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NHKのSONGSスペシャル「井上陽水 × 玉置浩二 安全地帯」を見た。いろんな見所・聴きどころのある番組だった。30数年前、玉置浩二&安全地帯は井上陽水のバックバンドに抜擢されて活動開始。それが縁で陽水&玉置のコラボによるヒット曲「ワインレッドの心」が生まれ、メジャーデビューを果たした。なので玉置浩二にとって井上陽水は恩人だ。番組ではその曲作りの裏話が明かされたのだが、これが意外なものだった。玉置浩二の曲に付けられた陽水の最初の詞は、例えばBメロは「ブタのような女と・・・」。そしてサビは、「愛なんて恋なんてし飽きただけさ・・・」。出来上がった詞とはかけ離れたもの。当時大スターだった陽水に、玉置は泣きながら3回ダメ出しをしたのだそうだ。それに対して陽水は、「最初、ふざけて作っていた・・・」だって。さすが天才・井上陽水。「『もっと・・・』という出だしは意外だった。」と玉置。確かにそうだよね。しかも「ワインレッドの心」というタイトルも新鮮だ。メロディーももちろんだが、この歌詞ゆえにヒットしたと言ってもいいだろう。番組では、2人がそれぞれに曲をソロで歌っていく。陽水は「最後のニュース」、「Just Fit」。玉置浩二は「悲しみにさよなら」、「しあわせのランプ」。そしてトリは2人の共演による「夏の終わりのハーモニー」。31年ぶりの共演だそうだ。NHKスタッフが持ちかけ2人から快諾を受けたそうだ。あっぱれ、NHK!この曲も2人の競作。私も歌好きとよくカラオケでハモった。主旋律より低いメロディーでハモるのが新鮮な名曲。低いメロディーでハモる曲ってあまりないんだよね。サザンオールスターズの「TSUNAMI」くらい。2人は、掲写真のように楽しそうに、またしみじみと歌い上げた。そこにはスターとデビューしたてのミュージシャンという31年前の姿はなく、ずっと音楽という浮き沈みの激しい世界で生き抜いてきた同志の2人が立っていた。感動的な共演だった。井上陽水・69歳。玉置浩二・59歳。しぶとく旬を歩むミュージシャンだ。最後に一句。 「 しみじみと 冬の初めの ハーモニー 」
2017.11.18
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ピアニストであり指揮者のサー・アンドラーシュ・シフのコンサートに行った。ハンガリー生まれの66歳。2014年に英国エリザベス女王からナイト爵位を授与されたので、サーなのである。偉いのである。彼が率いるオーケストラはカペラ・アンドレア・バルカ。総勢40人あまり。シフが直々に依頼したそうそうたる演奏家の集団。ソリストや世界的な演奏家ばかりだ。シフの妻であるバイオリニスト塩川悠子さんもメンバーの一人。古楽系室内楽の演奏家が中心のようだ。サー・アンドラーシュ・シフを生で聴くのは初めてだった。上野の東京文化会館大ホールはほぼ満席。クラシック愛好家、特にバロック音楽、古典派音楽の好きな人が集まっているのだろう。演目は、まずノンストップで、バッハの「音楽の捧げ物」の6声のリチェルカーレとモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」。事前の場内アナウンスは、バッハの後そのまま「ジュピター」を開始するので拍手は控えてほしいと告げた。ちょっと珍しい。どういう意図があって続けて演奏するのか、その意図をシフさんに聞いてみたかった。小規模オケなので、3階席の私の耳に届くのは割とおとなしい音量。でも大規模オケと違って楽器1つ1つの音色が粒だって生々しく聴こえ面白かった。そして休憩を挟んでのメインディッシュは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」。サー・アンドラーシュ・シフが指揮とピアノの両方を担当。いわゆる「弾き振り」だ。そういえば、一度ダニエル・バレンボイムの弾き振りを聴いたことがある。9日に渡るブルックナーの交響曲全曲演奏会で、割と短い演奏時間の交響曲の演奏日に、前座的にモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏したのだ。その時のバレンボイムの弾き振りは、ピアノを弾きながら楽員を見て指揮もできるようにグランド・ピアノを通常の向きから時計反対回りに90度回転させて行なっていた。なのでバレンボイムは終始座ったままでよかった。しかしこの日のピアノは、指揮者とピアニストがいる協奏曲の通常の向きに置かれていた。さあ、シフさんはどのような弾き振りを見せてくれるのだろうか?ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の第1楽章の冒頭は、オケとピアノがほぼ同時に演奏を始めるので、シフはピアノの前に座り、両手を上げて演奏開始を伝えると同時にピアノを弾き始めた。この調子でこのまま弾き振りをするのかと思っていたら、オケとピアノによる序奏が終わり、オケ演奏による旋律の提示部分に入ると同時に、シフさん、突然椅子から立ち上がってピアノから離れ、楽員に向き直ってオーバーアクションで指揮を始めた。へえ、こりゃ面白い。こんな弾き振りは初めて見た!ピアノ演奏が指揮者的になり、やや正しいリズムを強調しすぎている感が否めない部分もあったが、音だけでなく視覚的にも楽しめるコンサートだった。アンコールも弾き振り。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番の第2楽章だった。来年は、ベートーヴェンの生誕250年のメモリアル・イヤー。シフさんによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲弾き振りコンサートがあったら、行って聴いてみたいな。見てみたいな。最後に一句。 「 立冬や 横浜マラソン 迫りたり 」
2019.11.08
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