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2019.02.20
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カテゴリ: 音楽





開場は東フィルのホームグラウンドの東京オペラシティ。席は、いつもの指揮者を対面で観察できる2階席。

チョン・ミョンフンの指揮を聴くのは去年10月の姉チョン・キョンファとの共演以来だ。
この日はマーラーの交響曲第9番の1曲のみ。
開演の20~30分前に会場に着くと、当日券売り場に長い列ができていた。同じ曲を先週サントリーホール、オーチャードホールで演奏し、それが評判上々だったのを聞きつけたて来たのだろう。期待感が高まる。

チョン・ミョンフンは、黒いTシャツに黒いスーツ上下。それにバックスキンの黒い靴といういつものいで立ちで指揮台に上がった。譜面台はない。暗譜でこの大曲を指揮するのだ。
そして、マーラーが死ぬ前年に、娘の死や妻アルマの浮気、そして自らの心臓病などにさいなまれながら書き上げた大傑作の演奏が始まった。

いつもの省エネ型のチョンの指揮棒のわずかな動きにもオケがきっちりと反応していく。マーラーが絶望の中で「死」に憧れているような音楽だ。これまでの生きてきた日々をいつくしんでいるようにも聴こえる。 いやあ、素晴らしい。 名曲はナマで聴くに限る。もちろんいい演奏でなきゃだめだけど。



ユーモラスな第2楽章から打って変わって厳しく激しい第3楽章。迫力のある見事な演奏だった。

最終楽章に入る前、チョン・ミョンフンは痛そうな表情でしきりに左手の親指をさすっていた。どうしたのだろう?捻挫でもしたのかなあ・・・。

第4楽章。 ホルンやファゴット、チェロ、ビオラ、ヴァイオリンなどのソロ演奏が随所に出てくるが、すべての奏者が見事な演奏を披露していく。
そしてマーラーが楽譜に「死にゆくように」と書き入れた 最後の部分は、
弦楽器が消え入るようにフェイドアウト。
演奏が終わって30~40秒くらいたっただろうか、チョン・ミョンフンが指揮棒から力をゆるめ手を下げた瞬間、会場から 拍手が 湧き起こりブラヴォーの声が上がった。
いやあ、素晴らしかった。演奏時間85分に及ぶ長大な傑作はこうしてジ・エンド。
チョンはソロなどをノー・ミスで演奏した楽員人一人一人を立たせ聴衆に紹介した。そしてポーカーフェイスでステージから去った。カッコイイ。

チョン・ミョンフンと東フィルのコンビが増々気に入った。そして天才マーラーに感謝。

最後に一句。  「  春雨や   死にゆくように   止みにけり  」





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最終更新日  2019.02.21 17:25:39
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