2015.06.01
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カテゴリ: 映画、ドラマ




今回は、結構、出費が痛いです。

欲しかったかき氷機も父の日のギフトも買いましたので、

働かねば。

 先日、観た映画です。

『ゴーン・ベイビー・ゴーン』

鑑賞途中で、このストーリー、知っている!と遅まきながら気付きました。ぽっ

そう、デニス・ルヘインの『愛しき者はすべて去り行く』です。

私立探偵パトリック&アンジーものの一作。



重く、辛く、痛く切ないのが特徴です。

主演二人が私のイメージしていたパトリック&アンジーとはほど遠かったため、

中盤まで気がつきませんでした。

ポール・ニューマンがリュー・アーチャーを演じた時みたいな気分です。

 が、観ているうちにそんなことは気にならなくなりました。

原作の要所を押さえた、クレバーな作りです。

数々の賞をとったらしいのですが、なぜか日本では劇場未公開だったとか。

多分、主演二人の知名度が今ひとつだった、とか

原作のファンについて映画配給元が高をくくっていたとか、

いろいろな事情があったのでしょうね。星

 さて、あらすじです。



世間は勿論、大騒ぎ。

そんな中、パトリックとアンジーが経営する探偵事務所に

アマンダの伯父夫婦から依頼が入ります。

警察が全力を挙げて捜査しているから、と

いったんは断ったふたりですが、夫妻の熱意に負けて引き受けます。



考えたからです。

 アマンダの母親、ヘリーンは麻薬中毒患者。兄夫妻と同居しています。

育児はいい加減で、アマンダは殆どネグレクトに近い環境で

育っていました。

手助けをしようとする伯父夫妻を煙たがり悪態をつくへリーン。

話を聞いているとアマンダ失踪時の供述も嘘ばかり。

実は麻薬の運び屋をしていて、

大金に目がくらみ情夫と薬の代金を横領。

ばかげた嘘で薬の本来の所有者を言いくるめようとしていたことが

分かりました。

 変質者か営利目的の犯罪者かといった視点で進められていた捜査が、

一転、「麻薬密売者の報復では?」という見方に傾いていきます。。。。。

 とにかく、アメリカの下層社会がリアルに描かれていて、

画面から目をそらしたくなる部分もありました。

映画だから誇張されているのかと思い、

アメリカにいたことのある夫に訊いてみると

「本当にこんなだよ」という答え。ますます落ち込みました。



以下、ネタバレを含みます。映画を観ていない方、出来たら映画から見て下さい。





*****************************************


麻薬密売人との取引が失敗に終わり、

アマンダの返還はならず、

落ち込むパトリックとアンジー。

が、別件から得た新事実を元に

事件を見直すパトリック。

調べていくうちに真相にたどり着きます。

実は、警察の一部とアマンダの伯父が、

アマンダの将来を思って、いい加減な母親の元から引き離し、

恵まれた環境で育てられるようにと

考えた上での「誘拐」でした。


アマンダ誘拐首謀者の一人、ドイル警部は

今までの経験から、子供の劣悪な環境、それから救い出すことの重要性を説きます。

優しい里親のところで、笑いながら幸せそうにはしゃいでいる

アマンダを見てアンジーはパトリックに懇願します。

「あの子は幸せ。どうかこのままそっとしておいて」と。

が、パトリックは、へリーンの「娘が戻ってきたら心を入れ替える」という

言葉を信じようとします。

実の母親から子供を奪うことは出来ない、と。

そして通報し、「善意の」犯罪者たちは逮捕。

仲の良かったパトリックとアンジーの関係にもひびが入ります。

アマンダは母親の元へ返ります。

テレビカメラに囲まれて、娘が戻ってきた喜びを

口にするへリーン。

数ヶ月後、

へリーンの家を訪ねたパトリックは

ソファーに座り、テレビをぼーっと観ているアマンダを目の当たりにします。

母親は、またもや恋人と会うためにアマンダを置き去り。

それまで、心配して面倒を見てくれていた伯父は監獄。

伯母はヘリーンから家を追い出され、遠方へ引っ越しています。

パトリックはアマンダと同じソファーに腰掛け、

うつろな表情で空間を凝視します。。。。。。


 一体、パトリックはどうしたら良かったのか?

それは誰にも分かりません。

本来、子供は肉親の元で暮らすのが一番のはずですが、

そうとも言い切れない「現実」の重さが胸に迫ってきます。

これ、原作を読んだときと同じなんです。

やりきれなくて哀しくて、とても辛い。

変更点はあるものの、原作のエッセンスを凝縮させたいい映画だと思いました。

 ちなみに主役のパトリックを演じたケイシー・アフレックは

監督の弟。

ニコール・キッドマン主演『誘う女』でリバー・フェニックスの弟とつるんでいた落ちこぼれを

演じた人です。

アンジーを演じたミシェル・モナハンは人気ドラマ『Raw&ORDER』シーズン2第10話で

乱暴された女子大生の親友役を演じたのがデビュー作。

以後、着実にキャリアを積んでいる実力派女優さんです。

その他、モーガン・フリーマン、エド・ハリス、ジョン・アシュトンなど

有名な俳優が脇を固めます。

渋い力作です。





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最終更新日  2015.06.08 09:55:46
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