集方針のためか、紹介に主眼を置いているために、狭い分野を除くと少しばかり物足りなさを感じる。それでも、研究の方向性を示した功績はあるのではないか。

 他には、70年代ホラーブームを引き継ぐ形の80年代半ばのホラーマンガ専門誌の乱立期を俯瞰し、「 ホラーのオシャレ化 」を指摘する章は興味深く、貸し本、単行本の流れと比較してみると面白いかもしれない。

 また、専門ジャンルマンガ(スポーツ4コマ誌、ペットマンガ誌、釣りマンガ誌など)のところでも少しだけ触れられているポスト麻雀マンガ誌としてのパチンコ誌までの流れを、娯楽の変容とともに見ていくのもいいかもしれない(この分野は単行本になることが少なく、書き下ろし単行本という形式で世に出ることもある。)。麻雀マンガはそのお手軽さからか珍作も多い。ここでは紹介されていないが、ギャンブル全般を扱った『 ギャンブル王国 』『 ギャンブル劇画 』なんて雑誌もある。未読であるが、業界紙のマンガなど一般流通には乗らないマンガを集めた『 本屋にはないマンガ 』もあるから、この分野の拡がりは期待できそうである。











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最終更新日  2005年12月19日 23時16分02秒
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