ヘイフリックの限界part2

ヘイフリックの限界part2

2023.02.16
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和白干潟。2023.2.16.





文春で「日本の親子100人」というのを拾い読みしたが、北杜夫親子は笑えた。娘の斉藤由香が、ぼろくそに父親をやっつけている。中学生のころ「楡家の人びと」「どくとるマンボウ航海記」などに毒されたものにとっては、妙に北杜夫のいまの腑抜けたところが、懐かしい思いがする。少なくとも、醜悪をばら撒いている作家たちよりは、正直な人間なのだろう。


日本人が、自分の親を語る時、いまや親子の絆は切れてしまった夏の暑さ鬱陶しい襟元の残り香でしかない。もしそうでないなら世間に対する親子の衒いでしかない。


「家」を残そうとするアンシャン・レジュームがあったとしても、中国の「弟妹」思想の家族は、日本でははじめからないのかも知れない。日本の「親子」とは、「母子関係」はあっても、「父子関係」は希薄でしかない。


多くの親たちが、自分の生き方に自信を喪失している。そして子育てを放棄した「親子」たちが、家族という「絆」を失いつつあるだろう。それが意味するものが何なのか、最近の自殺や、孤独死、家族崩壊にみられる現象につながってもいるだろう。


個人主義が、ひとびとを切り離して行っている。個人主義に欠かせない自立するという訓練を経由しないで社会に放り出された子供たちがやがて、結婚し、利己的な親になりつつあるのではないだろうか。





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最終更新日  2023.02.16 10:13:31
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