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亀田は地下鉄千代田線の町屋駅を地上に出て
都電に沿って歩くと、3分のところにある。
亀田は私がものごころついたときには
すでに都電通りにあった。
でも小学生の私にとって
もつやき屋さんというのは
まったくの別世界だった。
そのころ、友だちに誘われて1度だけ
屋台のもつやきを買ってたべたことがある
もち論、親には内緒だ。
モツとシロをタレ焼きで食べた。
ものすごくうまいのでびっくりした。
世の中には、
こんなにうまいものがあるのかと感激したのだった。
またぜひとも食べたかった
でも友だちは誘ってくれなかった。
私ひとりで大人が飲んでいる屋台に行く勇気はなく
それきりになってしまった。
それ以来、もつやきはあこがれの食べ物になった。
亀田というもつやき屋があることも知っていた。
亀田は店でもつやきを焼いているのだから
きっと屋台のもつやきよりもうまいのだろうと思った。
しかし父は酒に強くはなく
外ではまず飲まない人だった
父の他に酒を飲む大人は私のまわりにいなくて
私を亀田へ連れて行ってくれる人はいなかった
私自身も亀田へ行きたいという気持すらわかなかった。
私と亀田が結びつかなかった。
亀田は私と関係のない、
ただそこにあるというだけの
まったく別世界の店だった。
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