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マシュー・ヴォーン監督作品,マーク・ミラーとジョン・ロミータ・jr原作の「キック・アス」。そしてその続編「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」の二本ともアマゾンプライムで鑑賞しました。原作は,ウォッチメンのように,コミックスが描くヒーローについて疑問を呈し,リアルとフィクションの垣根を考えさせるようですが(本稿時点で未読。読んでみたいと思います),映画はもう少しエンターテイメント寄りになっていると思います。両方とも面白かったのですが,話の作りや構成では第1作目の方が良く出来ていると思います。2作目もところどころの部分では面白いところはあるのですが,全体を通してみるともう少し調理を変えればもっと面白くなるのではないか,という感覚がついて回りました。ちょっとグロいですが,コミックの映画化作品が好きな方にはオススメできる作品群だと思います。<以下少しネタバレ>キック・アス【Blu-ray】 [ アーロン・ジョンソン ]翻弄される主人公は狂言回しという感じで,ヒーローっぽさがあまりありません。ただそこが良いところなのだろうと思います。他方,ビッグ・ダディとヒット・ガールという本物のヒーローは,狂気に彩られ,凄みを感じさせます。なお原作ではビッグ・ダディの狂気はもっと凄いようですが,映画ではまだ感情移入がなし得るレベルにぎりぎりとどまっているのはないでしょうか。演じたのが優しそうな表情がきちんとできるニコラス・ケイジというのも,その印象を強めていると思います。一方,ビッグ・ダディの相棒で実娘のヒット・ガールは本作で一番印象に残るキャラクターに挙げる人が多いのではないでしょうか。まだローティーンだったクロエ・グレース・モレッツが実に魅力的に演じているため,この映画のとんでもなさを感じさせる一方で,爽快感も出してしまっているあたりが凄いなあと思っています。もう一人の主人公とも言うべきレッド・ミストも印象的なキャラクター。キック・アスと一緒に居た時間がもう少し長いと,彼の複雑な心境がより映えたように思いますが,それをのぞいても良いキャラクターをしていたと思います。終盤のアクションは圧巻!ヒーローとはなんぞや,を語りかける作品でもありますが,エンターテイメントとしても良く出来ていると思います。キック・アス ジャスティス・フォーエバー【Blu-ray】 [ アーロン・テイラー=ジョンソン ]冒頭でも少し書きましたが,続編の方はいろいろ調理が惜しいように思います。ヒット・ガール関連のところはなかなか魅力的に描かれていて,特にキック・アスとの関係性はとても良かったと思います。その点だけは何度も見てしまいました。演じるクロエ・グレース・モレッツもとても良かったですね(美しく成長しすぎたせいで,物語が彼女に寄りすぎてしまったのかもしれませんが)。ただ,問題はキック・アス。ヒット・ガールと絡んでいるときは良いのですが(特に冒頭の方であった二人の訓練シーンが良いです。二人とも本当に楽しそうで,戦友感が良かったです),それ以外の時がなんというか,行動や思考の一貫性が感じられず残念。他方,レッド・ミスト=マザー・ファッカーは良いヴィランになっていました。傍らのマザー・ロシアもインパクト十分で素晴らしかったと思います,アクションは相変わらず面白く,ジム・キャリー演じる星条旗大佐も存在感がありました。ただ,一貫した物語としてみると若干粗が見えるというか,調理方法をもう少し変えたらもっと面白くなったのではないか(星条旗大佐の扱いとか)と思い,そこが少し残念です。三作目も意識した作りですが,果たして続編は出るのでしょうか。原作を読んで,そのときを待ってみたいと思います。
2018/05/04
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