りじょん

2005.01.12
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銀魂編15




「レディを待たせるなんて最低アルよ、この眼鏡!!」


 近隣界隈まで響き渡る、特徴的な語尾の誹謗中傷。
 侮辱罪に引っかからないか不安になるほど、口調は荒い。

「あーごめんごめんすぐ行くから!」

 新八は慣れた様子で、適当にあしらう。
 手にしていたらしい袋を懐に忍ばせ、

「えっと、じゃあ済みませんが姉上、それから山崎さん、僕はここで失礼を――、」

 がっつり。

 頭を下げようとした新八は、腕の重みに固まった。

 にこにこにこにこ…

 笑っているお妙さん。

 にこにこにこにこ…

 こちらも、笑っている、翠さん。
 新八の腕を、堅く握り締めている様は、ちょっとそういう類の妖怪にも見える。

「……あの、何ですか、この腕」

 新八は、おそるおそる聞いてみた。

「左腕です!」

 にっこりと即答する翠さん。

「見れば判るよそんなこたァ! じゃなくて、何で僕の腕握ってんですか!?」

「わーい新八につっこまれたー」

「聞けよ人の話!」

 新八は、相手が真撰組の人間であることも忘れ、声を張り上げた。

「本当もう、あの子怒らすと僕が大変なんですから! え? 何!?」

 手招きをする翠さんに、一応、耳を寄せる。

 ふきこまれた言葉は。

「……はぁぁぁぁ!?」

「いやあ、はっは」

「えぇぇぇぇぇぇ!?」

「いいじゃない新ちゃん、お世話になった方だし」

「あぁぁぁぁぁ…」

 やっちまった、という顔で、新八はうなだれた。
 仕方ない。
 巻きこまれキャラの運命である。


「何してるアルか!!」

 遂に塀を乗り越えて進入してきた相手に、翠さんは、にへらと手を振った。

「どうも、お世話になりまっす!」

 赤いチャイナ服に、淡い桃色の髪の少女。
 右手に日傘。
 左手には、自身の乗っている、巨大な犬の毛――

 そんな彼女、神楽は、きょとんとした。

「誰、この人?」

 聞かれて、新八は嘆息した。

「真撰組の新しい人。町案内してほしいんだってさ」

「宜しくお願いしまっす!!」

 とどめに深く笑みを刻む翠さん。

 新八は、そんな彼女と神楽と、ついでに姉上を見渡して、一波乱起こりそうな予感に、なんだか泣きたくなった。





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Last updated  2020.01.18 18:17:24


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