お人形さんになっている私に彼も気づいていたらしく、
私が黙っていると怒った。
何か喋れ、と。
だけど口を開くとどんなことで彼の機嫌を損ねるか怖くて仕方のない私は、
簡単に今日バイト先であったことを話すようになっていた。
あったことを話すというのは、確かに喋ってるけど、
単なる「報告」に過ぎない。
自分の思ってることなどは話していない。
だけど相手は「いっぱい会話をしてる」という気になる。
これは昔からの私のやり方だった。
本当はいろいろ思うことや好きなこと、考えてることなんかを話したり、
クセを見つけたり、そんなことで相手のことがわかっていくものだけど、
たとえ内容が報告であっても、しょっちゅう喋っていると、
相手が自分に心を開いてくれてるような気になってしまう。
後で考えてみたら、相手のことがな~んにもわかってないと気づいたり。
特に当時の私は感情や考えがなくなっていたので、
「こないだ、こんなことがあって面白かった」とか、
「この映画がおもしろそうだから観たい」とか、
何にも話すことがなかった。
だから「今日はこんなことがあった」という「報告」を話すのだけど、
彼はそれで満足そうだった。
ただポイントがあって、「報告」は楽しそうに話すこと!
そうすれば彼は機嫌よくいるから、殴られることが減るし。
彼も自分でわかっていたんだろう。
暴力を振るうことで私たちがおかしくなっていくことを。
だけど、それを止められない自分。
そんな自分を黙って受け入れている私が、
どんどん壊れていっていることを。
自分の好きにしても一緒にいてくれる私を失いたくないのは当たり前だ。
楽だもん。
それに、両親や周りには自分が本当に思うことを言えなくても
当時の私は感情がなく黙って聞いてくれるし、
自分が絶対優位でいられるから、
自分を保つために、私のような全てを受け入れる存在が必要だった。
このままだと私がなくなるかもしれない。
だから、私が黙るようになっておかしいと気づいた彼は、
私に話をさせて、ただ自分の話を聞いて頷くだけでなく、
私のことも話させて、会話をしてると思いたかったんだろう。
怒って殴りながらも「何か言え!」と結構言われたように思う。
「思ってることを言え!」って言われたけど、
何も思ってなかったし、仮に「やめて!」と言ったとしても、
暴力がひどくなるだけだったろう。
付き合ってる最後の方に自分の思考を取り戻した私は、
なんとかおかしくなった関係を修復してやり直せないかと思い、
「やめて!」と言ってみたけど、
やっぱり「俺に歯向かうのか!」と、めっちゃ殴られたし(^_^;)
元彼よ、お前一体何がしたかったんだ?
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