レ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』(執筆時期はブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』より早い)以来、ユニバーサルの『女ドラキュラ』、ハマーの『バンパイア・ラヴァーズ』(続編が『恐怖の吸血美女』『ドラキュラ血のしたたり』)、女吸血鬼の造型が凄まじいAIPの『怪人女ドラキュラ』(原題:Blood of Dracula)、最近『女ヴァンパイア カーミラ』の名でDVD化された『CRYPT OF THE VAMPIRE』、何故かDVD化されないロジェ・ヴァディム監督によるゴシック・ホラー『血とバラ』、原題に“LIVING DEAD”が入っていたためにゾンビ+バンパイアでいいかとヒドイ邦題にされた『ゾンパイア』、M・バーヴァの初監督にして傑作『血ぬられた墓標』etc、女吸血映画は数多いけれど、その特色はエロチシズム(特にレズビアン的な)、ハマーホラーに特徴的な色彩やアクションホラーとは対極のゴシック趣味だと思う。 その意味では、今回の女吸血鬼は、子供向け番組としては健闘したほうだろう。 「女性バイオリニストばかりを狙う」だとか(早々にローレライ伝説みたいに男を襲っているけれど)、襲う際の雰囲気づくりだとか、レズビアン的な要素や幻想的な雰囲気を醸し出そうとはしている。